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2015 .12.19
前回は1枚ラバーにとても詳しい方がいたことをお伝えしました。

なぜその人に豊富な知識があるかと言えば、単なる収集家というわけではなく、実際に使用し製品それぞれの特徴を把握していたからです。

お話ししていた際「ちょっと使ってみますか」と言葉をかけてもらえました。

千載一遇のチャンスだったので、複数のラバーを試し打ちさせてもらいました。


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 原始的で生々しい打球感
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多くの人がぶ厚いラバーを使っているため、1枚ラバーやスポンジの薄いラバーを「まるで板で打っているみたい」と表現することがあります。

使い慣れているラバーと大きく違うため、その意見はあながち間違いではないと思います。

しかし本当にラバーを貼らないで打ってみると、それはそれで1枚ラバーとはかなりの違いがあることが分かります。

板だけだと全く引っかかりがありません。

1枚ラバーといえども、ゴムシートが貼ってあるだけで順回転・逆回転がそれなりに掛けられます。

まさに卓球ラケットにラバーを貼ればプレーが面白くなるという、昔の人が考えたアイデアに「なるほど」と共感できるのです。


スポンジのない1枚ラバーで打つと、どんなラケットでもとにかく打球感がハードです。

カーボンラケットであろうが単板ラケットであろうが、衝撃が手にビンビン伝わります。

「カキーン」という甲高い音が練習場に響き、周囲から「なんだあれは」と注目される可能性があります。

いろんな打法を試してみると、短いサーブは返しやすい一方、長いサーブを出されると苦しいように感じました。

これはボールがラバーに食い込まないためです。

一般的なスポンジ付きのラバーでも、ボールが当たりスポンジがへこむのはほんの一瞬です。

しかしそのわずかな感覚がないだけで、これだけ難易度が上がるのかと驚きます。

慣れていないことを差し引いても、1枚ラバーは返球精度が劣ることが分かりました。

また当然ながら、打点が落ちても裏ソフトのように引っ掛けてドライブをかければいいというわけにはいきません。

打つポイントや打法がかなり限定されます。


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 使用者のご意見を紹介
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超マイナーな1枚ラバーなので、どの製品も同じように思えてしまうかもしれません。

でもそれは、テナジー05とテナジー25が大差ないと言うのに等しい暴言です。

例えば同じヤサカ製の1枚ラバーでも、ラケットに接着する面に布地がついているA-1とついていないコバルトでは、打球感がそこそこ違います。

布地があると手に伝わる振動がマイルドになり、球持ちも良い感じがします。


1枚ラバーは裏ソフトのように摩擦力は重視しないため、劣化してきてもあまり気にならずかなり長く使えます。

そしてノーマルの1枚ラバーは粒高ラバーのように、粒が根本からちぎれてしまうこともめったにありません。

寿命が長いのに低価格なので、コストパフォーマンスは最高です。

多くの人は接着シートで貼っていて手を汚すことはなく、ペラペラなのでハサミでカットしやすいのは便利です。

そしてとっても軽いのは嬉しいですね。


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 現実はいろんな面で不便です
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これだけ褒め言葉を並べると、試しに使ってみようかなと思った人が、、、おそらくいないでしょうね。

1枚ラバーを使うのはとてもつらいと思います。

クセのあるプレーができるものの、それと引き換えに失うものが大きすぎます。

試合相手として嫌がられるのはメリットになりますが、練習相手として嫌がられるのはデメリットになります。

相手に説明するのにも疲れるそうです。

粒高ラバーなら「粒高です」と言うだけで、経験者には分かってもらえます。

粒が低いノーマルの1枚ラバーの場合、こちらが気を利かして打つ前に「普通の1枚ラバーです」と伝えたとします。

それでも「えっ、粒高の1枚ラバーじゃないんですか?」と、やはり粒高かどうかの問いかけが少なくありません。

それを避けるため「『粒高ではない』普通の1枚ラバーです」と言えばどうなるか。

その場合もすんなりと理解されるケースは少なく、相手の不安に輪をかけてしまい結局ラバーを見せて欲しいと言われたりで面倒くさいことのこの上ありません。

「なんていうラバーですか」の質問には最初から諦めているそうです。

「ヤサカのコバルトです」と答えても、残念ながら知っている人はゼロだからです。


1枚ラバーは、カットマンのバック面やペンの裏面に細々とした需要があるようです。

私がラケットを借りた人はペンホルダーで、1枚ラバーを主体に使うという大変珍しいスタイルでした。

スポンジはボールにとっての緩衝材になっており、それが無い1枚ラバーではボールが割れやすいそうです。

そのため練習場のコストアップを招いていて、ちょっぴり罪悪感があるとのことでした。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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