ペンホルダーの皆さん、お元気ですか
卓球王国のDVDに、韓国のユスンミン選手が登場する「ペンホルダーは死なず」という作品があります。
この作品の紹介文の最後に、力強いメッセージが書かれています。
「卓球というスポーツがある限り、ペンホルダーは死なない」
カッコイイですね。
まあ10年経っても絶滅はしないでしょうが、以前にも触れたとおりペンの使用者は確実に減っています。
卓球王国のDVDに、韓国のユスンミン選手が登場する「ペンホルダーは死なず」という作品があります。
この作品の紹介文の最後に、力強いメッセージが書かれています。
「卓球というスポーツがある限り、ペンホルダーは死なない」
カッコイイですね。
まあ10年経っても絶滅はしないでしょうが、以前にも触れたとおりペンの使用者は確実に減っています。
学生リーグのパンフレットを見ると、ある大学はレギュラー陣が全てシェーク裏裏というチームがありました。
ときおり一緒に練習する中学生に聞いても、ペンの選手は1人もいないという返事が返ってきます。
メディアでは「若者の◯◯離れ」と報じられることがあります。
「若者のテレビ離れ」
「若者の車離れ」
「若者の肉離れ」痛っ、、もとい「若者の魚離れ」
卓球界では「若者のペン離れ」と言ったところでしょうか。
少数派のスタイルの中でもカットマンはたまに見かけますが、ペンの選手は少なく、特に日本式ペンホルダーは非常に稀な存在となっています。
トップ選手でも日ペンの選手となると数はぐっと少なくなり、日本のランキング上位の選手では、男子が田勢選手、女子が小野選手あたりしかいません。
ただ、中高年の卓球愛好家に目を向ければ、部活で経験のある方を中心に日ペン使用者をよく見かけます。
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日ペンは加工が楽しい
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日ペンの特徴は、あのコルクのグリップですね。
コルクは指を引っ掛ける表面の突起部分だけでなく、高さは低くなりますが反対側にもありますし、ほとんどのラケットには平らなコルクシートも両面に貼ってあります。
日ペン使用者は、ラケットを買ってから自分の好みに削るため、各自のオリジナリティが出るという点では愛着度が高いかもしれません。
まず、人差し指が当たる部分を削るのは皆さん共通です。
ここを削らないと、指が痛くてラケットを握ることができません。
個性が爆発するのが、これから先の加工作業です。
ユスンミン選手は、親指と人差指の股の部分が当たる裏面コルクの出っ張りは全部切り落とすそうです。
その部分をさらに深く削り、指の股がぴったりはまる大きな溝を作っているラケットの持ち主もいます。
「水かき」と私が勝手に命名しますが、棒状に伸びるグリップ部分と本体部分の境界のなだらかなカーブを嫌う人もいます。
親指が当たる側の水かきカーブを削り、直角にしている方もたまにお目にかかります。
裏面に割り箸を加工した木片を貼りつけたラケットを見せてもらったことがあります。
裏面の平コルクだけでは指がすべるので、中指と薬指の位置をガッチリ固定させるために貼りつけたそうです。
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機能性とデザイン
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私は個人的には表面の平コルクは不要なのではと思っています。
裏面の半円コルクは滑り止めになると思いますが、表面の平コルクはあっても効果が低いような気がするからです。
事実、平コルクがない日ペンも少しですが存在します。
コルクの表面にある小さな穴を、虫食い穴みたいで気持ち悪いという人がいます。
人によって感じ方が様々なんですね。
私はまさに自然界にある植物の温かみが感じられるので好きです。
この穴のあるのコルクは、コルクの木からそのままカットした天然コルクです。
これとは別に、小さなコルクの粒を固めた圧搾(あっさく)コルクというものもあります。
一部のラケットには、この圧搾コルクが使われています。
私が好きな日ペン、それは昔ニッタクから販売されていた「ロンガー」です。
若干重めで、弾みはやや控え目のオーソドックスなヒノキ単板の角型日ペン。
実売3000円前後で、お財布にも優しいラケットでした。
95mmの長めのグリップで、裏面の半円コルクがなく全面黒塗りです。
そのため名前のとおり長さが強調されて見えます。
天然コルクのグリップには、プラスチックレンズなど余計なものは埋め込まず、コルク本来の質感が楽しめます。
