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今回は卓球に関連する用語についてお話ししてみたいと思います。

練習やメディアでの報道、あるいはネットなどを通じて様々な用語を耳にし、その意味するものを私達は理解しています。

それらについて最初に違和感を感じるものもありますし、そうでなくてもある時ふと疑問を抱くものもあります。


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 YGサーブ
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代表的なものとして一例を挙げると「YGサーブ」がそうでしょう。

フォアハンドから出すサーブで、脇腹に向かってスイングしたラケットを反対側に振り戻す動作で出す横回転が入ったサーブです。

YGサーブのYGとは、ヤングジェネレーションの略です。

若年層が使うサーブという意味ではなく、それまでになかった新世代のサーブという意味だったようです。

一時期「ヤンジェネ」と呼ぶ人もいたそうです。

現在ヤンジェネと呼んでしまうと、その寒い響きから80%くらいの確率で笑われそうです。

YGは要するに「新製品」と言っているのと同じで、時間が経てば適切でなくなります。

ところがいつまで経ってもYGサーブのまま今に至っています。

これこれは変だよねと指摘をする際、対案も出すべきだとよく言われます。

練習仲間のある人は、YGはそのままで意味を変えてはどうかということでした。

Y(横)G(切り)サーブとのことで、周囲の人全員から0.3秒でダメ出しを喰らいました。

いくつかの案が出ましたが、振り子サーブが妥当かなという結論に至りました。

このYGサーブは使う人が増えてきたため具体名がつけられたようです。

ずっと前にほぼ同じサーブを出していた人は存在していました。

例えば2度の男子シングルス世界チャンピオンに輝いた中国の郭躍華選手は、1970年代にこのサーブを使っていて動画でも確認できます。


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 ツッツキ
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続いての用語修正候補は「ツッツキ」です。

相撲の技なら納得なのですが、ドライブやスマッシュといったカタカナ用語が並ぶ基本打法の中では異彩を放つ和語です。

練習仲間からは「じゃあ、スマッシュも『ひっぱたき』にして和語を増やそう」というボケ提案が出ました。

和語は他にも「投げ上げ(サーブ)」「横入れ:ネットの支柱よりも外側を通過する返球」などが使われています。

それらと比較して、ツッツキは和語っぽすぎてぬか味噌臭がただよう用語との意見が出たのです。

参加者から出た変更案はバラバラで結論は出ませんでした。

個人的には中国で使われている「搓球」が良さそうに思えました。

搓の文字には、こするとか、(ひもなどを)よる、という意味があります。

搓球をそのまま日本語読みした「さきゅう」か、搓と同等の意味を持ち、私達がイメージしやすい「擦」の文字を使った擦球「さっきゅう」などはどうかと思いました。

さてここでカタカナ用語ではなく、なぜ漢字なのかと思った方がいらっしゃるかもしれません。

理由は2つあり、まず明治時代に西洋の文化を取り入れた際、多くの言葉を漢字で表現した取り組みに私は感銘を受けました。

漢字は習得に時間がかかりますが、それができればとても便利な文字です。

せっかく苦労して漢字を使っているのなら、その恩恵をもっと享受すべきだと思っているのです。

もう一つの理由は、カタカナ言葉にすると表記や発声が冗長になるからです。

エレベーターは中国語では「電梯」、リニアモーターカーは「磁浮」です。

日本人にもとても分かりやすい表現です。

このまま採用して読みだけを日本的にそれぞれ「でんてい」「じふ」に変えてしまってはどうかと思うくらいです。


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 カットマン
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カットマンは和製用語であり、英語圏で一般に使われている呼称のチョッパーに変えるべきだという意見の人がいました。

ちなみにボクシングの世界では、止血をする人をカットマンと呼ぶのだそうです。

私はこれに関しては、チョッパーに変えるなら変えてもいいし、そのままカットマンでも構わないと考えています。

ずっと前にあるカナダ人の方が話していたことを思い出します。

「日本人は○○は和製英語だねと必要以上に卑下しすぎである」

「そのほとんどは立派な日本語なのです」

この意見には概ね同意で、先日ある人が車の話をしているときにハンドルではなくステアリングと言ったとき、この人ちょっと意識しているのかなと穿った感じを持ってしまいそうになりました。


最後に練習仲間全員が一致した意見は「粒高ラバーはイボ高ラバーとは言わないようにしようね」でした。

イボは気持ち悪いし、中高年が使う死語に位置づけられているからです。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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