2011 .08.06
今回は私の主観的な意見が強いかもしれませんが、少数派のラバーである表ソフトラバーと粒高ラバーについて、お勧めしたい場合とそうでない場合について述べたいと思います。
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表ソフトのススメ(シニアの方へ)
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ラバーには大きく分けて裏ソフトと表ソフトがあります。
裏ソフトは表面が平坦で、シート裏側の粒の面がスポンジと接着されたラバーです。
裏ソフトは回転をかけるのに適していますが、その反面、相手の回転にも影響されやすいという特徴があります。
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表ソフトのススメ(シニアの方へ)
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ラバーには大きく分けて裏ソフトと表ソフトがあります。
裏ソフトは表面が平坦で、シート裏側の粒の面がスポンジと接着されたラバーです。
裏ソフトは回転をかけるのに適していますが、その反面、相手の回転にも影響されやすいという特徴があります。
一方の表ソフトは、表面が粒になっていて、裏側の平坦な面がスポンジと接着されています。
裏ソフトほど回転はかかりません。
主流は裏ソフトで、現在使われているラバーの8割以上を占めると言われています。
さて、これだけ多くの方に使われている裏ソフトですが、主にシニアの方と練習しているとき、裏ソフトよりも表ソフトを使ったほうがいいのではないかと思うことがあります。
それは、回転をかけずにラケットの面を合わせるミート打ちだけの方が多いためです。
しかしそれだけなら、裏ソフトのままでも特に問題はないと思われるかもしれません。
表ソフトに変更すれば、以下の点でメリットがあります。
◆回転の影響を受けにくい
裏ソフトの場合と比べてレシーブやツッツキがやりやすくなります。
◆ラバーの寿命が長い
裏ソフトは表面が劣化して引っかかりがなくなってきた時が貼り替え時となり、表ソフトよりも確実に寿命が短いラバーです。
また、裏ソフトはぶつけると裂けやすく、中心部分が裂けた場合は貼り替えが必要となります。
中心部分が大丈夫でも、使い込むにつれツッツキなどで台に接触する縁の部分が徐々に欠けてきます。
そして裏ソフトでは、まれに剥離といってシートとスポンジが離れてしまう現象が発生することがあります。
◆ホコリが気にならない
裏ソフトはすぐにホコリが付着するため、練習中に息を吹きかけて拭く、クリーナーで掃除する、保管時は保護フィルムを貼るなど、手間がかかります。
これらのことを考慮すると、シニアの方で表ソフトに変更したほうがメリットがある方が、それなりにいらっしゃるのではないかと思います。
なお、決して裏ソフトの利点を享受している方にも、表ソフトへの転向を勧めているというわけではありません。
卓球というスポーツの最も面白い点は、ボールに回転をかけることだと思いますので、通常は裏ソフトを勧めるのは当然です。
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お勧めしない粒高ラバー
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粒高ラバーとは先に述べた表ソフトに似ていますが、その名のとおり粒の高さが通常の表ソフトよりも高いラバーです。
スポンジがあるものと、ゴム製のシートだけでスポンジがないものがあります。
何も意識せずこのラバーでそのまま打てば、ボールが当たった部分の粒がぐらぐらしてコントロールが難しく、威力のあるボールが打てないことが分かります。
しかし一方で、表ソフトよりもさらに回転の影響を受けにくいため、回転の分からりづらいサーブを出されても、面を合わせるだけで比較的返しやすいというメリットがあります。
このラバーが本領を発揮するのは、粒の倒し方を制御できたときです。
粒が高いということは、打球する状態によっては瞬間的に粒が倒れそれが元に戻るという現象が発生します。
この特性を利用することで、相手を困惑させるボールを返すことができます。
私たちは相手の打球フォームやボールの軌跡などで、おおよそどんなボールが返ってくるかを予想します。
正確に言えば予想するというより、こういう場合はこんな感じで返球すれば良いという瞬間的な反応を、日々の練習で体に覚え込ませています。