なんだかとても「和」を感じさせてくれる、このラケットが好きでした。
コルク製のグリップは、デザイン的にはおとなしいイメージがあります。
指が当たる先端部分だけにコルクを残し、鮮やかな木のグリップを付けた日ペンもいくつかあります。
バタフライの日中号スーパーが有名でした。
あのシマシマ模様のラケットも今はありません。
最近ではニッタクにミグノンというラケットがあり、シェークに続いて日ペンも発売されました。
地味な日ペンが多い中、鮮やかなオレンジのグリップが華を添えています。
このラケットは、最近はやりのエッジガードというラケットの周辺に着色した木材を巻き付けていて、とってもおしゃれです。
女性ユーザーを強く意識した商品ではないでしょうか。
角型日ペンは重量バランスを取るために、長いグリップになっているそうです。
長い分、ぶつけることは多くなります。
コルクはもろいため、ぶつけるとすぐに欠けてしまいます。
それでもグリップエンドの先端を美しく丸めているラケットはいいですね。
グリップエンドが角張った状態で、まさにコルクの角材を接着しただけのような美的センスゼロのラケットがあります。
せめて角を斜めに切る加工を入れて欲しいと思います。
たまにミドルに打ち込まれたボールを処理しようと、とっさにラケットを胸元に動かした際、グリップであばら骨を強打することがあります。
しかし、長いグリップは美しいのでずっと残って欲しいです。
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今後の展開
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年を追うごとに各社のカタログから日ペンが消えていき、近年でもヤサカの日ペンが大幅に整理されてしまったのは特に残念でした。
一方、海外メーカでも日ペンを作っているところが一部あり、ヨーラ、アディダスには拍手を送りたいです。
少しだけ贅沢を言わせてもらえば、同じラケットでシェークと中ペンは同一価格なのに、日ペンは高いものがあり、同じ値段にしてもらえたら嬉しいです。
(少量生産でコストが高くなるというのは分かります)
日ペンの使用者が減るのはしょうがないと思います。
しかしもう少し面白いラケットが出て欲しいですね。
有名デザイナーの佐藤可士和さん、深澤直人さん、川崎和男さんなどが考えたら、どういうラケットができるのでしょうか?
ためしに女子中学生2人から意見をうかがったところ、
グリップにプリクラの写真が入れられたり、ミニチュアの水槽になっていて、中にビーズや星の砂がぷかぷか浮いている・・・
使うのに少し勇気が必要なラケットですね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
ときおり一緒に練習する中学生に聞いても、ペンの選手は1人もいないという返事が返ってきます。
メディアでは「若者の◯◯離れ」と報じられることがあります。
「若者のテレビ離れ」
「若者の車離れ」
「若者の肉離れ」痛っ、、もとい「若者の魚離れ」
卓球界では「若者のペン離れ」と言ったところでしょうか。
少数派のスタイルの中でもカットマンはたまに見かけますが、ペンの選手は少なく、特に日本式ペンホルダーは非常に稀な存在となっています。
トップ選手でも日ペンの選手となると数はぐっと少なくなり、日本のランキング上位の選手では、男子が田勢選手、女子が小野選手あたりしかいません。
ただ、中高年の卓球愛好家に目を向ければ、部活で経験のある方を中心に日ペン使用者をよく見かけます。
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日ペンは加工が楽しい
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日ペンの特徴は、あのコルクのグリップですね。
コルクは指を引っ掛ける表面の突起部分だけでなく、高さは低くなりますが反対側にもありますし、ほとんどのラケットには平らなコルクシートも両面に貼ってあります。
日ペン使用者は、ラケットを買ってから自分の好みに削るため、各自のオリジナリティが出るという点では愛着度が高いかもしれません。
まず、人差し指が当たる部分を削るのは皆さん共通です。
ここを削らないと、指が痛くてラケットを握ることができません。
個性が爆発するのが、これから先の加工作業です。
ユスンミン選手は、親指と人差指の股の部分が当たる裏面コルクの出っ張りは全部切り落とすそうです。
その部分をさらに深く削り、指の股がぴったりはまる大きな溝を作っているラケットの持ち主もいます。
「水かき」と私が勝手に命名しますが、棒状に伸びるグリップ部分と本体部分の境界のなだらかなカーブを嫌う人もいます。
