知人のお下がりのラケットを使っていた方がいました。
そろそろ新しいラケットとラバーに替えようと思い、カタログを見ていました。
ページをパラパラとめくってしばらくした後「どれがいいのか分からない」と、ため息混じりにつぶやきました。
お気持はよく解ります。
──────────────────────
店員さんは頼りになるか
──────────────────────
初級者の人でも攻撃向けか守備向けかや、自分はなんとなくこのあたりの商品かなというぼんやりとした判断はつきます。
でも同じタイプの商品があんなにいっぱい載っていたら、さすがに戸惑ってしまいますよね。
大手メーカになると、品揃えの豊富さを他社と張り合っているような雰囲気を感じます。
そろそろ新しいラケットとラバーに替えようと思い、カタログを見ていました。
ページをパラパラとめくってしばらくした後「どれがいいのか分からない」と、ため息混じりにつぶやきました。
お気持はよく解ります。
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店員さんは頼りになるか
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初級者の人でも攻撃向けか守備向けかや、自分はなんとなくこのあたりの商品かなというぼんやりとした判断はつきます。
でも同じタイプの商品があんなにいっぱい載っていたら、さすがに戸惑ってしまいますよね。
大手メーカになると、品揃えの豊富さを他社と張り合っているような雰囲気を感じます。
値段についても、高いのは初級者にもそれなりの価値があるのか、はたまた猫に小判なのか悩みます。
安い商品に目を転じれば、うれしい値段だけど特殊な人向けだったり、安物買いの銭失いにならないか・・・無限ループの状態に陥ります。
最新カタログを開くときは、新製品の内容に胸がときめきます。
しかし2度、3度と目を通せば、徐々に気持ちは落ち着いてきます。
しばらくすると乱発気味の商品やラインナップの偏りについて、練習場の仲間とメーカの悪口を言っていることもあります。
そういったおしゃべりにまだ本格的に加われない初級者の方は、あまたの商品が掲載されたカタログを前にして、どうすればよいのでしょうか。
解決策としてはありきたりの答ですが、どなたか詳しい方にご相談することをお勧めします。
詳しい方というと、スポーツ用品店の店員さんを思い浮かべる人もいるでしょう。
店員さんは販売する商品について、ひと通りの知識は持ち合わせています。
しかし卓球用品専門店や卓球経験者の店員さんでなければ、詳細部分については怪しくなってきます。
たとえば、ラケットのそれぞれの面は赤と黒にすることを知らない店員さんがいるかもしれません。
そして「ラバーを切るときはITTFのマークを切り離さないようにする」あたりになってくると認識度合いが大変低そうな感じがします。
こういう基本的なことが、なぜかカタログに書いてありません。
卓球台の取り扱いについては、事故防止の注意事項が書いてあることが多く、メーカは闇雲に商品の宣伝だけを追求しているわけではありません。
残念ながらカタログのページには限りがあり、記載する内容はどこかで線引きする必要があります。
経験者なら常識レベルの注意事項は、割りとバッサリ落とされています。
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経験者の知識とは
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ルールに適合した用具の使い方を守ることは、最も基本的な事項です。
専門店や卓球経験者に相談するメリットは、その基本事項に加え、知らず知らずの内に頭に蓄積された経験者ならではの「常識」に沿ってアドバイスしてくれる点です。
ルール上は問題がない用具の選択であっても、その「常識」から外れた使い方や選択をしてしまった失敗談をたまに耳にします。
◆紛らわしい中ペン
中国式ペンホルダー(中ペン)をシェークと誤解したケースがあります。
シェークハンドのグリップはストレートやフレアなど、いくつか種類があるように、長さの違うバージョンもあると思っていた人がいたそうです。
