2011 .12.24
今回は私がどういう思いで裏面打法に挑戦し、挫折に至ったかをお話しします。
別に暗い話ではありませんので、安心して読んでください。
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あこがれの台上バックハンドドライブ
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裏面を振りたいと思った理由は複数あります。
やはり一番影響を受けたのが、トップ選手の台上プレーです。
ペンにしろシェークにしろ、台上の短いボールをバックハンドのドライブで攻めて先手を取るのに憧れました。
別に暗い話ではありませんので、安心して読んでください。
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あこがれの台上バックハンドドライブ
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裏面を振りたいと思った理由は複数あります。
やはり一番影響を受けたのが、トップ選手の台上プレーです。
ペンにしろシェークにしろ、台上の短いボールをバックハンドのドライブで攻めて先手を取るのに憧れました。
取りあえずバック側に短くツッツいておけば、市民大会クラスでは安全です。
しかしそのツッツキを台上ドライブで「ブン」と返球されたら、私達のレベルでは恐怖におののきます。
この球を打つには、台の上にかぶさるような感じで、脇の下あたりから鋭く振る必要があります。
かなりの練習が必要で、素早いスイングスピードが要求されます。
いろんな映像を見ていると、バック前だけでなくミドル前に出されたサーブも鮮やかに払っています。
ときおりフォア前のボールもフォア側にすすーっと動いて、バックハンドドライブを打っている選手がいます。
今年開催された世界選手権の男子シングルス決勝、張継科-王皓戦がまさにそうでした。
王皓選手はレシーブから責められないよう、シェークの選手が最も嫌いなミドル前にサーブを出していました。
それでも張継科選手は、積極的に何本も台上ドライブを打ち込んできます。
そこでフォア前にもサーブを出すのですが、それをフォア側に回りこんでバックハンドで払ってきます。
ペン裏面打法の第一人者、王皓選手は以前から台上ドライブでレシーブから仕掛けていくことが多かったので、もう台上ドライブの応酬のような展開でした。
少し前の決勝戦、王励勤-馬琳戦などは、もう少しツッツキが多かったと思います。
今年の決勝戦を見ていると、この二人には台のどこにサーブを出しても、全部ドライブ回転でレシーブされてしまう気がしました。
昔はシェークの選手にもできるだけフォアハンド主体のプレーを指導する、フォア偏重の方がいたそうですが、そういった方が見ると完全に邪道扱いされてしまうでしょう。
この打法は先手を取りにいくというだけでなく、左右どちらの方向に打ってくるかが分かりにくいというメリットもあります。
そのため、ダブルスでもレシーブをバックハンドドライブで打っていく場面を見かけます。
ここまでは、ペンとシェークに共通する話でした。
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弱点の克服→得点源へ
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ペンホルダー選手の悲しい弱点として、フォアに振られたあと、バックをつぶされるという定石の攻略法があります。
私が買ったDVDにも、キムテクス選手やユナムキュ選手といった片面ペンドラの選手がロビングやフィッシュ(低いロビング)をしているシーンがあります。
卓球にあまり詳しくない方は、豪快なスマッシュが連続して返球されるありさまに見応えを感じるかもしれません。
しかし選手の方は、相手のスマッシュミスに一縷の望みを託しながら、必死につないでいるというのが実情です。
もちろんシェークの選手でも、追い込まれた展開になりロビングでしのぐことはあります。
しかしペンホルダーの選手の場合、もしシェーク並みにバックが打てたら、こんなロビングに追い込まれてなかったのに・・・
ということが時々あります。
そして、やっぱりこれだから片面ペンはダメなんだなと残念な気分になります。
裏面打法を習得すれば、悲壮感漂うロビングを減らすことができます。
また、シェークのようなバックハンド強打という得点源が生まれます。
通常、片面ペンの選手は、バックに来たボールはショートでブロックします。
基本技術としては大切ですが、これは主要な得点源にはなりづらいです。
コースやタイミングがバッチリ決まった時は必殺技を繰り出すことができ、吉田海偉選手のバックハンド強打や、チャンポンロン選手の高速プッシュが決まるのは、そういうツボにはまった場面です。