親指が当たる側の水かきカーブを削り、直角にしている方もたまにお目にかかります。
裏面に割り箸を加工した木片を貼りつけたラケットを見せてもらったことがあります。
裏面の平コルクだけでは指がすべるので、中指と薬指の位置をガッチリ固定させるために貼りつけたそうです。
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機能性とデザイン
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私は個人的には表面の平コルクは不要なのではと思っています。
裏面の半円コルクは滑り止めになると思いますが、表面の平コルクはあっても効果が低いような気がするからです。
事実、平コルクがない日ペンも少しですが存在します。
コルクの表面にある小さな穴を、虫食い穴みたいで気持ち悪いという人がいます。
人によって感じ方が様々なんですね。
私はまさに自然界にある植物の温かみが感じられるので好きです。
この穴のあるのコルクは、コルクの木からそのままカットした天然コルクです。
これとは別に、小さなコルクの粒を固めた圧搾(あっさく)コルクというものもあります。
一部のラケットには、この圧搾コルクが使われています。
私が好きな日ペン、それは昔ニッタクから販売されていた「ロンガー」です。
若干重めで、弾みはやや控え目のオーソドックスなヒノキ単板の角型日ペン。
実売3000円前後で、お財布にも優しいラケットでした。
95mmの長めのグリップで、裏面の半円コルクがなく全面黒塗りです。
そのため名前のとおり長さが強調されて見えます。
天然コルクのグリップには、プラスチックレンズなど余計なものは埋め込まず、コルク本来の質感が楽しめます。
なんだかとても「和」を感じさせてくれる、このラケットが好きでした。
コルク製のグリップは、デザイン的にはおとなしいイメージがあります。
指が当たる先端部分だけにコルクを残し、鮮やかな木のグリップを付けた日ペンもいくつかあります。
バタフライの日中号スーパーが有名でした。
あのシマシマ模様のラケットも今はありません。
最近ではニッタクにミグノンというラケットがあり、シェークに続いて日ペンも発売されました。
地味な日ペンが多い中、鮮やかなオレンジのグリップが華を添えています。
このラケットは、最近はやりのエッジガードというラケットの周辺に着色した木材を巻き付けていて、とってもおしゃれです。
女性ユーザーを強く意識した商品ではないでしょうか。
角型日ペンは重量バランスを取るために、長いグリップになっているそうです。
長い分、ぶつけることは多くなります。
コルクはもろいため、ぶつけるとすぐに欠けてしまいます。
それでもグリップエンドの先端を美しく丸めているラケットはいいですね。
グリップエンドが角張った状態で、まさにコルクの角材を接着しただけのような美的センスゼロのラケットがあります。
せめて角を斜めに切る加工を入れて欲しいと思います。
たまにミドルに打ち込まれたボールを処理しようと、とっさにラケットを胸元に動かした際、グリップであばら骨を強打することがあります。
しかし、長いグリップは美しいのでずっと残って欲しいです。
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今後の展開
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年を追うごとに各社のカタログから日ペンが消えていき、近年でもヤサカの日ペンが大幅に整理されてしまったのは特に残念でした。
一方、海外メーカでも日ペンを作っているところが一部あり、ヨーラ、アディダスには拍手を送りたいです。
少しだけ贅沢を言わせてもらえば、同じラケットでシェークと中ペンは同一価格なのに、日ペンは高いものがあり、同じ値段にしてもらえたら嬉しいです。
(少量生産でコストが高くなるというのは分かります)
日ペンの使用者が減るのはしょうがないと思います。
しかしもう少し面白いラケットが出て欲しいですね。
有名デザイナーの佐藤可士和さん、深澤直人さん、川崎和男さんなどが考えたら、どういうラケットができるのでしょうか?
ためしに女子中学生2人から意見をうかがったところ、
グリップにプリクラの写真が入れられたり、ミニチュアの水槽になっていて、中にビーズや星の砂がぷかぷか浮いている・・・
使うのに少し勇気が必要なラケットですね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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