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自分が打ち込んでいるスポーツに対しどういう考えを持っているかは、人によってさまざまです。

卓球の場合でも、

A)生活の全てを卓球に注いでいるトップ選手
B)競技卓球として、部活で練習している生徒や市民大会などに
 参加する社会人
C)レクリエーション的に卓球を楽しむ人

が、いらっしゃいます。

やはり競技者が多いのは、C)のレクリエーション指向の方です。

楽しく練習をして爽やかな汗をかきたい
気の合う仲間を作りたい(そして宴会大好き)
といった人や、

血圧やコレステロールの値を改善したい
という目的の人も含まれると思います。

現在はそういった方々と練習することが多く、時々アドバイスを求められます。

私は指導する立場にはなく、これまでコーチを務めたこともありません。

しかし経験者ということで頼られることがあり、どの程度まで指導/助言すべきか、時折お風呂や電車の中でぼーっと考えたりします。

今、私は複数の場所で練習に参加しています。

練習スタイルはそれぞれ若干異なりますが、参加者同士で比較的自由にどういう練習をするか決められる環境です。

そこで、レクリエーション指向の方に対しては、もっとその方のためになる練習を持ちかけていくようにしようと考え始めました。


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入門レベルの初心者の方に対して
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◆◆ 一本打ち ◆◆

全くの初心者の方には、無理にラリーを続けなくてもいいという考えになりました。

相手はクセ玉で変なコースに返してきますので、こちらが無理して返しても、それが結局返球しにくい球になってしまうことがあるからです。

一球だけ球を出し、帰ってきたボールは手でキャッチします。

フォア、バック、ツッツキ、これら全てを最初は一本づつ打ち返すところから始めます。

卓球マシンがあれば、少し慣れた時点で使い始めれば効果的です。


◆◆ 棒立ち禁止 ◆◆

ひざを伸ばしたまま棒立ちで打ってしまう方がいます。

個人的にひざを曲げることは、アドバイスすべき最重要ポイントだと考えています。

特にツッツキを棒立ちのまま手を伸ばすだけで返球する人が多いので、どんな感じでひざを曲げた体制を保つか理解してもらうのに苦労します。

この前は「揺れる電車の中で、コップの水をこぼさないよう立っている状況をイメージしてください」と言ったのですが、ややこしい例えだったんでしょうね、ぜんぜん分かってもらえませんでした。

すり足で移動することも分かってもらえないことがありますが、ひざを曲げると自然とすり足もできるようになりますので、常に重心を落として心持ち前傾姿勢をとるよう声をかけています。

ただし、シニアの方などでひざに問題を抱えている人もいますので、そういった方に対しては例外となります。

※そして残念ながらフォアロングの練習など棒立ちで打っている
 手抜き指導員を見かけますが、これは反面教師にしないと
 いけませんね。


◆◆ 手を添えて打球させるのは無意味 ◆◆

子供に教える際によく見かけるのですが、背後から腕に手を添えて打球させている人がいます。

あれは自転車の練習をするときに、ふらつかないよう後ろを支えるのと同じで全く意味がありません。

打球を繰り返す過程で、自分が感じた感覚に応じて打ち方を調整することで上達するのですから、支えてはいけません。

そして、一般論として体に触れてフォームを教えるのは避けた方がいいと思います。


◆◆ ラケットに関するアドバイス ◆◆

シェークかペンかアドバイスを求められたら、シェークを勧めることでいいと思います。

爪が長めの女性には、絶対シェークです。

シェークを握ったとき、たまに人差し指をピンと伸ばした握り方(一本差しグリップ)をする方がいます。

このグリップで世界チャンピオンになった日本人選手がいるのですが、台上の短いボールを打つ場合など少し難があるため、競技卓球を目指す場合なら、一般的な握り方に変更するよう指導することが多いです。

人によって意見が分かれる所ですが、私はレクリエーション卓球は寛容であるべきと考えますので、このグリップはOKとしています。


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ある程度打てるようになった方に対して
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◆◆ フォアロング一筋はダメ◆◆

誰と打つ場合でもフォアロングだけを延々と続けている人がいます。

入門者レベルなら、練習の半分ぐらいはフォアロングでもいいと思いますが、それなりに上達してきた人にはもっと別の練習(バック、ツッツキ)も仕向けるようにしています。

またフォアロングを打つ場合も、ストレートに打つ練習を取り入れればいいと思います。

ストレートに打つ場所は、台の右端ストレート、センターラインのストレート、左端ストレートの3パターンを行います。


◆◆ ライジング打ち、ネコパンチの矯正 ◆◆

ラリーが続くようになるのはいいことですが、変なくせが身についてしまう人も少なくありません。

どんなボールも全てバウンド直後をこすり上げるライジング打ちに徹している人がいます。

また、腕のスイングでラケット振るのではなく、主に手首だけでまねき猫のネコパンチのようにペチッペチッと当てて返すだけの人もいます。

こういうくせのある方には一定の確率で遭遇します。

矯正するために、少し台から離れて長いボールを打つように仕向けているのですが、次の練習の時はすぐもとに戻っていることが多く、どう教えたらいいのか悩んでいます。

巷の解説本あたりなら、正しいフォームで素振りを繰り返せば直るように書いているかもしれませんが、正しいフォームで素振りはできているのに、実際にボールを打つ時はネコパンチになってしまう方はいます。

従って、私は素振りの練習とフォームの矯正は別物と考えています。


◆◆ ロビング、カットもOK ◆◆

レクリエーション指向の方は、ほとんど台のそばで球を打つことが多いのですが、それなりに上達した方にはロビングの練習をさせてもいいと思います。

また、シェークの人ならカット打ちに挑戦してみないか誘ってあげてもいいでしょう。

台から離れ、これまでとは違ったスイング・距離のとり方で打つことは新鮮で、結構楽しんでもらえるはずです。


◆◆ 中高年に多いぶっつけサーブ ◆◆

レクリエーション卓球については、全体的に寛容であるべきと考えますが、ルール違反となるものについては、折にふれてやんわりと教えてあげるべきです。

中高年で昔経験されていた方には、サーブがぶっつけサーブになっている場合があります。

特にバックハンドでサーブを出すときに多いので、16cm以上トスを上げるようお願いしています。

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私なりに考えたアドバイス・注意点はこういったところです。

参加者の練習がよりよいものになるよう、これからも観察・研究していきたいと思います。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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