卓球経験者でも、ご年配の方だと中ペンをご存じない方がいらっしゃいます。
形状はほとんど同じですし、もし初級者が間違ってもそれを責めるのは酷というものです。
ひょっとすると、手が小さめの方が中ペンを選んでしまったのかもしれません。
通常のシェークだと、グリップエンドが手の平からはみ出して邪魔だった可能性があります。
バタフライが昔販売していたラケットで、グリップの長さが7cmしかない個性的な中ペンがありました。
ブレード本体ではない柄に相当する部分の長さだと5cm程度になり、シェークのように握ろうという気持ちになりません。
当時はまだ世間の中ペンの認知度が低かったため、シェークと誤解されないようここまで短くしたのだろうという噂があります。
(真偽のほどは不明)
ちなみにシェークやペンというのはメーカが便宜上勝手に決めているだけで、使用者の握り方一つでどちらにもなります。
事実、ニッタクのテナリーというラケットは、シェークとペン両方の使い方を案内しています。
人間工学に基づいて作られたというラケットで、その考えがどちらの握り方にも反映されるというのは素晴らしいことです。
◆ラバーを貼る位置
中ペンが広まってくると、ラバーを貼る位置を尋ねる人が増えてきます。
日ペンのように隙間を空けるか、シェークのようにグリップ部分までぴったり貼るかです。
どちらでも構いません。
多数派は隙間を空けて貼るほうです。
人によって異なりますし、王皓選手のように「隙間空ける→ぴったり貼る」に変更した人もいます。
ところがこの隙間を空けて貼った状態を見て、シェークも同じように貼ってしまった人がいるそうです。
◆弾みの抑制手段
初級者には、弾みすぎる用具は好ましくないと言われます。
ここで言う弾む用具とは、なんとかカーボンを使ったカキンカキンに跳ねるラケットや、テンションラバーのことを指します。
しかし普通の用具でも弾みを抑えないと駄目だと、わざわざスポンジの薄いラバーを貼った人がいました。
一部のカットマンや、はっきりした何かの意図があれば薄いラバーでも構いません。
しかし薄いラバーはやや特殊であり、初級者が弾みを控えるという目的ではあまり選択すべきでないと考えます。
ある程度のスポンジの厚さがあるほうがコントロールしやすくなります。
ボールが食い込み、瞬間的なボールの”溜め”ができるからです。
従って反発力がそこそこのスポンジで、あまり薄くないものが無難な選択と言えるでしょう。
◆重さが盲点
一番見過ごされがちな失敗は、重さかもしれません。
重さは経験者の「常識」の中に入っていない場合があるからです。
あるとき70歳前後のご婦人のラケットを握ったところ、推定180gとずっしり重いのです。
これは無茶です。
市民クラブの知り合いのお兄さんに選んでもらったそうです。
お兄さん、使う人のことをもう少し考えてあげてくださいね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
安い商品に目を転じれば、うれしい値段だけど特殊な人向けだったり、安物買いの銭失いにならないか・・・無限ループの状態に陥ります。
最新カタログを開くときは、新製品の内容に胸がときめきます。
しかし2度、3度と目を通せば、徐々に気持ちは落ち着いてきます。
しばらくすると乱発気味の商品やラインナップの偏りについて、練習場の仲間とメーカの悪口を言っていることもあります。
そういったおしゃべりにまだ本格的に加われない初級者の方は、あまたの商品が掲載されたカタログを前にして、どうすればよいのでしょうか。
解決策としてはありきたりの答ですが、どなたか詳しい方にご相談することをお勧めします。
詳しい方というと、スポーツ用品店の店員さんを思い浮かべる人もいるでしょう。
店員さんは販売する商品について、ひと通りの知識は持ち合わせています。
しかし卓球用品専門店や卓球経験者の店員さんでなければ、詳細部分については怪しくなってきます。
たとえば、ラケットのそれぞれの面は赤と黒にすることを知らない店員さんがいるかもしれません。
そして「ラバーを切るときはITTFのマークを切り離さないようにする」あたりになってくると認識度合いが大変低そうな感じがします。
こういう基本的なことが、なぜかカタログに書いてありません。
