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思いの強さに差はあるでしょうが、誰しも強くなりたいという気持ちはあります。

そのためには頑張って練習し、自身のプレーについてよく考えることが必要です。

考えているうちに、自分はこの戦型でいいのか疑問に思うことがあります。

勝つために一番有利なスタイル、すなわち最強の戦型とはどんなタイプなのでしょうか。


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 ドライブマンの中の少数派
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現在の世界チャンピオンである張継科選手と丁寧選手は、シェークのドライブマンです。

なるほどランキング上位には、このタイプの選手が多いようです。

しかし世界で一番多い戦型でもあり、絶対数の多さ故、トップ選手の多くがこのタイプであると考えることもできます。

私の独断ですが、現代卓球で最も強いのは、ペンホルダーで両面裏ソフトのスタイルではないかと思います。

フォアの強打と台上処理に有利なペンが、弱点のバックハンドを改善したこの戦法は非常に理想的だと考えています。

ペンホルダー使いである私の単なる思い入れだけで言っているのではなく、実際の世界ランキングでも王皓選手、馬琳選手、許シン選手とトップ10に3名もいます。

このタイプの選手は絶対数が少ないにもかかわらず、これだけ上位に入っていることは特筆すべき点だと思います。


これら3名の選手を詳しく観察すると、それぞれ特徴があります。

王皓選手はツッツキは表面を使いますが、それ以外バック側は全て裏面で打つ「フルタイム裏面打法」のスタイルです。

馬琳選手は表面でのショートも多用する、従来のペンドラスタイルに裏面打法を組み合わせたタイプです。

許シン選手は2人と比較して、やや下がって打つタイプです。

バック側は表面でのショート、裏面でのドライブのどちらも使い、懐が深いのでフォアで回りこんで打っていくこともよくあります。

私はこの許シン選手のスタイルが、一番優れているような気がします。

そして彼は左利きという強みもあり、最強中の最強スタイルなのかもしれません。


一般的にボールにドライブ回転をかけるほうが、フラットに打つよりも安定して相手コートに入れることができます。

そのため裏ソフトの攻撃型が主流となっていますが、シェーク一辺倒の状況は残念です。

ペン両面のドライブマンが増えてくれることを期待したいです。


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 メリットもそれなりにある表ソフト
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同じく戦型に関する疑問で、短期育成に適したスタイルはどれか問われたことがありました。

例えば高校から卓球を始め、レギュラーになるのは無理でも、在籍中それなりにまとまった形に到達しやすい戦型はないかということです。

ズバリお答えしますと、そんなに虫のいい話はありません。

「たった◯ヶ月で△△をマスター」といった、安直なノウハウ本を求めるのと同じだからです。

ただ消去法で考えていくと、カットマンは非常に多彩な技術が要求されますし、ドライブマンもある程度のボールが打てるまでに少し時間がかかります。

そう考えていくと、ペンで表ソフトという戦型は、短期育成に若干向いているかもしれません。

ペン表の他の長所としては、台の近くでプレーすることが多いため、体格にそれほど恵まれない人にも向いていて、年齢を重ねても体への負担は比較的軽いことが挙げられます。

また、ある日ラージボールに誘われるかもしれません。

ラージボールで使うラバーは全て表ソフトなので、普段から表ソフトを使っている方は違和感が少なくなります。

そして前回では、表ソフトは貼り替える頻度が裏ソフトより少ないので、経済的であると書きました。

短所は、昔(1960~80年代)ほどの有利さはなくなったという点が大きいです。

選手の数は少なくなっていて、練習相手として裏ソフトの選手が好まれる傾向があります。

逆に少数派ゆえのやりにくさが有利となる場合も、たまにはあるでしょう。

表、左利き、カットマンなど、ある特定のスタイルを苦手とする方はいます。

ペン表で世界チャンピオンになるのは今は難しいですが、全日本の上位レベルでは、男女ともにこのスタイルの現役選手が頑張っています。

市民大会レベルになると、十分に通用する戦型です。


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 カットマンは草食系?
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さて、ここまで代表的な3つの戦型の最後、カットマンに関する良い話が出ていません。

何かと苦労が多そうなこの戦型は、あまり報われないのでしょうか?

確かに表ソフトと同様、世界チャンピオンを目指すには、現在の用具やルールでは少し厳しい部分があることは否めません。

しかし、世界ランキング上位にもカットマンの方はいます。

もし標準レベルのドライブマンとカットマンの強さを比べれば、相対的にカットマンのほうがやや上かもしれません。

カットマンを選択した方は、他の戦型以上に強い思い入れで決めた人ではないかと考えています。

テニスやバドミントンをする方からすれば、バックスピンをかけて拾いまくるという戦法に、あり得ないプレーだと驚く人もいるはずです。

それだけ卓球ならではのスタイルであり、私は好きです。

少数派であり続けるでしょうが頑張って欲しいです。


指導者は、選手がカットマンに向いている性格かどうかで決めるといった話を聞いたとがありますが、そんなことはありません。

けなげに返す真面目なタイプや、逆に相手のミスを誘ってほくそ笑むいやな人物を想像するのは、マンガやドラマの見過ぎです。

大変社交的な性格の人もいますし、陳衛星選手のような肉食系のカットマンもいます。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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