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シェークでバック面に粒高ラバーを貼っている選手と言えば、どんなプレースタイルの人を思い浮かべるでしょうか。

よくあるタイプは、1)バック粒高のカットマン、2)バック粒高でブロックする異質攻撃型選手、の2つだと思います。

その2つのパターンを残しつつ、進化を遂げた選手というのも存在します。

どのような変わりようかと言えば、フォアハンド攻撃の比率をぐぐっと高めた進化系です。


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 右攻撃、左カットの二刀流
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まず最初のパターンのバック粒高カットマンについて見ていきます。

カットマンにも攻撃力が必要と言われてから久しく、世の中にはいわゆる半分カットマンという人もいらっしゃいます。

バック側ではカットをしますが、フォアに来たボールは攻撃マンと同様、ドライブやスマッシュを叩き込んでいきます。

有名な選手としては、中国からオーストリアに帰化した陳衛星(チェンウェイシン)選手が代表格です。

ただ陳選手はカットの比率もそれなりにあります。

私が時々お相手する某男性(A君)は、感覚的に攻撃8割カット2割の比率です。

従って彼をカットマンと呼んでいいのかという疑問が浮かびます。

ある日そのことについて尋ねてみると、自分はカットマンですという答えが返ってきました。

それとは逆に多くの対戦相手からは、A君はほぼ攻撃選手(注:カットもする)と見なされているはずです。

サーブ権を持つと当然3球目攻撃を狙っており、攻撃選手的なサーブばかり、いや、通常の攻撃選手を上回る挑発的なロングサーブも多いのです。

感覚的に攻撃8割と書きましたが、実際のラリーではカットに持ち込まれる展開はそれなりに多くなります。

どういうことかと言うとコースによって攻撃とカットを使い分けて返してきますが、かなり回り込んでくることが多く、バック側の狭い2割に返せばカットをしてくれるという感じです。

そして多くの人はその2割のゾーンにボールを集中させるので、攻撃的なA君との試合でもカットの比率がまあまあ多めという展開になります。


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 気分はオールフォア
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次に2つめのパターンである、異質攻撃型選手の進化系をご紹介いたします。

このタイプで有名な方は、中国からアルゼンチンに帰化した劉松(リュウソン)選手です。

劉選手は元カットマンだったそうで、もしかするとカットマン時代は最初に述べたタイプだったのかもしれません。

バックの粒高ラバーで翻弄するという形は少なく、フォアハンド攻撃主体です。

そのプレースタイルと同等、あるいは更に昇華させたような人が、スウェーデンのオーケストロム選手です。

かなりアグレッシブに回り込んできてバキバキ攻撃を仕掛けます。

メガネを掛けてスラッとした外見とはギャップを感じさせます。


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 ユニークな存在として認める
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さて今回紹介したこれらの独自進化を遂げた選手を見て、私は思うことがあります。

両ハンドの活用に適したシェークハンドラケットを握っているのに、フォアハンド偏重という点です。

特に最初に紹介したA君は、ものすごく強引に回り込んでくることがあります。

バックサイドを切ったツッツキも、高速移動でフォアハンド強打し、勢い余って倒れ審判に接触する場面がありました。

これを見て私は何を感じたかと言えば、自分のような片面だけにラバーを貼ったペンドラ(ペンホルダーのドライブマン)が見習うべき姿だと刺激をもらったのです。

ずっと前にA君は、そういう前のめり攻撃全開プレーなら、バック側も裏ソフトにしてカットマンは卒業したらと言われたことがあったそうです。

そんなつもりは全く無く、今の個性的なスタイルをこれからも続けるとのことでした。

シェーク裏裏両ハンド攻撃が合理的というのは否定しないものの、そうじゃない戦法が邪道とか駄目だと言うわけではないと語っていました。

しっかりとした信念があり、あれは無茶打ちではなく周囲からはそのように見えるだけの自然な彼の卓球だというのが理解できました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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