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現在市販されているラケットには様々な種類が用意されています。

それでも巷の利用者には、多彩なラインナップでも満足できない個別の要望を持つ方がいらっしゃいます。

そういった方はどうやって希望を叶えているのでしょうか。

私が目にしたいくつかの事例をご紹介いたします。


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 こだわり度初級
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よく見かけるのはグリップテープの使用です。

滑り止めやフィット感の向上、太さを求める人などが愛用されています。

ペンホルダーの人はグリップ周辺をほぼ全員削っていますが、シェークでは何も加工を施さない人がいます。

シェークで削られる場所はグリップ根本に近いブレードの角が最も多いと思います。

さらにサーブやチキータなどで邪魔になるということから、グリップの先端を削っている人もちらほらいます。

フレアグリップの片側だけを削り落とし、半分ストレートグリップにしている人がいました。

他にはグリップ先端の角をまんべんなく削り、先端を丸めた加工を施したラケットというのもありました。


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 こだわり度上級
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とてもこだわりの強い方で、断面が特定の楕円形でないと気が済まない人がいました。

その人は昔TSPが販売していたラージボール用のラバー貼りラケット「ジャイアント」の楕円形グリップが最高だとおっしゃっていました。

両面のラバーはとっくの昔にカチカチになってしまっていますが、理想のグリップの見本ラケットとして大切に保管しています。

新規購入のラケットは太めのグリップを選び、見本のラケットと比較しながら削って合わせていきます。

グリップ加工の際、通常ならお手軽なカッターナイフと紙やすりが定番の道具です。

しかし要求レベルが高い人はカンナを使います。

1000円以下でコンパクトなサイズのカンナがあります。

それを用い妥協を許さない正確な加工を実現するのです。

グリップの側面か先端にはJTTAAの刻印が入っています。

理想の加工のためにはそこを削るのも厭(いと)わないそうです。

メーカーによっては新たに刻印を押してくれるところがあります。

しかしそれを自分で再現加工してしまう人もいます。

用具メーカーオリジナルの刻印かどうかを検証されることはまずありません。

そしてその辺の試合だと刻印を確認することがそもそもありません。

本来ちゃんと刻印が入っていたものを少し加工しただけなので、ズルをしたわけではありません。

全日本選手権で使うラケットでもなく、それで構わないのではないでしょうか。


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 滑り止めへのこだわり
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ペンの人だとかなり大胆に削っている人はザラです。

ある人はブレードの縁とグリップが接する水かき部分を直角になるよう削っていました。

それはことさら珍しいわけではありませんでしたが、こだわりは裏面に貼った滑り止めだと語ってくれました。

片面だけにラバーを貼ったラケットで、裏面の指を当てる部分には黒くて薄いスポンジが貼ってありました。

昔は小西海偉選手のような大きくて分厚いスポンジを貼っていたそうです。

しっくりこないことがあり、コルクシートやメッシュ状シートなど10数種類を試したそうです。

現在のお気に入りは東急ハンズで見つけた、厚さ1mmにも満たない硬質の薄々スポンジシートです。

接着シールがついているため簡単に貼れ、お値段もお手頃価格でした。

1つ難を言えばシールの接着力が強力で、貼り替える際は苦労するとのことです。


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 美的センスは不要
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今回ご紹介した方に共通するのは、いずれもご自身の使い勝手を最優先している点でした。

「見栄えなんて3日使えばどうでもよくなる」とおっしゃるなど、装飾面への関心は希薄でした。

よってグリップエンドにはめ込まれたプラスチック製エンブレムはやめるべきだと全員否定的でした。

確かにシェークの人はつるつる滑って気になりますね。

ある方は、あのレンズをはめ込むための加工などに手間がかかるはずだから、なくして300円下げてくれたらと超現実的なご意見でした。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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