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ボールの表面には何かが印刷されていますが、じっくり見たことはあるでしょうか。


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 +(プラス)が意味するもの
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現在のプラスチックボールと、以前使われていたセルロイドボールを識別する方法の1つとして、ボールに印刷された表記を見るというのがあります。

スリースターであれトレーニングボールであれ、ボールのどこかに大きさを示す40の数字があるはずです。

以前のセルロイドボールでは40だけでした。

それがプラスチックボールでは40+となっています。

ボールによっては40+の前にアルファベットなどがついていて、例えばG40+といった表示になっているものもありますが、要は40+ということです。

またプラスチック製であることを示す、PLASTICという文字が別途入っているボールもあります。

+の記号の意味を、プラスチックの省略形だと解釈している人が少なからずいらっしゃいます。

+のスペルはplusであり、プラスチックのスペルはplasticなのでちょっと違います。

プラスチック製ボールに切り替える際、材質だけでなくボールの大きさもわずかながら大きくなりました。

サイズが40mmよりちょっぴり大きくなったことを意味する表記として、40+がつけられています。

セルロイドは萌えやすい、もとい燃えやすいという性質があり、プラスチックボールに切り替えられました。

セルロイドのときと比べると、やや回転がかかりにくくスピードも遅くなりました。

材質の変更理由は納得できるのですが、若干サイズアップもしてボールの威力が弱められたのは残念です。

威力を落とせばラリーが続きやすくなり、観客に見応えのあるゲーム展開になることを狙っているのはわかります。

ボールの規格を変更することにより、それを実現するのはこの程度までにとどめていただけたらと思います。

別の部分の変更に目を向けていただき、例えば上級選手でも魔球サーブだけで決まってしまう場面がまだ見受けられるため、サーブのルールは改善の余地がありそうです。

そして以前にも述べましたが、粒高ラバーでブロック主体のプレーは観客にアピールしづらいので、1枚ラバーや超極薄スポンジラバーは認めないようにしてはどうかと考えています。


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 昔のボールは速かった
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さてボールについてですが、昔の動画を見るとスピードが速いことを実感します。

40mmのセルロイドボールで、ラバーに有機溶剤のスピードグルーを塗りたくっていた時代は、パキーンという音をたてて豪快な打球が飛んでいました。

それを上回りそうなのが、さらに古い38mmボールの時代です。

1950年代から80年代にかけて中国のペンホルダー前陣速攻が猛威をふるっていました。

38mmボールの速さを象徴しているスタイルだと思っています。

1979年には団体戦でヨーロッパ卓球の両ハンドドライブに屈したことがありました。

しかしそのときの映像を見ても、全く歯が立たなかったというわけではありませんでした。

今と比べるとあまりラリーが続かず、3球目を打ってそれが決まるかブロックされて終わるという展開が多く見られました。

ハンガリーの選手がものすごい回転量の両ハンドドライブを放つのですが、それがちゃんとショートで返球できれば高速リターンに転じるため、強力なカウンターショットになります。

1983年の東京大会で男子シングルスの準決勝は、ドライブマンの郭躍華選手とペン表速攻の江加良選手の対戦でした。

そこで江選手は敗れましたが、映像を見ると郭選手のドライブをショートでブロックしてそれがノータッチで決まる場面があり、あの小ぶりなボールのスピードがあってこその戦型という感じがしました。


複雑な思いがするのがカットマンです。

カットマンは時代が進むにつれて不利になっていると言われています。

今はボールが遅くなったので、粘って守りやすくなったかと言えばそんなことはないそうです。

回転がかかりにくいのでカットの威力が落ち、守りきるスタイルでは苦しく、総合的にはデメリットのほうが上回るルール変更になっているようです。

ではあれだけ速いボールが飛び交っていた38mm時代に、カットマンはどう対応していたのでしょう。

対戦相手のドライブ回転量やスピードは確かに今より上回っていたものの、カットする側としても十分なバックスピンをかけることができていたからだと思われます。

これらのことを考えると、ルール変更は多くの選手にさまざまな影響を与えることを改めて認識させられます。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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