粒高ラバー使いは、その体に覚え込ませたパターンとは勝手の違うボールを返し、相手を混乱させることでミスを誘います。
一例を挙げれば、ツッツキに対しては通常はそのままツッツクか、払うかの二択となります。
粒高ラバーでは、そのどちらでもないプッシュで返すという方法もあります。
裏ソフトでツッツキに対し、ラケットの面をかぶせたり上向きにしたりせず、フラットなまま当てると、ボールは下に落ちてしまいます。
しかし粒高ラバーの場合、ツッツキに対して勢いをつけてフラットのまま打ちつけると、折れ曲がった粒がボールを弾いて返球できます。
つまり、通常では打ちミスとなるスイングなのに、ボールが返ってきてしまうのです。
そしてそのボールは、ドライブのように伸びてこないクセ球になるのです。
粒高ラバーを使えば、変化サーブも返しやすく、前述のプッシュやナックルショートを取り入れれば、「あるレベル」までは到達しやすいスタイルとなります。
さて、この粒高ラバーですが、私は以下の2つのケースでは使っていいと思います。
◆カットマンがバック面に貼るケース
ドライブに対し裏ソフトでカットする場合、順回転を逆回転に変える強いスイングでラケットを振り下ろす必要があります。
粒高ラバーでカットする場合、倒れた粒が元に戻る特性を利用できるため、裏ソフトよりも浅いスイングで返球することができます。
◆反転式ペンホルダーでレシーブの時だけに使うケース
いろんなフェイクモーションを入れて回転を分かりづらくしたサーブを出してくる人がいます。
そんな時、回転の影響を受けづらい粒高ラバーを使えば、返球ミスを少なくすることができます。
上記以外、すなわち、カット以外の通常のラリーの中で粒高ラバーを使うのは好ましくないというのが私の意見です。
粒高ブロックマンと呼ばれる人などが該当します。
粒の特性を知り尽くしそれを活かしたプレーについては、もちろん技術的に素晴らしいと思うことはあります。
また、私は用具や戦術の多様性について認めたいとも思っています。
同じラケットを使うテニスやバドミントンと比較すると、卓球は多様な戦型が存在しやすく、それが特徴にもなっているからです。
卓球にカットマンというユニークな戦型があるのは、いいことだと思っています。
しかし、なんと表現したらいいんでしょう。ちょっと(全然?)違うかもしれませんが、粒高ブロックマンはバントばかりやっている高校野球がつまらないのと同じような感じがしてしまうのです。
バントはインチキ打法ではなく、ルール上ちゃんと認められた打法なのは言うまでもありません。
また、ルール改正をしてバントを禁止して欲しいと考えているわけでもありません。
ただ、イチロー選手がたまに見せる芸術的なセーフティーバントは素晴らしいと思うのですが、たまにではなくほとんどの打席でバントをするイチロー選手は見たくないのです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
裏ソフトほど回転はかかりません。
主流は裏ソフトで、現在使われているラバーの8割以上を占めると言われています。
さて、これだけ多くの方に使われている裏ソフトですが、主にシニアの方と練習しているとき、裏ソフトよりも表ソフトを使ったほうがいいのではないかと思うことがあります。
それは、回転をかけずにラケットの面を合わせるミート打ちだけの方が多いためです。
しかしそれだけなら、裏ソフトのままでも特に問題はないと思われるかもしれません。
表ソフトに変更すれば、以下の点でメリットがあります。
◆回転の影響を受けにくい
裏ソフトの場合と比べてレシーブやツッツキがやりやすくなります。
◆ラバーの寿命が長い
裏ソフトは表面が劣化して引っかかりがなくなってきた時が貼り替え時となり、表ソフトよりも確実に寿命が短いラバーです。
また、裏ソフトはぶつけると裂けやすく、中心部分が裂けた場合は貼り替えが必要となります。
中心部分が大丈夫でも、使い込むにつれツッツキなどで台に接触する縁の部分が徐々に欠けてきます。
そして裏ソフトでは、まれに剥離といってシートとスポンジが離れてしまう現象が発生することがあります。
◆ホコリが気にならない
裏ソフトはすぐにホコリが付着するため、練習中に息を吹きかけて拭く、クリーナーで掃除する、保管時は保護フィルムを貼るなど、手間がかかります。
これらのことを考慮すると、シニアの方で表ソフトに変更したほうがメリットがある方が、それなりにいらっしゃるのではないかと思います。
なお、決して裏ソフトの利点を享受している方にも、表ソフトへの転向を勧めているというわけではありません。
