2015 .10.17
私はどの練習場所でも周囲に気軽に声をかけるようにしています。
すべての人が快く応じてくれるわけではありませんが、そこそこ雰囲気の良さそうな返事をいただけた方とは雑談や情報交換をしてきました。
先月、入退場が自由の練習場所で初めてお会いした方についてお話しします。
お名前は分からないのでSさんということにします。
──────────────────────
予想外の軽やかな動き
──────────────────────
Sさんは推定30代半ばで、縦横両方向にかなり立派な体格を持った男性です。
先入観を持つのはよくないのですが、そういったスタイルの方なら台の真ん中に構えあまり動かないのではと想像してしまいます。
Sさんはその固定観念を良い意味で取り払ってくれました。
フォア打ちをさっと済ませると、フットワーク練習に取りかかりました。
その際、自分が打つボールを緩めに返球すればテンポを落とすことが可能です。
ところがSさんはそういう手加減は一切しません。
すぐに汗びっしょりになって苦しそうにあえぎ声を出し始めました。
最後は大きく肩で息をしていました。
なんだか無理やり自分をいじめているようにも見えます。
休憩時間に「結構ハードな練習をされますね」と声をかけると「これでそこそこカロリーが消費できたはず」ということでした。
お話を伺っていると、Sさんの健康維持に対する考えが少しずつ分かってきました。
すべての人が快く応じてくれるわけではありませんが、そこそこ雰囲気の良さそうな返事をいただけた方とは雑談や情報交換をしてきました。
先月、入退場が自由の練習場所で初めてお会いした方についてお話しします。
お名前は分からないのでSさんということにします。
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予想外の軽やかな動き
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Sさんは推定30代半ばで、縦横両方向にかなり立派な体格を持った男性です。
先入観を持つのはよくないのですが、そういったスタイルの方なら台の真ん中に構えあまり動かないのではと想像してしまいます。
Sさんはその固定観念を良い意味で取り払ってくれました。
フォア打ちをさっと済ませると、フットワーク練習に取りかかりました。
その際、自分が打つボールを緩めに返球すればテンポを落とすことが可能です。
ところがSさんはそういう手加減は一切しません。
すぐに汗びっしょりになって苦しそうにあえぎ声を出し始めました。
最後は大きく肩で息をしていました。
なんだか無理やり自分をいじめているようにも見えます。
休憩時間に「結構ハードな練習をされますね」と声をかけると「これでそこそこカロリーが消費できたはず」ということでした。
お話を伺っていると、Sさんの健康維持に対する考えが少しずつ分かってきました。
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健康増進についての独自理論
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一般的には適度な運動と食事が体に良いと言われています。
Sさんは食べたいものは遠慮せずカロリーの大量摂取をする一方、激しい運動により同等のカロリーを消費すれば良いとのお考えでした。
そうすれば差し引きゼロ、さらに活発な新陳代謝によって体の免疫力は高まるという理論です。
卓球だけでなくランニングや水泳もやっているそうです。
恐らくそれらも妥協のない激しいものなのでしょう。
でもSさんは「なぜか痩せないんだよね」とこぼしていました。
「確かにビールや焼き肉は大好物だけど、これだけしんどい練習をやっているんだ」と自分は努力している人間であることをアピールしていました。
Sさんがスポーツで体を鍛えているのはとても素晴らしいことです。
ただウェイトを落とすことを優先するのなら、飲食物のカロリーを制限するほうが確実です。
雑誌などに書かれている健康管理のコラムは、多くの人の目に触れるだけあって広く一般に受け入れられやすい内容になっています。
個人の考えも同じかといえば必ずしもそうではなく、Sさんのように独自の考えをされている人はいます。
全く他の分野に話を広げても同じことはあり、「この人はこんな考えをしているんだ」と驚くことは過去にもありました。
これが人に話しかけてみた時に想定外のサプライズとなります。
別に周囲に迷惑はかけていないならそれぞれの意見は尊重すべきで、他人があれこれ指図するものではありません。
従って「その考えはちょっと・・」と否定したりせず、行きつけのお店のカルビの話を嬉しそうに語るSさんに相槌を打ち続けました。
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みなぎるパワー
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私はSさんとは反対に、男性としては全然たくましくないほうに分類されます。
それでも中高年の女性からは、ごくまれにボールの威力やフットワークについて羨ましがられることがあります。
私からSさんを見て羨ましく思ったのは、やはりその筋力です。
いつも持参する大型ペットボトルは、飲んだあとリサイクルボックスに入れます。
ところが投入口は500ml程度の容器サイズを前提としていて、細くつぶさないと穴を通過しません。
ボックスには鍵がかかっているため前面を開けて入れることも出来ません。
毎回苦労して折り曲げて入れるのですが、その日はSさんが余裕でバキバキと絞って入れてくれました。
