2014 .03.01
今回は卓球用具メーカのジュウイックについてお話しします。
これまでにもジュウイックの製品についてはいくつか触れました。
金属製の容器にラケットを入れラバーの弾みを回復する装置や、有機溶剤を使わない安全な製品をいち早く開発した点など個性的なメーカでした。
残念ながらルールの変更により短期間で販売終了となったものがありますが、バンブーショットという竹を使ったユニークなラケットなどは、まだ現行製品で購入することができます。
製品のラインアップは広く、ラケット、ラバー、ユニフォームといった基本的なものから、防球フェンスや卓球台まであります。
10年前は製品のバリエーションが絞り込まれていて、カタログのページ数は8ページでした。
それが今では大手メーカに準ずる品揃えに近づきつつあります。
ラケット、ラバーの定番製品はしっかりと押さえながら、現在力を入れてアピールしていると思われるものが2つあります。
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可愛さ満点&ゆるキャラ
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1つめはウェア類です。
それも男性はそっちのけと思えるほど、レディース用にかなり重点を置いています。
他メーカの場合カタログをめくると、ラバーかラケットのページが最初に出てくるはずです。
ジュウイックではレディースウェアが4ページ続き、そのあと男女兼用ウェア、そしてようやくラバーの順となっています。
従って男性の私は最初のページはパラパラっとやり過ごすのですが、デパートの化粧品売り場を通り抜けるときのような異次元の空間に踏み込んだ感覚に襲われます。
この文章を書くために少し詳しく見ていると、微笑むモデルのお嬢さんとついつい目が合ってしまいます。
首のうしろに蝶々結びを施した、ブリブリにカワイイのがあったりしますね。
もちろん品揃えの中には、性別、年齢に関係なく選べるユニフォームがあります。
例えばカタログには載っていませんが、ジュウイックのWebページには、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気者「くまモン」を使ったTシャツタイプのユニフォームが販売されています。
卓球協会の公認マークが付いているので、公式戦のユニフォームとして堂々と使えます。
卓球だけでなく普段着としても使えそうなのがいいですね。
これに続いて「ひこにゃん」や「ふなっしー」も製品化してもらえないでしょうか。
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ディープなマニア向け
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ジュウイックが積極的に宣伝している2つめのもの、それはノイバウアー製品です。
イナバウアー(フィギュアスケートの荒川静香さんの技)ではありません。
ドイツにドクトル・ノイバウアーという人がいます。
この人は粒高ラバーやアンチラバーといった、変化球を繰り出すラバーをこよなく愛する方です。
そしてその思いが高じて、変則プレーに最適なラバーとラケットを次々と開発するにまで至りました。
9千円のラバーや5万円のラケットがあり、価格にびっくりするかもしれません。
そういうラバーを使う人は少数派であり、費用回収するため高額になっているように思えます。
ラケットも厳選素材で量産を念頭に置いていない度合いが高いようです。
5万円ともなると、大手メーカの特注よりも高額です。
昔はノイバウアーシリーズの他に、ボルコシリーズというスペシャルラケットも販売していました。
そちらはアメリカ人の職人さんが受注生産で作るラケットで、4万円台後半のため息価格でした。
4万、5万というそんなラケットは当然お目にかかったことはなく、もし目の前にあったとすれば、手袋をして震えながら触らなければ、、、は言いすぎですが、それに近い感覚はあるでしょう。
ただ9千円のラバーの方は、某卓球専門店で切れ端を触らせてもらったことがあります。
粒高ラバーで、巷で見かけるものよりもゴムが硬めでした。
硬めゆえ粒が根本から切れやすいとのことです。
値段が高く寿命も短めという、お財布には厳しいラバーのようです。
このような変則プレーの権威のような存在は面白く、そして製品化されてしまうのがなんとも不思議です。
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ツメの甘さが玉に瑕(きず)
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さてここまでジュウイックのユニークさを中心に書いてきました。
良いことばかりではなく、少しだけ頑張って欲しい部分もあります。
まずマニュアルやWebの内容に洗練さが足りないように思います。
昔のカタログには、かなりラフな画像が使われていました。
また、簡体字という中国で使われる画数の少ない漢字が残っていて、日本人が最終チェックをしていないと思われる部分がありました。
今はかなり改善されていますが、「バッグ」が「バック」になっていたり、外国語の直訳的な文章が若干残っています。
次に、ジュウイック、ノイバウア、GEWOという複数ブランドの製品を紹介していて、それぞれの性能の指標が異なる点が分かりづらいと思います。
別系列の製品なので、あたたり前ということなのでしょうか。
しかしヤサカは過去に3つのブランドを取り扱っていた際、指標を統一していました。
多くの人はカタログやWebをざっと見て、よく分からないとすぐに他メーカの製品に目を移してしまいます。
じっくり見て検討する人も、分かりづらいのはストレスが溜まると思います。
少し前からジュウイックは、中国リーニン社の製品をラインアップに加えています。
自社のオリジナルにこだわらず、取り扱うジャンルを補完したい場合は、販売契約を結ぶというやり方で良いと思います。
それと平行して、今後も大手メーカにはない独創的な製品の投入を期待したいところです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
