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雑誌や動画などでいろんな選手を見ていると、知らず知らずのうちにある種の先入観を持ってしまうことがあります。

「この国の選手ならこういう用具を使うはず」とか、「こんな用具の組み合わせは絶対にあり得ない」といったものです。

今回はそういった先入観を覆す4名の選手をご紹介いたします。


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 呂林選手
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呂林(ルリン)選手は、中国のペンホルダーのドライブマンです。

オリンピックの男子ダブルス金メダリストで、世界選手権の男子ダブルスでも2度の優勝経験を持ちます。

中国のペンホルダー選手といえば、シェークハンドラケットの柄を短くしたような中国式ペンホルダー(中ペン)使いと相場が決まっています。

しかしこの選手は角型の日本式ペンホルダーを使っていました。

現在ニッタクが販売しているラケットに「ロリン」という名前の製品があります。

この呂林選手にちなんだ製品で、板はヒノキの単板という伝統的な日本式ペンドラ選手向けラケットです。

以前、日本式ペンホルダーを使う中国選手として、王建軍選手を紹介しました。

王選手は韓国のユスンミン選手の仮想選手としての役割を担っていました。

ユスンミン選手と同じスタイルとするため日本式ペンホルダーを使っていて、仮想選手の勤めを終えた後は中ペンに変更しました。

呂林選手も、日本式ペンホルダーを使う選手のコピー役を命じられた可能性がありますが、情報がないため私には分かりません。

もし仮想選手だったとすれば、中国にとってはうれしい誤算だったのではないでしょうか。

仮想選手はレギュラーになるまでの実力はないと見なされ、トップ選手の練習相手として他人を演じるという立場だからです。

ただそうであった場合、選手自身としては「元来自分はコピー役なんだ」という葛藤があったりして複雑な心境だったのかもしれません。


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 カリニッチ選手
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カリニッチ選手も世界選手権の男子ダブルスで優勝したことがある選手です。

現在はいくつかの国に分かれてしまいましたが、ご出身は当時ユーゴスラビアと呼ばれていた東欧の国です。

ヨーロッパの方なので背は高く、いや非常~に高くて身長は2メートルだそうです。

2メートルもあれば、バスケットボールやバレーボールに誘われたことは想像に難くありません。

よくぞ卓球選手になってくれたと感謝したいです。

あっ、この選手の特徴は身長ではありません。

ヨーロッパの選手なのにペンホルダーを使っていたのです。

中ペンで片面だけに裏ソフトラバーを貼ったスタイルです。

体が大きいとリーチも長いので羨ましいですね。

相対的に台の位置は私達より低くなり、見下ろす感じが強くなるんでしょうか。

股の間から返球するミラクルショットも余裕でできそうです。


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 カンテロ選手
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スペインで活躍する現役の男性です。

前述のカリニッチ選手から20ウン年の時を経て、代表レベルに現れたヨーロッパ生まれのペンホルダー選手です。

中国から帰化した選手を除くと、ヨーロッパでペンの選手というのはそれほど珍しい存在なのです。

カンテロ選手はスペイン版劉国梁と言われています。

現在の中国ナショナルチーム、劉国梁コーチの現役時代と同じスタイルだからです。

右利き中ペンで、表ソフトを貼ったオモテ面の速攻+裏ソフトによる裏面打法の戦法を取ります。

指導を受ける人に中国の方がいたのかもしれません。

そうだとしてもペンホルダーで、しかも表ソフトという戦型を選択したことに拍手を送りたいと思います。


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 ゾルヤ(姉)選手
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前述の3名とは別の観点からユニークと言える選手です。

現役のドイツ選手で、姉妹ともに卓球が強いことで有名です。
(追記)すみません。お姉さんはオーストリアの選手に変わっていました。

お姉さんはアメリア・ゾルヤさん右利き、妹さんはペトリッサ・ゾルヤさん左利きです。

妹さんは普通のシェーク攻撃型です。

お姉さんはフォア面が表ソフトで少しユニークです。

バック面は裏ソフトのようで、その組み合わせだとなんだそれほど珍しくないと思っていたら、実はアンチラバーでした。

シェークはバックハンドを振るのが便利ですが、それでも実際の試合ではフォア面で打つほうが多くなります。

一方、ゾルヤお姉さんは7割近くをバックのアンチ面で打球します。

台の中央に構え、ツッツキもボールを乗っけるような感じで打ちます。

かつて彼女のバック面はアンチラバーではありませんでした。

といっても裏ソフトではなく粒高ラバーだったそうで、表+粒高というやはり異色のスタイルでした。


近年は戦型の画一化が進んでいて一抹の寂しさを感じます。

今は絶滅したペンのカットマンが復活したりしないですかね。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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