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HOME   »   用具  »  カーボンラケットは本当に高性能?
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今回も引き続きラケットのお話をしたいと思います。

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 板の枚数はほとんどが奇数
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合板ラケットには5枚か7枚の板が使われているものが多く、それ以外の枚数でも3枚や9枚など大部分が奇数になっています。

通常合板は強度を確保するため、木目が縦横交互になるように板を貼り合わせます。

一番外側になる両面は縦方向の木目にするので、結果的に奇数枚数を貼り合わせた板になる場合が多くなります。
(一部に4枚や6枚という偶数枚数の合板を使ったものもあります)

また合板を構成するそれぞれの層の板は、連続した1枚板を使っている場合や、寄せ木のように複数の木材を合わせた板を使用している場合もあります。


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 カーボンラケットとチーズバーガーは違う
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卓球のラケットは、85%以上は木材に関係する素材を使用するよう定められています。

逆に言うと、その範囲内では木材以外の素材を使用することができます。

1980年代あたりから熱い注目を浴びている素材の一つにカーボンがあります。

軽くて丈夫というその特性が認められ、飛行機や自動車などの乗り物から釣竿やゴルフクラブまで幅広く使われています。

卓球のラケットでもよく使われているのが、このカーボンです。

他の特殊素材としては、グラスファイバー、アリレート、ケブラー、アルミ、チタン、ザイロン等、数多くあります。

更にそれらを合わせて使った、ケブラーカーボンやチタンカーボン、そしてグラスファイバーにアルミを加えた素材は、テキサリウムと呼ばれています。

カーボンやグラスファイバーは、細い繊維状の素材がシート状になっていて、それを板ではさんでいます。

カタログで図解しているメーカがありますし、ある方がボロボロになったカーボンラケットを捨てる時に板を裂いて、実際に見せてもらったことがあります。

アルミなんかはどういう形でラケットに使われているのでしょう?

アルミホイルを板ではさんだようなイメージなのでしょうか?


ラケットに使う木の選択と同様、こういう特殊素材も様々な検討があって選ばれているはずです。

金属の特性には疎いのでトンチンカンな意見だと思いますが、例えば兵器などに使われてスゴそうな印象のあるマグネシウムやタングステンは、ラケットには向かないのでしょうね。


特殊素材は主に反発力を高めるために使用されますが、一部のカットマン用ラケットにも使われているケースがあります。

貼り合わせる木材との組み合わせによっては、特殊素材を使用していても弾みを抑えた板になります。

そして、木材だけを使ったものでも高反発なラケットはあります。

最近のトレンドとしては、加熱加工で水分を除去したり焼きを入れた木材を使って弾みを良くしたラケットがいくつか出ています。


特殊素材の意外な使い方としては、グリップ部分だけにカーボンを入れたラケットがあります。

なんでも、打球面で受けた力をグリップのカーボンで打ち返す構造だそうです。

素人考えでは、打球面にこそカーボンを使うべきと思ってしまうのですが、どういう感じなのか機会があれば一度試し打ちをしてみたいです。


カーボンラケットは比較的価格が高めのラケットに使われているため、一種の憧れを感じさせます。

そこで普通の合板ラケットの側面に、ボールペンで線を引いてカーボンラケットに見せかける少年がいたそうで、なんだか微笑ましい感じがします。


特殊素材を板の枚数にカウントするかどうかは、メーカによって分かれています。

A社だと「3枚合板+カーボン2枚」の表現が、
B社では「5枚合板(木材3枚、カーボン2枚)」としていることがあります。


いろいろと書きましたが、率直なところ私自身は特殊素材の有無やどんな素材が使われているかについては、それほど関心は高くありません。

ハンバーガーにチーズがはさんであれば、それは明らかに付加価値が加わったと分かります。

卓球のラケットではカーボンがはさんであっても、チーズバーガーのような評価ができるとは限りません。

私がラケットの選択で重視するのは、第一に「弾み具合」であり、次に「厚さ」「重さ」「値段」の3つが横一線に並びます。

最後に優先度がガクッと落ちて、どれだけ手に響くかという「打球感」になります。

板の色に至っては、ワイドショーの視聴率と同じくらいどうでもいい問題です。
(グリップは少々気にしますが、ブレード面はラバーで隠れてしまうため)


メーカにとって特殊素材の使用は、高性能をアピールできる格好のセールスポイントになり、高付加価値の商品として定義します。

これを責めるつもりは毛頭ありません。

上で紹介したボールペンで線を引いた少年と比べると、むしろ私はあまりに冷めてしまっているのかもしれません。

カタログの「相手コートに突き刺さるような~」といったキャッチコピーを見て、「ホンマかいな」とツッコミを入れてしまいます。

別の見方をすれば、そういう感性に訴える発想ができないので、コピーライターには不向きな人間なのでしょう。


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 クールなネーミングの空洞グリップ
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グリップについても各社各様の加工を施しています。

空洞を作って軽量化を図ったラケットがあり、その空洞の仕組みにかっこいい名前を与えています。

別のラケットでは、グリップの中にゴムなどの衝撃吸収材を使用しているものもあります。

こういった加工は若干ではありますが、現実に軽量化に結びついているので評価したいと思います。

以前、変わり種のラケットを紹介した際、アンドロのキネティックシリーズを取り上げました。

グリップ内部の空洞に衝撃吸収の粒が入っていて、ラケットを振るとシャカシャカ音がするものです。

仮にこの機能の本来の効果(衝撃吸収)が実感できなかったとしても、私はこういう愉快な仕組みは大好きです。

いや、効果がなくても結構ですから、他のシリーズにもシャカシャカ機能を取り入れて欲しいですね。


最後にラケットやラバーを製造している映像をご紹介します。
http://sc-smn.jst.go.jp/playprg/index/2122


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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