またSさんは、重めの7枚合板のラケットに中国選手のようなラバーを貼っています。
フォアは粘着性ラバー、バックはハイテンションラバーでどちらも制限いっぱいのぶ厚さです。
トータル190gぐらいはありそうで、これをブンブン振り回しています。
重すぎるのでラケットやラバーに制約を課している人は少なからずいます。
Sさんにそんな妥協は無用です。
──────────────────────
自分を知り肯定的に考える
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何事にもプラスとマイナスの両面が存在し、Sさんの身体的特徴で後者に該当する点についても話してくれました。
服や靴でSさんに合うサイズのものは、総じて品揃えが貧弱になります。
バスや飛行機に乗るのは狭くて苦痛であり、便器やパイプ椅子ももう少し大きければいいのにといつも感じるそうです。
集団の中では目立つ存在となり、小柄な人の割合が高めの卓球ではその度合が上昇するそうです。
しかし営業の仕事では覚えてもらいやすく、逆にやせ細っていると貧相に見えるので今の体格は結構武器になっているとのことでした。
その日の帰宅する電車の中で「Sさんのように自分を好きになれるっていいな」と、私も前向きになる気持ちがちょっぴり湧いてきました。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
健康増進についての独自理論
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一般的には適度な運動と食事が体に良いと言われています。
Sさんは食べたいものは遠慮せずカロリーの大量摂取をする一方、激しい運動により同等のカロリーを消費すれば良いとのお考えでした。
そうすれば差し引きゼロ、さらに活発な新陳代謝によって体の免疫力は高まるという理論です。
卓球だけでなくランニングや水泳もやっているそうです。
恐らくそれらも妥協のない激しいものなのでしょう。
でもSさんは「なぜか痩せないんだよね」とこぼしていました。
「確かにビールや焼き肉は大好物だけど、これだけしんどい練習をやっているんだ」と自分は努力している人間であることをアピールしていました。
Sさんがスポーツで体を鍛えているのはとても素晴らしいことです。
ただウェイトを落とすことを優先するのなら、飲食物のカロリーを制限するほうが確実です。
雑誌などに書かれている健康管理のコラムは、多くの人の目に触れるだけあって広く一般に受け入れられやすい内容になっています。
個人の考えも同じかといえば必ずしもそうではなく、Sさんのように独自の考えをされている人はいます。
全く他の分野に話を広げても同じことはあり、「この人はこんな考えをしているんだ」と驚くことは過去にもありました。
これが人に話しかけてみた時に想定外のサプライズとなります。
別に周囲に迷惑はかけていないならそれぞれの意見は尊重すべきで、他人があれこれ指図するものではありません。
従って「その考えはちょっと・・」と否定したりせず、行きつけのお店のカルビの話を嬉しそうに語るSさんに相槌を打ち続けました。
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みなぎるパワー
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私はSさんとは反対に、男性としては全然たくましくないほうに分類されます。
それでも中高年の女性からは、ごくまれにボールの威力やフットワークについて羨ましがられることがあります。
私からSさんを見て羨ましく思ったのは、やはりその筋力です。
いつも持参する大型ペットボトルは、飲んだあとリサイクルボックスに入れます。
ところが投入口は500ml程度の容器サイズを前提としていて、細くつぶさないと穴を通過しません。
ボックスには鍵がかかっているため前面を開けて入れることも出来ません。
毎回苦労して折り曲げて入れるのですが、その日はSさんが余裕でバキバキと絞って入れてくれました。
またSさんは、重めの7枚合板のラケットに中国選手のようなラバーを貼っています。
フォアは粘着性ラバー、バックはハイテンションラバーでどちらも制限いっぱいのぶ厚さです。
トータル190gぐらいはありそうで、これをブンブン振り回しています。
重すぎるのでラケットやラバーに制約を課している人は少なからずいます。
Sさんにそんな妥協は無用です。
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自分を知り肯定的に考える
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何事にもプラスとマイナスの両面が存在し、Sさんの身体的特徴で後者に該当する点についても話してくれました。
服や靴でSさんに合うサイズのものは、総じて品揃えが貧弱になります。
バスや飛行機に乗るのは狭くて苦痛であり、便器やパイプ椅子ももう少し大きければいいのにといつも感じるそうです。
集団の中では目立つ存在となり、小柄な人の割合が高めの卓球ではその度合が上昇するそうです。
しかし営業の仕事では覚えてもらいやすく、逆にやせ細っていると貧相に見えるので今の体格は結構武器になっているとのことでした。
その日の帰宅する電車の中で「Sさんのように自分を好きになれるっていいな」と、私も前向きになる気持ちがちょっぴり湧いてきました。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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