卓球台の取り扱いについては、事故防止の注意事項が書いてあることが多く、メーカは闇雲に商品の宣伝だけを追求しているわけではありません。
残念ながらカタログのページには限りがあり、記載する内容はどこかで線引きする必要があります。
経験者なら常識レベルの注意事項は、割りとバッサリ落とされています。
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経験者の知識とは
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ルールに適合した用具の使い方を守ることは、最も基本的な事項です。
専門店や卓球経験者に相談するメリットは、その基本事項に加え、知らず知らずの内に頭に蓄積された経験者ならではの「常識」に沿ってアドバイスしてくれる点です。
ルール上は問題がない用具の選択であっても、その「常識」から外れた使い方や選択をしてしまった失敗談をたまに耳にします。
◆紛らわしい中ペン
中国式ペンホルダー(中ペン)をシェークと誤解したケースがあります。
シェークハンドのグリップはストレートやフレアなど、いくつか種類があるように、長さの違うバージョンもあると思っていた人がいたそうです。
卓球経験者でも、ご年配の方だと中ペンをご存じない方がいらっしゃいます。
形状はほとんど同じですし、もし初級者が間違ってもそれを責めるのは酷というものです。
ひょっとすると、手が小さめの方が中ペンを選んでしまったのかもしれません。
通常のシェークだと、グリップエンドが手の平からはみ出して邪魔だった可能性があります。
バタフライが昔販売していたラケットで、グリップの長さが7cmしかない個性的な中ペンがありました。
ブレード本体ではない柄に相当する部分の長さだと5cm程度になり、シェークのように握ろうという気持ちになりません。
当時はまだ世間の中ペンの認知度が低かったため、シェークと誤解されないようここまで短くしたのだろうという噂があります。
(真偽のほどは不明)
ちなみにシェークやペンというのはメーカが便宜上勝手に決めているだけで、使用者の握り方一つでどちらにもなります。
事実、ニッタクのテナリーというラケットは、シェークとペン両方の使い方を案内しています。
人間工学に基づいて作られたというラケットで、その考えがどちらの握り方にも反映されるというのは素晴らしいことです。
◆ラバーを貼る位置
中ペンが広まってくると、ラバーを貼る位置を尋ねる人が増えてきます。
日ペンのように隙間を空けるか、シェークのようにグリップ部分までぴったり貼るかです。
どちらでも構いません。
多数派は隙間を空けて貼るほうです。
人によって異なりますし、王皓選手のように「隙間空ける→ぴったり貼る」に変更した人もいます。
ところがこの隙間を空けて貼った状態を見て、シェークも同じように貼ってしまった人がいるそうです。
◆弾みの抑制手段
初級者には、弾みすぎる用具は好ましくないと言われます。
ここで言う弾む用具とは、なんとかカーボンを使ったカキンカキンに跳ねるラケットや、テンションラバーのことを指します。
しかし普通の用具でも弾みを抑えないと駄目だと、わざわざスポンジの薄いラバーを貼った人がいました。
一部のカットマンや、はっきりした何かの意図があれば薄いラバーでも構いません。
しかし薄いラバーはやや特殊であり、初級者が弾みを控えるという目的ではあまり選択すべきでないと考えます。
ある程度のスポンジの厚さがあるほうがコントロールしやすくなります。
ボールが食い込み、瞬間的なボールの”溜め”ができるからです。
従って反発力がそこそこのスポンジで、あまり薄くないものが無難な選択と言えるでしょう。
◆重さが盲点
一番見過ごされがちな失敗は、重さかもしれません。
重さは経験者の「常識」の中に入っていない場合があるからです。
あるとき70歳前後のご婦人のラケットを握ったところ、推定180gとずっしり重いのです。
これは無茶です。
市民クラブの知り合いのお兄さんに選んでもらったそうです。
お兄さん、使う人のことをもう少し考えてあげてくださいね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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