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今回は一度だけお会いしたことのある方について書いてみたいと思います。

お名前は分からないのでAさんということにしておきます。

練習をご一緒させていただき、そのあとベンチで20分程度お話をしました。


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 弾むラケットを求めて
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Aさんは推定30歳前後の男性です。

中学の3年間卓球部に所属し、半年ほど前から卓球を再開しました。

再開した当初はルールや用具の変化に戸惑いました。

中でも一番気になったのはボールがあまり飛ばなくなった点でした。

中学の時に使っていたのは特殊素材は入っていない、木材のみを使った7枚合板のラケットでした。

Aさんはこのラケットではダメだと感じ、高反発のものを調べました。

最初に目に留まったのは、最大手バタフライのガレイディアT5000でした。

特殊素材は純粋なカーボンだけで、アリレートカーボンやZLファイバーのラケットよりも反発性能は高い製品です。

そのラケットにTSPのスピード重視の裏ソフト、ヴェンタススピードを貼りました。

結構なかっ飛び用具です。

期待に胸を膨らませボールを打ってみました。

中学時代の用具よりは確実に弾みは向上したものの、イメージしたほどの効果は得られませんでした。

しばらくそのラケットで打ち続けましたがモヤモヤは解消しません。

ある日、練習場でおじさんが使っていた単板ペンホルダーで何気なく玉突きをしてみました。

その独特の打球感と分厚いラケットの感触に「これだ!」とひらめきました。


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 弾みに満足できず2本3本…
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数は少ないながらも単板のシェークハンドラケットが、ニッタク、アームストロング、アカディから販売されています。

Aさんはニッタクの雅(みやび)というヒノキ単板のラケットを購入しました。

ペンドラ(ペンホルダーのドライブマン)なら当たり前の厚さ9mmのラケットはAさんには大きな衝撃でした。

握った感じがかなり違います。

そして単板ラケット特有の打球感にも驚きました。

では期待した弾みのほうはというと、満足することはできなかったそうです。

2本試して駄目だった結果を踏まえ、今のプラスチックボールならこういうものだと結論付けようとしました。

ところが以前見ていたスティガのカタログにあった、最上位モデルのカーボネード290が頭の中によみがえってきました。

どうしようか、、でも290はこれまで立て続けに買った2本のラケットよりもさらに高い2万円台の高級品です。

仕事をしていても時折思い出し、これはこれでモヤモヤした気分が続きます。

「えーい、大人買いだ」そう決心し、Aさんは290も購入しました。

私と練習したときはその290を使っていました。

それで弾みはどうだったかと言えば、期待したレベルには達しなかったそうです。


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 反省と分析
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Aさんは自分の散財を悔やむと同時に、弾みに満足できなかったことを分析し始めました。

木材だけを使ったラケットを使っていても、上手い人は鋭いスピードボールを放ってきます。

その人はムキムキマッチョの人かと言えば、そういうことはほとんどありません。

効果的にボールをとらえれば、相手が返球してきた球威をカウンターパンチのように利用できます。

上級者はそういう返球ができる打点を見極められる選球眼が優れています。

そして思い描いた通りのタイミングと打球の仕方も相まって、超高反発の用具でなくても威力のあるボールを放つ技術を身に着けています。

それはスピードボールに限った話ではありません。

粒高ラバーで返球する場合でも、初級者なら当てただけの甘いナックルボールが返ってきて別段怖くありません。

しかし上級者は絶妙のタイミングと打点でボールを捕まえ、粒が根元からポキッと折れて元に戻る打球で返してきます。

するととってもいやらしい癖球になり相手を苦しめます。

Aさんは自分の打球を振り返ると、結構ラケットの端にも当てていてスイートスポットを外していることに気づきました。

そしてぶっ飛び用具につきものの難点、レシーブが難しい、ドライブをかける前にボールが飛んで行ってしまう、などは認めざるを得ませんでした。

試行錯誤した結果いろんなことが分かり、だいぶすっきりしたそうです。

ボールを押さえるのは苦労しますが、うまくヒットしたときは快感を得られるので、当面は3本目のカーボネード290を使い続けようと考えているそうです。

なにより一番高いラケットでもありますし。

私もラケットの弾みに関してはかなりの優先度をつけているため、Aさんの話は戒めとすべきかもしれません。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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