初級者レベルの方を中心に、ラバーの貼り替えで失敗した方は多数いらっしゃいます。
まず貼り替えるためには、既に貼ってあるラバーをはがす必要があります。
この場合、必ずラケットの横方向からはがすようにしてください。
縦方向にはがすと、ラケットの表面の木がラバーにくっついたまま、はがれてくることがあるためです。
横方向からはがす場合も、あせらず慎重にはがしてください。
一気にはがそうとすると、やはり表面の木がはがれることがありますし、逆にスポンジの一部がはがれずにラケットに残る場合があります。
こういった現象を抑えるために、新しいラケットを買ったとき、表面を保護するコーティング剤やニスを塗る方も少なくありません。
あらかじめラバーが貼ってあるラケットの多くは、ラバーを貼り替えることを考慮していません。
しかしそういったラケットでも、ラバーの貼り替えをお願いされたことがありました。
貼り替える前のラケットは、ラバーのゴムシートが1/5ほどスポンジからベロっとはがれていて、よくぞここまで使い込んだという状態でした。
ラバー貼りラケットなら、新品でも実売千円以下という商品もあるのに、それよりもはるかに高いラバーを買って貼り替えるのはおかしいと思う方もいるでしょう。
私が依頼されたのは、他の方が不要になった中古ラバーを再利用し、ボロボロのラバー貼りラケットを再生するというものでした。
普通の貼り替えとは異なり、カチカチに劣化したシートをはぎとった後、カッターナイフや紙やすりでスポンジを除去しました。
そして表面を保護するコーティング剤を塗ってから、中古ラバーを貼りました。
チープなラケットなのに、バタフライのテンションラバーというのがとてもアンバランスでした。
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切り落としてはいけない部分
──────────────────────
新品のラバーを開封すると、製品名やマークのようなものが下の部分に密集しているのが分かります。
こういう邪魔なものはキライということで、表面が平坦で何もない部分だけを貼った方がいらっしゃいました。
ラバーは製品名やITTF(国際卓球連盟)のロゴマークなどをつけた状態で貼るという決まりになっています。
ということは、それを切り取ってしまったラバーは全く使えないのでしょうか?
この決まりは、公式試合に出場する時の話です。
仲間内の練習でのみ使う方には問題はなく、次回貼るときに注意してもらえばいいだけです。
一切のロゴなどを切り取ってしまった、こののっぺらぼうのラバーで少し盛り上がりました。
買った本人はラバーの名前など気にかけていないため、メーカや製品名を覚えていません。
そこで何人かの間でラバーの名称を当てるクイズとなり、ニッタクのアルフィールというラバーだということが分かりました。
(購入者がパッケージにイルカの絵があったことを思い出して判明)
私はロゴなどを残すことを最初から教えられていたので、疑問を持ったことがありませんでした。
しかしそういう情報がなければ、切り落とそうという考えのほうが自然かもしれませんね。
このロゴ関連ですが、専有面積が広いために不評を買っているラバーがあります。
それは主に、ペンの表ソフトラバー使用者から寄せられる意見です。
表ソフトはロゴの部分が大きいと、粒の面積が少なくなり損したような気分?になります。
ペンホルダーの人はグリップとラバーの間に隙間を開けて貼る方が多いため、粒がない部分が広いとシェークよりもさらに視覚的な不安が増します。
これに関し、表ソフトの定番TSPのスペクトルの場合は解決策があります。
スペクトルは、中心にお兄さんがスマッシュを打っているイラストがあります。
このイラスト部分の左右には幾何学模様しかなく、そこを切り取っても製品名やITTFのロゴは上にあるため、問題は生じません。
一方、このような解決策がないラバーもあります。
ヨーラのエクスプレスウルトラという表ソフトラバーは、製品名とメーカ名をこれでもかというぐらい大きな文字で2段に並べ、ITTFのロゴは下の方に配されています。
ほとんど切り取れる部分はありません。
なるほどこれではペンの人は泣きたくなります。
どなたも切るのに苦労するのは、中国のairというメーカのラバーです。
ITTFのロゴが左にあり、製品名は右側まで長~く伸びて配されています。
両方を完全に残すよう切るのは難しく、特にラバーをグリップの根本まで貼るシェークの場合、難しいを通り越して不可能です。
従って大部分の方は、右側の製品名を途中で切り落とす形で貼っています。
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貼り方と切り方