卓球というスポーツの最も面白い点は、ボールに回転をかけることだと思いますので、通常は裏ソフトを勧めるのは当然です。
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お勧めしない粒高ラバー
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粒高ラバーとは先に述べた表ソフトに似ていますが、その名のとおり粒の高さが通常の表ソフトよりも高いラバーです。
スポンジがあるものと、ゴム製のシートだけでスポンジがないものがあります。
何も意識せずこのラバーでそのまま打てば、ボールが当たった部分の粒がぐらぐらしてコントロールが難しく、威力のあるボールが打てないことが分かります。
しかし一方で、表ソフトよりもさらに回転の影響を受けにくいため、回転の分からりづらいサーブを出されても、面を合わせるだけで比較的返しやすいというメリットがあります。
このラバーが本領を発揮するのは、粒の倒し方を制御できたときです。
粒が高いということは、打球する状態によっては瞬間的に粒が倒れそれが元に戻るという現象が発生します。
この特性を利用することで、相手を困惑させるボールを返すことができます。
私たちは相手の打球フォームやボールの軌跡などで、おおよそどんなボールが返ってくるかを予想します。
正確に言えば予想するというより、こういう場合はこんな感じで返球すれば良いという瞬間的な反応を、日々の練習で体に覚え込ませています。
粒高ラバー使いは、その体に覚え込ませたパターンとは勝手の違うボールを返し、相手を混乱させることでミスを誘います。
一例を挙げれば、ツッツキに対しては通常はそのままツッツクか、払うかの二択となります。
粒高ラバーでは、そのどちらでもないプッシュで返すという方法もあります。
裏ソフトでツッツキに対し、ラケットの面をかぶせたり上向きにしたりせず、フラットなまま当てると、ボールは下に落ちてしまいます。
しかし粒高ラバーの場合、ツッツキに対して勢いをつけてフラットのまま打ちつけると、折れ曲がった粒がボールを弾いて返球できます。
つまり、通常では打ちミスとなるスイングなのに、ボールが返ってきてしまうのです。
そしてそのボールは、ドライブのように伸びてこないクセ球になるのです。
粒高ラバーを使えば、変化サーブも返しやすく、前述のプッシュやナックルショートを取り入れれば、「あるレベル」までは到達しやすいスタイルとなります。
さて、この粒高ラバーですが、私は以下の2つのケースでは使っていいと思います。
◆カットマンがバック面に貼るケース
ドライブに対し裏ソフトでカットする場合、順回転を逆回転に変える強いスイングでラケットを振り下ろす必要があります。
粒高ラバーでカットする場合、倒れた粒が元に戻る特性を利用できるため、裏ソフトよりも浅いスイングで返球することができます。
◆反転式ペンホルダーでレシーブの時だけに使うケース
いろんなフェイクモーションを入れて回転を分かりづらくしたサーブを出してくる人がいます。
そんな時、回転の影響を受けづらい粒高ラバーを使えば、返球ミスを少なくすることができます。
上記以外、すなわち、カット以外の通常のラリーの中で粒高ラバーを使うのは好ましくないというのが私の意見です。
粒高ブロックマンと呼ばれる人などが該当します。
粒の特性を知り尽くしそれを活かしたプレーについては、もちろん技術的に素晴らしいと思うことはあります。
また、私は用具や戦術の多様性について認めたいとも思っています。
同じラケットを使うテニスやバドミントンと比較すると、卓球は多様な戦型が存在しやすく、それが特徴にもなっているからです。
卓球にカットマンというユニークな戦型があるのは、いいことだと思っています。
しかし、なんと表現したらいいんでしょう。ちょっと(全然?)違うかもしれませんが、粒高ブロックマンはバントばかりやっている高校野球がつまらないのと同じような感じがしてしまうのです。
バントはインチキ打法ではなく、ルール上ちゃんと認められた打法なのは言うまでもありません。
また、ルール改正をしてバントを禁止して欲しいと考えているわけでもありません。
ただ、イチロー選手がたまに見せる芸術的なセーフティーバントは素晴らしいと思うのですが、たまにではなくほとんどの打席でバントをするイチロー選手は見たくないのです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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