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オリンピックに出場するような選手になると、競技に人生全てをかけて取り組んでいます。

選手がメダルを獲得できるよう、国がサポートする制度があり、今回はそれについて考えてみます。


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 1000万円のマシンは高いか安いか
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ロンドンオリンピックを目前にした6月、話題になった出来事として「チキー太くん」というマシンがありました。

バックハンドで横回転をかけながらボールを払う技は、通称チキータと呼ばれています。

チキータはバナナのブランド名で、バナナのように曲がってボールが飛ぶことからこの名前がつけられました。

近年はこのチキータを使う選手が増えていて、そのボールを再現するマシン「チキー太くん」が開発されました。

3台作り、お値段はしめて1000万円とのことです。

文部科学省は、オリンピックでメダル獲得を支援する事業に予算をつけています。

その額、今年度(2012年度)は27億円になります。

チキー太くんはこの予算により製作されました。

鳴り物入りで登場した、ハイテクマシンの効果のほどはどうだったのでしょうか。


女子団体は銀メダルを獲得し、目に見える結果を出すことができました。

しかし、チキー太くんの開発で期待された成果となるとよくわかりません。

主な理由は、まず団体戦においてチキータを多用する中国男子チームに当たる前に敗退したためです。
(→ 一番試したい場面が実現しなかった)

また団体戦より前に行われた個人戦では、岸川選手がベスト8に入りました。

ベスト4をかけた準々決勝では、中国の王皓選手と対戦し、結果は0-4で王皓選手の圧勝でした。
(→ マシンの効果について疑問)

これらのことから、残念ながらチキー太くん開発に対する評判は芳しくありません。

マシンは無駄だったという辛口の意見もあります。

私は無駄だと断じるのは少しひどいような気がします。

ただ、せめて男子の団体戦で中国と当たり、水谷選手と丹羽選手もこのマシンでやったことをぶつける場面があって欲しかったと思います。


別の角度から見てみると、チキー太くんがどういった事業展開を見据えて開発されたか、そちらのほうも気になります。

メーカが何かを開発するときは、必ずビジネスプランを立てます。

・市場調査(規模や動向、利用シーン、競合他社)

・開発製造(期間や費用、部品の調達方法)

・販売戦略(価格、広告宣伝方法)  等々

このマシンは、開発製造費の部分が文科省から出るという大変恵まれた案件です。

ここで単に言われたものを作っただけというのでは、メーカとして失格です。

量産向け製品への転用や、開発過程のアイデアで特許ビジネスに結びつけるなど、停滞気味の日本のモノ作りに最大限活かしてくれることを期待したいですね。

パッと見ですが、あのマシン3台が開発費込みで1000万円なら、個人的に高すぎることはないのではと思います。


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 柔軟な予算の使い方
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仮にもっと自由に予算が使えるのなら、マシン開発より優先すべき使途はないのでしょうか。

私は選手のコンディション向上のために、配慮してあげたらどうかと思うことがあります。

今回、事前の世界ランキングを上げておくことが、よりよいシード位置を確保するのにものすごく重要であると、みなさん身にしみてわかっていると思います。

メダルの有無や色に直結することです。

それにつながる試合に出るため、選手は世界中を飛び回っていました。

移動に際し中韓はもとより、西欧諸国なら直行便があって比較的マシだと思います。

中南米あたりだと辛くなってきます。

飛行機に乗る絶対時間が長く、乗り換えのためアメリカなどで半日待つ場合もあるからです。

そして時差ボケや気候の違いといった、一般的な海外移動の困難が伴います。

選手のみなさんは、エコノミークラスに乗っているのでしょうか。

あれは一種の拷問ですね。

トイレに行くついでに屈伸運動などをしますが、あの狭い空間で長時間限られたポーズを強いられると嫌になってきます。

しかも通路側に怖い顔をした巨漢のおじさんが座っていたりしたら、トイレに行くのも気が引けてしまいます。

もしエコノミークラスしか乗れないのなら、チキー太くんを作るお金でビジネスクラスにランクアップするほうが、現実的なメダル獲得の支援になると思います。


ホテルの星を一つ上げるのもいいでしょう。

星が少ないと部屋の隅から例の昆虫が現れたり体が痒くなったり、あるいはシャワーから茶色の水が出てきて、透明になるまでしばらく待つこともあります。

このあたりまでなら流石に学生の節約旅行と違って、既に日本卓球協会から配慮がなされているかもしれません。

他には、外国では当然食事も違いますし、総じて日本ほど治安は良くありません。

タクシーでわざと遠回りをされたり、ターボメータという改造機器で不当な料金を請求されたことも私は経験しました。

こういったストレスから守ってくれる現地情報に精通したスタッフを雇い、選手が試合に集中できるようになっていることを期待します。

日本国内の移動でも、いや移動がなくても、風邪を引いたりお腹を壊したりすることが時にはあります。

それが時差が12時間で日本と季節が夏冬逆転の国であっても、選手は心身を整えて試合に臨んでいるのはすごいことです。

まあ随分好き勝手な意見を書いていますが、文科省の予算の使い道は限定されているでしょうから、難しそうな感じはします。

ちなみに韓国では練習は地獄のように厳しい一方、選手への諸々の待遇は大変手厚いそうです。


8月20日にメダリストによる銀座の凱旋パレードがあり、随分盛り上がりました。

ああいうイベントなら予算をつけるのはいいのではないでしょうか。

国民の理解も得られやすいと思います。

私は以前、あの二階建てオープンバスに乗ったことがあります。

東京駅の近くから観光で乗ることができ、皇居周辺や国会議事堂などを巡りました。

天気が良い日は最高ですので、興味のある方は是非乗ってみることをおすすめします。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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