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多くの場合ラバーを貼り付ける接着剤は、ラケットとラバー双方に塗り、乾いたあとで貼り合わせます。
接着剤の他にも接着シートで貼り付ける方法があります。
透明のシートに粘着剤がついていて、これでラケットとラバーを貼り合わせます。
似たような製品に、裏ソフトラバーの表面を保護するためのシートというのもあるので、間違えないよう注意が必要です。
スポンジのない1枚ラバーの多くは、この接着シートで貼ります。
あらかじめこの接着シートを、ラバーの片面に貼った状態で販売されている製品もあります。
ラバーを切るのはラケットに貼ったあとにしましょう。
切ったあとで貼ると、どうしてもずれてしまうからです。
切る時は、裁ちばさみなど大型のハサミを用意してください。
少しずつ切るのではなく、一回に切る分量を多めに切ります。
ハサミは動かさず、ラケットを回しながら切るのがコツです。
ラバーによって、切りやすさにかなり差があります。
一番切りやすいのはスポンジがない1枚ラバーです。
分厚いラバーはやはり切りにくく、最も難しいのは粒が大きい表ソフトです。
裏ソフトと表ソフトの粒の大きさを比べると、表ソフトのほうが粒が大きく、さらにその中でも大粒の製品は、ちょうど粒を分かつように切るのに苦労します。
失敗してガタガタになってもプレーに影響はしないので、諦めも大切です。
何かと話題になるラケットに、以前紹介したフランスのエロワ選手が使っている軍配型のラケットがあります。
ラケットの横がくびれた形になっているので、ラバーを切るにはかなりの集中力が要求されます。
ご本人は、一度楕円形に切ってくびれ部分だけあとで切っているのか、それとも最初からあの形状に切っているのでしょうか?
エロワ選手は喜怒哀楽がはっきりしている人なので、ラバーのカットの出来・不出来でその日の気分も左右したりするかもしれませんね。
ちょっと雑学的な話として、ラバーに限ったことではありませんが、左利きの人はハサミを使う際苦労します。
なぜなら、ちまたで見かけるハサミの大部分は、右利き用のハサミだからです。
切るときに下側の刃が手前にないとうまく切れません。
左利き用のハサミもありますが、いつも携帯するわけではないので、出先でちょっと何かを切りたい時は、右利き用のハサミを使うのを強いられます。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
まず貼り替えるためには、既に貼ってあるラバーをはがす必要があります。
この場合、必ずラケットの横方向からはがすようにしてください。
縦方向にはがすと、ラケットの表面の木がラバーにくっついたまま、はがれてくることがあるためです。
横方向からはがす場合も、あせらず慎重にはがしてください。
一気にはがそうとすると、やはり表面の木がはがれることがありますし、逆にスポンジの一部がはがれずにラケットに残る場合があります。
こういった現象を抑えるために、新しいラケットを買ったとき、表面を保護するコーティング剤やニスを塗る方も少なくありません。
あらかじめラバーが貼ってあるラケットの多くは、ラバーを貼り替えることを考慮していません。
しかしそういったラケットでも、ラバーの貼り替えをお願いされたことがありました。
貼り替える前のラケットは、ラバーのゴムシートが1/5ほどスポンジからベロっとはがれていて、よくぞここまで使い込んだという状態でした。
ラバー貼りラケットなら、新品でも実売千円以下という商品もあるのに、それよりもはるかに高いラバーを買って貼り替えるのはおかしいと思う方もいるでしょう。
私が依頼されたのは、他の方が不要になった中古ラバーを再利用し、ボロボロのラバー貼りラケットを再生するというものでした。
普通の貼り替えとは異なり、カチカチに劣化したシートをはぎとった後、カッターナイフや紙やすりでスポンジを除去しました。
そして表面を保護するコーティング剤を塗ってから、中古ラバーを貼りました。
チープなラケットなのに、バタフライのテンションラバーというのがとてもアンバランスでした。
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切り落としてはいけない部分
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新品のラバーを開封すると、製品名やマークのようなものが下の部分に密集しているのが分かります。
こういう邪魔なものはキライということで、表面が平坦で何もない部分だけを貼った方がいらっしゃいました。
ラバーは製品名やITTF(国際卓球連盟)のロゴマークなどをつけた状態で貼るという決まりになっています。
ということは、それを切り取ってしまったラバーは全く使えないのでしょうか?
