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昨年ユニークなラケットの握り方についてお話をさせていただいたことがあります。

今回はその続編をお届けしたいと思います。


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 以前の回のおさらい
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VICTAS社のアドバイザリースタッフに小塩悠菜さんという選手がいます。

彼女はラケットを変わった形で握っています。

シェークハンドラケットをペンホルダーとして使っています。

そしてそういう場合、普通はフォア面に親指と人差指を、バック面に残りの3本の指を当てて支えます。

ところが小塩さんは人差し指も裏側に回し、フォア側は親指だけ、バック側は4本の指で支えるというかなり独創的なグリップでプレーをされています。

私はそのグリップを勝手に「皿づかみ」と形容し、自分でも試して感想を述べてみました。


さて今回は全く同じ握り方ではありませんが、それに近いグリップを試していた方をご紹介します。

お名前は分からないので、似ている私の知人の名前で坂井さんということにしておきます。

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 人差し指の位置がポイント
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坂井さんとは、少し前に飛び入り参加自由の卓球場でお会いしました。

シェーク両面に裏ソフトラバーを貼ったラケットを使い、ペンホルダーとして使っていました。

どういった点がユニークで取り上げることにしたかと言えば、人差し指の場所です。

小塩選手のように裏面に回すわけでもなく、一般的なペンホルダーグリップのように表面に回すわけでもありません。

両者の中間であるラケットの側面に添える握り方です。

名前をつけるなら「フリスビー」グリップでしょうか。

坂井さんは通常このグリップでプレーはしていません。

お試しとしてどんな感触なのかをたまたま試していたのだそうです。

坂井さんの真の姿は片面だけに裏ソフトラバーを貼ったドライブマンです。

ただし使っているラケットはシェークハンドで、丸型のブレードと長いグリップがちょうど自分にとって最適なのだそうです。

普段からそういう用具を使っていることもあって、フリスビーグリップの可能性を探ってみることにしたとのことです。

本職のペンホルダーと比べると、打球の際の角度やスイングにやや調整が必要となります。

でもシェークハンドの握りと比較した場合、違いはかなり少なめです。

私も少し試してみると、このグリップの肝となる人差し指による支えは、皿づかみグリップと比較した場合、安定度が高いことを実感しました。

坂井さんは様々な技術をざっと試し、フリスビーグリップについてご自身なりの結論を導き出しました。

・バックハンドドライブは一般的なペンホルダーの裏面打法よりもやりやすい。

・片面ペンの人が両面に移行するなら、こういう選択肢もアリだと思う。

・ペンとシェークのいいとこ取りで現実的。このグリップで有名な選手が出てきても不思議ではない。


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 次々と湧き出すアイデア
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色々やっているうちに、坂井さんは新たなことを思いつきました。

今の握りでは、人差し指の付け根部分にシェークハンドラケットの盛り上がったグリップが接触した状態となっています。

もっとダイレクトにブレードを直掴み(じかづかみ)してはどうだろうか。

その場ですぐに閃いたのが、ラケットの「下向き握り」でした。

ラケットを真下に向けた状態で、その側面を今まで試していたフリスビーグリップで握るのです。

つまりこれだとグリップには全く触れません。

真上に伸びた全く無用の存在になったグリップが異様です。

私はあっけにとられた状態で試し打ちに付き合っていました。

ネットに触れ失速したボールを坂井さんが手を伸ばすと、グリップの先端が卓球台にぶつかり返球不可能でした。

これは駄目だということで見直した案は「横向き握り」でした。

ラケットを真横にして、グリップが腕の下側に並行になって並ぶ状態にします。

そしてこれまでのフリスビー握りでブレードを直づかみする方法です。

この時点で私が感じたのは、世の中には数少ない異能の持ち主が存在し、坂井さんはそうかもしれないと畏敬の念を抱きました。

なぜ次々とこんな発想が飛び出すのか、ただただ驚くばかりです。

横向き握りの感想はグリップ先端が腕に当たるので、短い中ペン(中国式ペンホルダー)なら現実的かもしれないということでした。

しかしながら5秒間の沈黙の後「あれ、これってほとんどシェークだね」とつぶやき大声で笑い出しました。

(確かに素直にシェークとして握れば済む話ですね)

その瞬間、坂井さんの背後に見えていた後光が消え、普通の人に戻ったような気がしました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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