それに対し裏面打法は、強打を打てる場面や自由度が非常に高く、シェークと比べてもそれほど遜色がありません。
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普通の球なら打てますが・・・
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練習に際し、ひとまずシェークのラケットをペン持ちして始めました。
最初は全然入りません。
面が下方向かつ外側を向いていたためです。
面が下を向くのは、私が比較的上体を起こして構えるためで、これは構えを低くして修正しました。
面が外を向く点は、少々厄介でした。
王皓選手や馬琳選手のように、人差し指を親指に近づけたグリップにしていたのですが、角度をうまく合わせることができません。
そこで許シン選手のように、人差し指を大きく離す握りに変えるとうまくいきました。
通常の打ち方が少しできるようになったので、次はツッツキをドライブで返す練習をしました。
これは結構難しく、ラケットヘッドを自分の体に向け鋭く振らなければなりません。
ちゃんと打てる確率は低いのですが、やはりうまく入ると面白いですね。
実際に試合形式で試してみると、色んな問題が分かりボロボロでした。
ペンもシェークもミドル(利き腕の肩のあたり)に打ち込まれると、のけぞってしまったり、金縛りにあったように動けなくなる場合があります。
シェークのミドルはラケットが縦になり、手首を回すだけで両方の面を相手コートに向けることができます。
フォア面とバック面で打てる範囲が少し重なっているので、どちらで打つか迷った場合も、とっさに一方で面を合わせ取りあえずの返球ができることがあります。
ペン両面使いの場合、ラケットが横になり、オモテ面とウラ面で打てる範囲がほぼはっきりと分かれています。
そのためミドルに来たボールの返球は、シェークより難しいように思えます。
それから粒高でブロックしたような変則球を返すのも難しいことが分かりました。
ふらふらっと流れてくるボールを、裏面で打つか、表面で打つか迷ってしまいます。
この悩みはシェークでフォアとバックを同じ面で打つ、シーミラー打法の選手にも共通すると思います。
致命的な問題は、手首や肘に大きく負担がかかることでした。
特にドライブを打つ時に、肘の筋がよれるような感じで鋭い痛みが走ることがよくありました。
ゆっくり振れば大丈夫ですが、それではツッツキを持ち上げることはできません。
ラバーやラケットを軽いものに変えても改善せず、最終的に裏面打法は諦めることにしました。
ペンの長所は、フォア強打と台上のやりやすさであり、裏面打法によりバックハンドという短所が武器に変われば最強じゃないかという考えは今でもあります。
実際に試行錯誤しながら試してみたことで納得もでき、知識の幅も広がったので良かったと思います。
またやり始めるかもしれませんが・・・
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
しかしそのツッツキを台上ドライブで「ブン」と返球されたら、私達のレベルでは恐怖におののきます。
この球を打つには、台の上にかぶさるような感じで、脇の下あたりから鋭く振る必要があります。
かなりの練習が必要で、素早いスイングスピードが要求されます。
いろんな映像を見ていると、バック前だけでなくミドル前に出されたサーブも鮮やかに払っています。
ときおりフォア前のボールもフォア側にすすーっと動いて、バックハンドドライブを打っている選手がいます。
今年開催された世界選手権の男子シングルス決勝、張継科-王皓戦がまさにそうでした。
王皓選手はレシーブから責められないよう、シェークの選手が最も嫌いなミドル前にサーブを出していました。
それでも張継科選手は、積極的に何本も台上ドライブを打ち込んできます。
そこでフォア前にもサーブを出すのですが、それをフォア側に回りこんでバックハンドで払ってきます。
ペン裏面打法の第一人者、王皓選手は以前から台上ドライブでレシーブから仕掛けていくことが多かったので、もう台上ドライブの応酬のような展開でした。
少し前の決勝戦、王励勤-馬琳戦などは、もう少しツッツキが多かったと思います。
今年の決勝戦を見ていると、この二人には台のどこにサーブを出しても、全部ドライブ回転でレシーブされてしまう気がしました。
昔はシェークの選手にもできるだけフォアハンド主体のプレーを指導する、フォア偏重の方がいたそうですが、そういった方が見ると完全に邪道扱いされてしまうでしょう。
この打法は先手を取りにいくというだけでなく、左右どちらの方向に打ってくるかが分かりにくいというメリットもあります。
そのため、ダブルスでもレシーブをバックハンドドライブで打っていく場面を見かけます。