この決まりは、公式試合に出場する時の話です。
仲間内の練習でのみ使う方には問題はなく、次回貼るときに注意してもらえばいいだけです。
一切のロゴなどを切り取ってしまった、こののっぺらぼうのラバーで少し盛り上がりました。
買った本人はラバーの名前など気にかけていないため、メーカや製品名を覚えていません。
そこで何人かの間でラバーの名称を当てるクイズとなり、ニッタクのアルフィールというラバーだということが分かりました。
(購入者がパッケージにイルカの絵があったことを思い出して判明)
私はロゴなどを残すことを最初から教えられていたので、疑問を持ったことがありませんでした。
しかしそういう情報がなければ、切り落とそうという考えのほうが自然かもしれませんね。
このロゴ関連ですが、専有面積が広いために不評を買っているラバーがあります。
それは主に、ペンの表ソフトラバー使用者から寄せられる意見です。
表ソフトはロゴの部分が大きいと、粒の面積が少なくなり損したような気分?になります。
ペンホルダーの人はグリップとラバーの間に隙間を開けて貼る方が多いため、粒がない部分が広いとシェークよりもさらに視覚的な不安が増します。
これに関し、表ソフトの定番TSPのスペクトルの場合は解決策があります。
スペクトルは、中心にお兄さんがスマッシュを打っているイラストがあります。
このイラスト部分の左右には幾何学模様しかなく、そこを切り取っても製品名やITTFのロゴは上にあるため、問題は生じません。
一方、このような解決策がないラバーもあります。
ヨーラのエクスプレスウルトラという表ソフトラバーは、製品名とメーカ名をこれでもかというぐらい大きな文字で2段に並べ、ITTFのロゴは下の方に配されています。
ほとんど切り取れる部分はありません。
なるほどこれではペンの人は泣きたくなります。
どなたも切るのに苦労するのは、中国のairというメーカのラバーです。
ITTFのロゴが左にあり、製品名は右側まで長~く伸びて配されています。
両方を完全に残すよう切るのは難しく、特にラバーをグリップの根本まで貼るシェークの場合、難しいを通り越して不可能です。
従って大部分の方は、右側の製品名を途中で切り落とす形で貼っています。
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貼り方と切り方
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多くの場合ラバーを貼り付ける接着剤は、ラケットとラバー双方に塗り、乾いたあとで貼り合わせます。
接着剤の他にも接着シートで貼り付ける方法があります。
透明のシートに粘着剤がついていて、これでラケットとラバーを貼り合わせます。
似たような製品に、裏ソフトラバーの表面を保護するためのシートというのもあるので、間違えないよう注意が必要です。
スポンジのない1枚ラバーの多くは、この接着シートで貼ります。
あらかじめこの接着シートを、ラバーの片面に貼った状態で販売されている製品もあります。
ラバーを切るのはラケットに貼ったあとにしましょう。
切ったあとで貼ると、どうしてもずれてしまうからです。
切る時は、裁ちばさみなど大型のハサミを用意してください。
少しずつ切るのではなく、一回に切る分量を多めに切ります。
ハサミは動かさず、ラケットを回しながら切るのがコツです。
ラバーによって、切りやすさにかなり差があります。
一番切りやすいのはスポンジがない1枚ラバーです。
分厚いラバーはやはり切りにくく、最も難しいのは粒が大きい表ソフトです。
裏ソフトと表ソフトの粒の大きさを比べると、表ソフトのほうが粒が大きく、さらにその中でも大粒の製品は、ちょうど粒を分かつように切るのに苦労します。
失敗してガタガタになってもプレーに影響はしないので、諦めも大切です。
何かと話題になるラケットに、以前紹介したフランスのエロワ選手が使っている軍配型のラケットがあります。
ラケットの横がくびれた形になっているので、ラバーを切るにはかなりの集中力が要求されます。
ご本人は、一度楕円形に切ってくびれ部分だけあとで切っているのか、それとも最初からあの形状に切っているのでしょうか?
エロワ選手は喜怒哀楽がはっきりしている人なので、ラバーのカットの出来・不出来でその日の気分も左右したりするかもしれませんね。
ちょっと雑学的な話として、ラバーに限ったことではありませんが、左利きの人はハサミを使う際苦労します。
なぜなら、ちまたで見かけるハサミの大部分は、右利き用のハサミだからです。
切るときに下側の刃が手前にないとうまく切れません。
左利き用のハサミもありますが、いつも携帯するわけではないので、出先でちょっと何かを切りたい時は、右利き用のハサミを使うのを強いられます。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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