今回は強い選手を生み出す組織について考えてみます。
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必殺技が通用しない相手
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昨年末に世界選手権の選考会があり、今年の1月には全日本選手権が開催されました。
それぞれの決勝戦の模様はテレビで放送されていました。
どちらも女子は伊藤美誠選手が勝利を収めました。
多彩な技が印象に残り、特筆すべきなのは通称「美誠パンチ」と呼ばれるスマッシュでした。
バックスイングをほとんど取らず、不意打ちのようにひっぱたくカウンターショットです。
早田選手や平野選手のような日本のトップ選手でも、美誠パンチをお美誠いされると対処不可能でした。
伊藤選手はかなりいい調子で、これなら2月のワールドカップ団体戦で中国と競り合うことができるかもという期待を抱かせてくれました。
伊藤選手の対戦相手は丁寧選手でした。
中国のエースにしっかり食らいついていて、相手を追い込むような場面もありました。
中国選手との試合では一方的になってしまうことが多く、その際時々耳にする表現で「自分のプレーができなかった」というのがあります。
日本人同士の対戦では使えた戦法が、中国選手との対戦では不発だった、あるいは使える局面に持ち込めなかった、といった状況のときに語られます。
丁寧選手との試合では伊藤選手ならではの攻めが結構できていたと思います。
ただ試合結果としては残念ながら負けてしまい、中でも私が驚いたのは、完璧な美誠パンチを放ったのに、その内の何本かが返球されていたことでした。
もちろん結構効いていて、丁寧選手も脅威に感じていたのは確かです。
私としては、美誠パンチはウルトラマンや仮面ライダーが放送終了直前に繰り出す必殺技のようなイメージがあります。
ライダーキックを食らっても倒れない相手・・・ありえない展開です。
こういうことからも中国選手は次元の違う相手だということがわかります。
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必殺技が通用しない相手
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昨年末に世界選手権の選考会があり、今年の1月には全日本選手権が開催されました。
それぞれの決勝戦の模様はテレビで放送されていました。
どちらも女子は伊藤美誠選手が勝利を収めました。
多彩な技が印象に残り、特筆すべきなのは通称「美誠パンチ」と呼ばれるスマッシュでした。
バックスイングをほとんど取らず、不意打ちのようにひっぱたくカウンターショットです。
早田選手や平野選手のような日本のトップ選手でも、美誠パンチをお美誠いされると対処不可能でした。
伊藤選手はかなりいい調子で、これなら2月のワールドカップ団体戦で中国と競り合うことができるかもという期待を抱かせてくれました。
伊藤選手の対戦相手は丁寧選手でした。
中国のエースにしっかり食らいついていて、相手を追い込むような場面もありました。
中国選手との試合では一方的になってしまうことが多く、その際時々耳にする表現で「自分のプレーができなかった」というのがあります。
日本人同士の対戦では使えた戦法が、中国選手との対戦では不発だった、あるいは使える局面に持ち込めなかった、といった状況のときに語られます。
丁寧選手との試合では伊藤選手ならではの攻めが結構できていたと思います。
ただ試合結果としては残念ながら負けてしまい、中でも私が驚いたのは、完璧な美誠パンチを放ったのに、その内の何本かが返球されていたことでした。
もちろん結構効いていて、丁寧選手も脅威に感じていたのは確かです。
私としては、美誠パンチはウルトラマンや仮面ライダーが放送終了直前に繰り出す必殺技のようなイメージがあります。
ライダーキックを食らっても倒れない相手・・・ありえない展開です。
こういうことからも中国選手は次元の違う相手だということがわかります。
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独自の育成システム
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なぜこんなに強いのか。
先ず考えられるのは当たり前過ぎることですが、中国の人口は世界一で日本の10倍を越えます。
日本と同じ条件だと仮定しても、10倍以上の高い競争率を勝ち抜いてきた代表選手は別格であると見なすのが妥当です。
また卓球は中国で国技的な位置づけです。
日本の野球やサッカーのようなポピュラーな競技で、トップ選手はテレビに出演し歌を披露することもあります。
さらに社会主義国ならではの強化・育成システムがあるのが決定的な強さの理由です。
国内から素質のある選手を集め、幼少から競わせています。
有望な選手には厳しい訓練と引き換えに、国が万全の体制でサポートを施します。
日本で言うと将棋の世界は部分的に似ているシステムかもしれません。
