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HOME   »   選手  »  王皓選手は「おうこう」か「ワンハオ」か
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いよいよ世界選手権が開催されます。

試合のあと必ずといっていいほど、中国や韓国の選手の読み方に関する話が出ます。

「解説者は『おうこう』って言ってたけど『ワンハオ』じゃないの?」

「そうそう、背中に『WANG HAO』って書いてあったわよ」

結論から言いますと日中の政府間で、人名はそれぞれの国の読み方をすることで合意しており、報道関係者はこれに沿っています。

従ってテレビ東京のアナウンサーは、王皓(おうこう)と読みます。

日本語の単語と同じで不思議な感じがあるでしょうが、丁寧選手は「ディンニン」じゃなくて「ていねい」になります。

あちらの中国では「福原愛」は「フーユアンアイ」と読みます。

では、ひらがなやカタカナを使った名前はどうなるのでしょうか?

例:松たか子→松隆子→ソンロンズー

のように、いったん当て字に変えてから中国読みするそうです。

いかにも日本人的な当て字にしてくれているところに配慮を感じますね。

また、当て字は日本側も使っています。

郭炎選手の「炎」は本当は火が3つ、劉詩文選手の「文」も雨かんむりに文です。

適当な当て字がない場合は、日本的な読みをカタカナで表記したり、●などで表し、注釈でどんな字体の文字なのか説明する場合もあります。


韓国の選手の名前も、両国の政府間の合意にならっています。

ただしこちらは中国の場合とは異なり、お互いの国の読みにするという判断をしています。

柳承敏選手は「りゅうしょうびん」ではなく「ユスンミン」になります。

多くの韓国人は名前を漢字でも表記できますが、最近では漢字の名前を持たないハングル表記だけの人もいるそうです。


名前に関しなるほどそうなのかと、ひとまず納得できた方も多いと思います。

しかし私のように、いろんなことを考えてしまう人間は、新たな疑問が次々にわいてきます。

卓球王国や卓球レポートを読むと、中国選手の名前は現地読みの読み仮名がふってあります。

馬龍選手は「まりゅう」ではなく「マロン」と読みがついています。

これは、報道関係者は政府間の合意に従っていますが、それ以外は各々の判断をしているためだと思われます。

こういった混在があるため、試合の実況中、たまに解説の人が間違って中国での読み方をしてしまう場面もみかけられます。

テレ東のアナウンサーも、内心では馬龍(マロン)と読みたいと考えているかもしれません。

私は以前、中国の方と同じ部署で仕事をしたことがあり、その時もこの手の混在がありました。

郭さんは「かく」さんと日本読みするよう会社で統一されいました。

その一方、メールアドレスの名前の部分は「GUO」と中国読みの綴りになっていました。


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 外国に移住すると
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日中間で政府合意した読み方が適用されるのは、中国(含:台湾、香港)に国籍を持つ人になります。

外国に国籍がある中国系の人は、日本の報道関係者でも普段本人が使う読み方で読みます。

例:李佳薇(リジャウェイ)、陳衛星(チェンウェイシン)

こういった選手の名前を何人か目にしていると、漢字で書かれることが多い人とカタカナで書かれることが多い人がいることに気がつきます。

漢字が多い人:陳衛星、高軍、馮天薇、倪夏蓮

カタカナが多い人:スンベイベイ、ユモンユ、ミャオミャオ

混在が多い人:ウージャデュオ(呉佳多)、リジャウェイ(李佳薇)、ワンユエグ(王越古)

中国で実績があり、その後帰化した人は漢字表記されることが多そうな感じがします。
(あくまでもそういった傾向があるみたいだというレベルです)

これは私の推測で、はっきりした理由は分かりません。

漢字を日本読みしようと思っても、読めないのもありますよね。

倪夏蓮(げいかれん)ニーシアリエン だそうです。

ルクセンブルクに帰化した人で、左利きのペン粒高選手です。


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 馬琳さんは女性か男性か?
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選手のサインをきっかけに調べていくと、いろんなことが分かります。

馬琳選手のサインには2つ特徴があります。

1.「馬」の字を日本と同じ「馬」の字体にしている。

2.「琳」の字を「林」にしている。

1.について

台湾や香港では難しい漢字(繁体字)が使われていて、大陸では省略した漢字(簡体字)が使われています。

例:「広」の字は、台湾や香港では「廣」で、大陸では「広」の「ム」を省いた字になります。

簡体字は省略されすぎて威厳がないと思っているのか、馬琳選手のように、サインなどで画数の多い繁体字を使う人も少なくありません。


2.について

「琳」は比較的女性に使われることが多いため、サインでは「林」の文字を使っているそうです。

一般に中国系の人は、名前で男女を判別するのが難しいと言われています。

日本人なら「裕太」や「春菜」、アメリカ人なら「マイケル」や「ジェシカ」といったように、男女が識別できる名前が多いので、中国人も同じなのではと考えてしまいます。

中国系の人は、ユニセックス(男女の区別がない)な名前がたくさんあります。

高軍(ガオジュン)さんという名前なんて「軍」がつくから勇ましそうで男みたいですが、アメリカに帰化した高軍選手は女性です。

会社の中国の人に聞いたところ、高軍という名前の人はかなり(10万人とか100万人単位で)いるそうです。

そんなにいっぱいいて、しかも性別が分からないとなると、受付などで混乱が起きたりしないのか心配です。

「高軍さーん」「はい」「はい」「はい」のような場面を想像してしまいます。

これは単なる冗談というわけではありません。

張怡寧(チャンイーニン)選手は昔、張寧(チャンニン)という名前でしたが、幼稚園に同じ名前の子が2人いたので、親が改名したそうです。

そして張怡寧選手と同様、アテネと北京で金メダルを取ったバドミントンの選手も張寧という名前でした。

あまり多くありませんが、男女が類推できるケースはあります。

スンベイベイ(孫蕾蕾)のように、名前に同じ漢字2文字が使われる場合は女性が多いようです。

「龍」の文字は男性に多く使われます。
 ※簡体字の「龍」は、「尤」に「ノ」を加えた字体になります。

ただし馬琳選手のような逆の場合もありますので、完全に決め付けることは避けたほうがいいでしょう。


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 シャラポワは女性の苗字
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男女の識別がしやすいのは、ロシア系の人です。

姓名の名のほうに、男向きの名前、女向きの名前があるのは私達と同じですが、さらに姓が男女で異なるパターンが沢山あります。

パブロフ(男)、パブロワ(女)

ケレンスキー(男)、ケレンスカヤ(女)

アントン(男)、アントニーナ(女)

今回の世界選手権に出場するロシア選手を例にすれば、シバエフ選手は男性で、チホミロワ選手は女性ということが苗字だけで分かります。


以上、雑学的な内容でしたが、こういうことも何かの参考になれば幸いです。

コンビニで接客してくれた中国の方の名札や、海外ニュースに目が止まるかもしれませんね。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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