ここまでは、ペンとシェークに共通する話でした。
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弱点の克服→得点源へ
──────────────────────
ペンホルダー選手の悲しい弱点として、フォアに振られたあと、バックをつぶされるという定石の攻略法があります。
私が買ったDVDにも、キムテクス選手やユナムキュ選手といった片面ペンドラの選手がロビングやフィッシュ(低いロビング)をしているシーンがあります。
卓球にあまり詳しくない方は、豪快なスマッシュが連続して返球されるありさまに見応えを感じるかもしれません。
しかし選手の方は、相手のスマッシュミスに一縷の望みを託しながら、必死につないでいるというのが実情です。
もちろんシェークの選手でも、追い込まれた展開になりロビングでしのぐことはあります。
しかしペンホルダーの選手の場合、もしシェーク並みにバックが打てたら、こんなロビングに追い込まれてなかったのに・・・
ということが時々あります。
そして、やっぱりこれだから片面ペンはダメなんだなと残念な気分になります。
裏面打法を習得すれば、悲壮感漂うロビングを減らすことができます。
また、シェークのようなバックハンド強打という得点源が生まれます。
通常、片面ペンの選手は、バックに来たボールはショートでブロックします。
基本技術としては大切ですが、これは主要な得点源にはなりづらいです。
コースやタイミングがバッチリ決まった時は必殺技を繰り出すことができ、吉田海偉選手のバックハンド強打や、チャンポンロン選手の高速プッシュが決まるのは、そういうツボにはまった場面です。
それに対し裏面打法は、強打を打てる場面や自由度が非常に高く、シェークと比べてもそれほど遜色がありません。
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普通の球なら打てますが・・・
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練習に際し、ひとまずシェークのラケットをペン持ちして始めました。
最初は全然入りません。
面が下方向かつ外側を向いていたためです。
面が下を向くのは、私が比較的上体を起こして構えるためで、これは構えを低くして修正しました。
面が外を向く点は、少々厄介でした。
王皓選手や馬琳選手のように、人差し指を親指に近づけたグリップにしていたのですが、角度をうまく合わせることができません。
そこで許シン選手のように、人差し指を大きく離す握りに変えるとうまくいきました。
通常の打ち方が少しできるようになったので、次はツッツキをドライブで返す練習をしました。
これは結構難しく、ラケットヘッドを自分の体に向け鋭く振らなければなりません。
ちゃんと打てる確率は低いのですが、やはりうまく入ると面白いですね。
実際に試合形式で試してみると、色んな問題が分かりボロボロでした。
ペンもシェークもミドル(利き腕の肩のあたり)に打ち込まれると、のけぞってしまったり、金縛りにあったように動けなくなる場合があります。
シェークのミドルはラケットが縦になり、手首を回すだけで両方の面を相手コートに向けることができます。
フォア面とバック面で打てる範囲が少し重なっているので、どちらで打つか迷った場合も、とっさに一方で面を合わせ取りあえずの返球ができることがあります。
ペン両面使いの場合、ラケットが横になり、オモテ面とウラ面で打てる範囲がほぼはっきりと分かれています。
そのためミドルに来たボールの返球は、シェークより難しいように思えます。
それから粒高でブロックしたような変則球を返すのも難しいことが分かりました。
ふらふらっと流れてくるボールを、裏面で打つか、表面で打つか迷ってしまいます。
この悩みはシェークでフォアとバックを同じ面で打つ、シーミラー打法の選手にも共通すると思います。
致命的な問題は、手首や肘に大きく負担がかかることでした。
特にドライブを打つ時に、肘の筋がよれるような感じで鋭い痛みが走ることがよくありました。
ゆっくり振れば大丈夫ですが、それではツッツキを持ち上げることはできません。
ラバーやラケットを軽いものに変えても改善せず、最終的に裏面打法は諦めることにしました。
ペンの長所は、フォア強打と台上のやりやすさであり、裏面打法によりバックハンドという短所が武器に変われば最強じゃないかという考えは今でもあります。
実際に試行錯誤しながら試してみたことで納得もでき、知識の幅も広がったので良かったと思います。
またやり始めるかもしれませんが・・・
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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