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今年のスポーツ界で話題になったものの一つに、ラグビーの五郎丸選手のポーズがありました。

ボールを蹴る前に集中力を高める動作で、いろんな所で真似をする人がいたり、同じような手つきをしている仏像に人気が出たりとまだまだその余韻は続いています。

仏像人気は一時的なことと考えていますが、それとは別に大変興味深いことを私達に伝えてくれた効果がありました。

それはルーティンと呼ばれているもので、パターン化した所作で自身を最適な状態に導く行為です。

間合いを取って心を落ち着けるという自己暗示の効果もあります。

このことが取り上げられたことで、イチロー選手の例のポーズも改めてルーティンの典型例だと解説されています。


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 良い所作、悪い所作
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卓球でルーティンはどの程度取り入れられているかと言えば、思い当たる選手は少なくありません。

最初に挙げられそうな例が、張継科選手のサーブ前のルーティンです。

ボールをラケットにペシペシペシと小刻みに当て、それからYGサーブを出します。

張選手は試合に勝ったあとのいくつかの奇行が問題になったことがあります。

例:ユニフォームを破く、フェンスを破壊する

しかし上記のルーティンについては不快感はなく、対戦相手も応じやすいのではないかと考えています。

岸川選手がサーブの前にサイコロを振るような感じで、台の上にボールを弾ませるルーティンも好ましい例だと思います。

逆に少しどうかなと思うのは、一方的だったり何度もやられるとイライラ感が蓄積する動作です。

T選手は台の後ろで姿勢を低くしてレシーブの構えを取るのですが、その状態でサーブを出す相手に手のひらを向け「待った」のポーズを取ります。

とても緊迫した場面でそういう所作が思わず入ったのなら周囲も理解できます。

ところがそのポーズはT選手が集中力を高めるルーティンとなっていました。

完全にレシーブの体制になっているのに、手を突き出し視線を下にむけられるのを繰り返されるとちょっと嫌ですね。


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 具体案を添えた改善策
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一般的にサーブを出す際の流れは以下のようになります。

(1)これからサーブを出しますよと身構える

(2)相手がそれに呼応してレシーブの構えを取る

(3)そしてサーブを出す

これらがテンポよく(1)、(2)、(3)と進めば、競技者だけでなく審判や観客もストレスを感じることはありません。

Tさんのルーティンは、(2)が完了したからさあ(3)に移ろう、、、おっとっと、まだなのかと周囲をじらせてしまいます。

改善策としては直立不動で遠く見つめ、集中できたらレシーブの構えを取ってもう手のひらを向けたりしないようにしてはどうでしょうか。


選手によっては(1)の段階に至るまでがとても長い人がいます。

毎回手の汗をショーパンで拭き、次にラバーの表面をぬぐい、ボールをポケットに入れてグリグリして・・・こんなルーティンをされるとたまりません。

これだけホコリが付くことに神経質な人の対戦相手が、床に何度もボールを突く正反対の人物だったりすると漫画のような展開かもしれません。

監督やコーチには「どうかルーティンの動作にも改善アドバイスをしてあげてね」と言いたくなってしまいます。


そんな私が、他の競技で最もストレスを感じるのは相撲です。

これに同調していただける方は少なからずいらっしゃるはずです。

制限時間一杯なのに、何度も何度も仕切り直しをするのは確実に見ている人をしらけさせてしまいます。

行司が「待ったなし」と言っているのですから、言葉通り待ったなしが出来ないようにルール変更してしまえばいいのです。

私の改善案は「待ったなし」「三、二、一、はっけよいのこった」と強制的に進めるやり方です。


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 ルーティンの効果と限界
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ルーティンは緊張をほぐしたり、自分の力を100%発揮させるなどの効果があります。

ただし悟りの境地に至るとか、無の状態になれるかといえばそんなことはないでしょう。

ゲームオールのデュースになり、この試合で自分のチームが残留か降格かがかかっているような場面では緊張しないほうが異常です。

またよく聞く「自分のプレーが出来なかった」というセリフも、実力が違いすぎる相手には当然のことです。

自分より弱い相手なら、面白いように三球目攻撃が決まり、流し打ちやフェイクモーションもやりたい放題です。

うまい相手はそもそもそれらを仕掛けることが出来ず、出来たとしても余裕で返球されてしまいます。

ルーティンの効果と限界をよく見極め、有効に使えるようになりたいですね。


私もずっと前にルーティンもどきの動作をやっていたことがありました。

昔、馬琳選手はラケットをシェーク持ちに握り替え、2~3回くるくる回していました。

同じことをしていたのですが、万年補欠の自分がやっていることに恥ずかしくなり、馬琳選手もやらなくなったのでやめました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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