これまでにもジュウイックの製品についてはいくつか触れました。
金属製の容器にラケットを入れラバーの弾みを回復する装置や、有機溶剤を使わない安全な製品をいち早く開発した点など個性的なメーカでした。
残念ながらルールの変更により短期間で販売終了となったものがありますが、バンブーショットという竹を使ったユニークなラケットなどは、まだ現行製品で購入することができます。
製品のラインアップは広く、ラケット、ラバー、ユニフォームといった基本的なものから、防球フェンスや卓球台まであります。
10年前は製品のバリエーションが絞り込まれていて、カタログのページ数は8ページでした。
それが今では大手メーカに準ずる品揃えに近づきつつあります。
ラケット、ラバーの定番製品はしっかりと押さえながら、現在力を入れてアピールしていると思われるものが2つあります。
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可愛さ満点&ゆるキャラ
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1つめはウェア類です。
それも男性はそっちのけと思えるほど、レディース用にかなり重点を置いています。
他メーカの場合カタログをめくると、ラバーかラケットのページが最初に出てくるはずです。
ジュウイックではレディースウェアが4ページ続き、そのあと男女兼用ウェア、そしてようやくラバーの順となっています。
従って男性の私は最初のページはパラパラっとやり過ごすのですが、デパートの化粧品売り場を通り抜けるときのような異次元の空間に踏み込んだ感覚に襲われます。
この文章を書くために少し詳しく見ていると、微笑むモデルのお嬢さんとついつい目が合ってしまいます。
首のうしろに蝶々結びを施した、ブリブリにカワイイのがあったりしますね。
もちろん品揃えの中には、性別、年齢に関係なく選べるユニフォームがあります。
例えばカタログには載っていませんが、ジュウイックのWebページには、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気者「くまモン」を使ったTシャツタイプのユニフォームが販売されています。
卓球協会の公認マークが付いているので、公式戦のユニフォームとして堂々と使えます。
卓球だけでなく普段着としても使えそうなのがいいですね。
これに続いて「ひこにゃん」や「ふなっしー」も製品化してもらえないでしょうか。
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ディープなマニア向け
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ジュウイックが積極的に宣伝している2つめのもの、それはノイバウアー製品です。
イナバウアー(フィギュアスケートの荒川静香さんの技)ではありません。
ドイツにドクトル・ノイバウアーという人がいます。
この人は粒高ラバーやアンチラバーといった、変化球を繰り出すラバーをこよなく愛する方です。
そしてその思いが高じて、変則プレーに最適なラバーとラケットを次々と開発するにまで至りました。
9千円のラバーや5万円のラケットがあり、価格にびっくりするかもしれません。
そういうラバーを使う人は少数派であり、費用回収するため高額になっているように思えます。
ラケットも厳選素材で量産を念頭に置いていない度合いが高いようです。
5万円ともなると、大手メーカの特注よりも高額です。
昔はノイバウアーシリーズの他に、ボルコシリーズというスペシャルラケットも販売していました。
そちらはアメリカ人の職人さんが受注生産で作るラケットで、4万円台後半のため息価格でした。
4万、5万というそんなラケットは当然お目にかかったことはなく、もし目の前にあったとすれば、手袋をして震えながら触らなければ、、、は言いすぎですが、それに近い感覚はあるでしょう。
ただ9千円のラバーの方は、某卓球専門店で切れ端を触らせてもらったことがあります。
粒高ラバーで、巷で見かけるものよりもゴムが硬めでした。
硬めゆえ粒が根本から切れやすいとのことです。
値段が高く寿命も短めという、お財布には厳しいラバーのようです。
このような変則プレーの権威のような存在は面白く、そして製品化されてしまうのがなんとも不思議です。
──────────────────────
ツメの甘さが玉に瑕(きず)
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さてここまでジュウイックのユニークさを中心に書いてきました。
良いことばかりではなく、少しだけ頑張って欲しい部分もあります。
まずマニュアルやWebの内容に洗練さが足りないように思います。
昔のカタログには、かなりラフな画像が使われていました。
また、簡体字という中国で使われる画数の少ない漢字が残っていて、日本人が最終チェックをしていないと思われる部分がありました。
今はかなり改善されていますが、「バッグ」が「バック」になっていたり、外国語の直訳的な文章が若干残っています。
次に、ジュウイック、ノイバウア、GEWOという複数ブランドの製品を紹介していて、それぞれの性能の指標が異なる点が分かりづらいと思います。
別系列の製品なので、あたたり前ということなのでしょうか。
しかしヤサカは過去に3つのブランドを取り扱っていた際、指標を統一していました。
多くの人はカタログやWebをざっと見て、よく分からないとすぐに他メーカの製品に目を移してしまいます。
じっくり見て検討する人も、分かりづらいのはストレスが溜まると思います。
少し前からジュウイックは、中国リーニン社の製品をラインアップに加えています。
自社のオリジナルにこだわらず、取り扱うジャンルを補完したい場合は、販売契約を結ぶというやり方で良いと思います。
それと平行して、今後も大手メーカにはない独創的な製品の投入を期待したいところです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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