中国はそれを国家主導で卓球について行っているのです。
他国の目ぼしい選手については、そのコピー選手まで養成して対策を講じるという念の入れようです。
そういう国の代表選手だということを考えると、ぶっちぎりの強さにも納得がいきます。
一方でその体制には歪みもあり、以前書いた「譲球」という勝敗操作が過去に指示されたことがありました。
逆の例で昨年、選手や指導者として有名な劉国梁氏が不可解な異動を命じられ、何名かの選手が抗議の意思を示すため試合をボイコットしました。
それについては賛否両論が出ました。
非難する意見の中には「国から手厚く支えてもらっているのだから、異議を唱えるな」というのがあり、選手個人の考えは認めないという風潮もありました。
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抜きん出た人たち
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少し前は韓国選手も結構中国に迫っていました。
男子だとオリンピックで金メダルを取れば、徴兵制が免除される制度があるそうです。
日本は長らく高校や大学、実業団が選手育成の場でした。
少し前の青森山田は全国から発掘してきた才能ある少年少女を集め、鍛え上げる新しいタイプの組織でした。
現在はエリートアカデミーがその役割を担っていて、トップ選手を輩出&現在も在籍しています。
世界チャンピオンどころか、学生リーグ一部校のレギューラー選手はもうセミプロであり、その鮮やかなプレーには驚かされます。
別世界の人であると同時に、自分には絶対無理なことをやってのける存在だと感じてしまいます。
そして卓球だけではなく、お相撲さん、競輪選手、宝塚スターなどを見ても同じ思いになることがあります。
まあ私は男なので万が一素質があっても宝塚スターにはなれませんが。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
独自の育成システム
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なぜこんなに強いのか。
先ず考えられるのは当たり前過ぎることですが、中国の人口は世界一で日本の10倍を越えます。
日本と同じ条件だと仮定しても、10倍以上の高い競争率を勝ち抜いてきた代表選手は別格であると見なすのが妥当です。
また卓球は中国で国技的な位置づけです。
日本の野球やサッカーのようなポピュラーな競技で、トップ選手はテレビに出演し歌を披露することもあります。
さらに社会主義国ならではの強化・育成システムがあるのが決定的な強さの理由です。
国内から素質のある選手を集め、幼少から競わせています。
有望な選手には厳しい訓練と引き換えに、国が万全の体制でサポートを施します。
日本で言うと将棋の世界は部分的に似ているシステムかもしれません。
中国はそれを国家主導で卓球について行っているのです。
他国の目ぼしい選手については、そのコピー選手まで養成して対策を講じるという念の入れようです。
そういう国の代表選手だということを考えると、ぶっちぎりの強さにも納得がいきます。
一方でその体制には歪みもあり、以前書いた「譲球」という勝敗操作が過去に指示されたことがありました。
逆の例で昨年、選手や指導者として有名な劉国梁氏が不可解な異動を命じられ、何名かの選手が抗議の意思を示すため試合をボイコットしました。
それについては賛否両論が出ました。
非難する意見の中には「国から手厚く支えてもらっているのだから、異議を唱えるな」というのがあり、選手個人の考えは認めないという風潮もありました。
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抜きん出た人たち
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少し前は韓国選手も結構中国に迫っていました。
男子だとオリンピックで金メダルを取れば、徴兵制が免除される制度があるそうです。
日本は長らく高校や大学、実業団が選手育成の場でした。
少し前の青森山田は全国から発掘してきた才能ある少年少女を集め、鍛え上げる新しいタイプの組織でした。
現在はエリートアカデミーがその役割を担っていて、トップ選手を輩出&現在も在籍しています。
世界チャンピオンどころか、学生リーグ一部校のレギューラー選手はもうセミプロであり、その鮮やかなプレーには驚かされます。
別世界の人であると同時に、自分には絶対無理なことをやってのける存在だと感じてしまいます。
そして卓球だけではなく、お相撲さん、競輪選手、宝塚スターなどを見ても同じ思いになることがあります。
まあ私は男なので万が一素質があっても宝塚スターにはなれませんが。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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