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連続でお話してきました卓球の不文律ですが、今回の第3回では私の周りであった事例をご紹介します。

不文律とはルールでは定められていませんが、一般にそうすべきだと考えられている暗黙の掟のようなものです。


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 不文律なので解釈は人それぞれ
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卓球の不文律で代表的なのがネットやエッジにかすって得点した場合、得点が入った側の競技者が相手に対し済まないという意思表示をするケースです。

卓球をやっている人の間ではほぼ合意が取られている行いです。

しかしそれは人によって意思表示の度合に濃淡があることを感じます。

世界選手権の映像などを見ていると、人差し指だけを上に向けて立てる、あるいは手のひらを相手に見せての無言パターンが多いと思います。

それは選手間で話す言葉が異なることや、そういうシンプルな意思表示で必要十分だという考えに基づいているのでしょう。

ですから日本人同士かつ、その辺のありふれた試合でも同様の無言ポーズは見られます。

またそういう場所での試合であれば「すみません」「ゴメン」といった言葉を返す場合もよくあります。

不文律なので明確な定義などないのですが、概ねそんな感じでいいと理解されています。

少し厄介なのは、この不文律を独自に発展解釈された方がたまにいらっしゃるようです。

そういう人物に該当しそうなのがX氏です。


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 手のひらだけでは失礼?
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X氏は不可抗力ではあるが申し訳なかった行為をしたんだから「すみません」と言葉による意思表示があるべきというお考えです。

そしてその言葉は確実に相手に届く状態で発するべきだとも考えています。

実際の試合の中ではエッジボールでラリー終了になると、得点した側がエッジをかすめた1秒後に相手に手のひらを向け、失点した側はその時点ですでに背中を向けてボールを拾いに行っているようなことがあります。

X氏的にはこれは失礼な行為に当たります。

ボールを拾った相手が戻ってくるまで待ち、そこで一言「すみません」と声掛けをするのが正しい作法とされているようです。

X氏と男子高校生A君が試合をしていて、審判は私でした。

A君は手のひらを見せるだけのシンプルエクスキューズです。

別にそれで何も問題はないのですが、相手はX氏です。

ネットインされたボールを拾うため下を向いたX氏に、A君は手のひらを向け3回めのお詫びポーズを送りますがX氏には当然見えていませんでした。

我慢の限界に達したようでX氏は「すみませんは言わないの?」と問いかけました。

A君は一瞬戸惑ったようでしたが「す、すみません」と返し、それ以降試合は何事もなく終わりました。


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 「すみません」の意味
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翌週再び卓球場でA君と会うと「すみません」の必要性について相談を受けました。

彼はやや繊細な性格で一週間前の件がずっと頭の片隅に残っていたそうです。

X氏から指摘された際、とりあえずお詫びをしてその場を取り繕うという安全回路が働いたそうです。

ネットインに対する「すみません」ではなく、X氏を沈静化させるための「すみません」だったのです。

こうやって典型的な日本人的世渡り術が若者を蝕んでいく、と言うと言い過ぎでしょうか、えーっと、浸透していく様を目の当たりにしました。

私は仮にA君がピュアな性格で「すみません」を求められた理由を問い返したり、あるいは勝ち気な性格でX氏に反論を返していたら絶対揉めていただろうと伝えました。

そしてこれは何かの根幹にかかわるようなものではないので、君のやり過ごした対応は適切だったと評価しました。

最後に綺麗さっぱり忘れるように言って別れました。

私はネットエッジをやってしまった時、相手と対面した状態になってから「すみません」と言葉とゼスチャーで伝えることにしているため、X氏から指摘は受けないはずです。

ネットエッジの発生状況によっては、瞬時に発する「すみません」に加え、相手が戻ってきた時に重ねて「すみません」を重ねることもあります。

このあたりになってくると息苦しいと感じる方もいらっしゃるはずです。

逆に相手からネットインをされ無反応でも許しますし、たとえガッツポーズをされても苦笑いで済ませます。

どうしてこうなったのか。

ビジネスマナーや接客の講習を受けたことはあるので、それが影響しているのかと考えたことがあります。

でも営業職の人であっても千差万別で、やはり個人のキャラクターによるのでしょう。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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