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今回はご自身のプレースタイルを変えようと試みた方をご紹介いたします。


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 大胆な決断
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Eさんは40代と思われる男性で、私と同様片面だけに裏ソフトラバーを貼ったペンドラ(ペンホルダーのドライブマン)でした。

Eさんがかつて使っていた用具は、ダーカーの角型単板ラケットスピード70で、それにニッタクのファスタークG1を貼っていました。

一応分類ではペンドラなのですが、速いテンポでのラリーと一発で決めにいく強打が持ち味で、標準的なペンドラとはやや異なります。

日本女子監督の馬場さんも現役時代は角型ペンに裏ソフトでしたが、回転重視のドライブマンではなく速攻タイプでした。

ペンドラが多かった昔は、そういう感じの選手も結構いたそうです。

Eさんはずっと前から片面ペンドラは時代遅れで駄目だ駄目だと感じていました。

いつか自分も現代卓球の流れに合わせてバージョンアップしなければ未来はないと焦っていたのです。

お手本とするプレースタイルは誰にしたかと言うと、中国の王皓選手でした。

中ペン(中国式ペンホルダー)で裏面打法をバキバキ打てたら最高と思ったのです。

Eさんは私のように軽いキャラクターではなく、慎重で口数の少ない人物でした。

練習場で誰かに気軽に声をかけ、ラケットを借りて感触を確かめるようなことはせず、ネットの情報やメーカーのカタログをじっくり見ることで新しい用具を決めました。

しかも通販です。

画像とキャッチコピーでイメージを膨らませただけで購入するのは、リスクが高いと言わざるを得ません。

ラケットは馬林カーボン、オモテ面はキョウヒョウ2、ウラ面はファスタークG1でした。

随分思い切った選択ですが、Eさんご本人はこれくらいの決断をしなければと自分に気合を入れる意味もあったそうです。


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 様々な想定外
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いざ注文した製品が届き、ラバーを貼り終えてから素振りをしてみると衝撃が走りました。

当然のごとく以前のラケットと比べると圧倒的に重くなります。

オモテ面のラバーは重さで定評?のある中国粘着ラバーです。

中ペン裏裏の選手は、みんなこんなに重いラケットを振り回しているんだとわかり気が遠くなりそうでした。

こんなヘビーラケットでチキータをすれば、手首や肘を壊してしまいそうです。

また当たり前すぎますが、日ペンのように指を引っ掛けるコルクグリップは有りません。

ラケットを飛ばさないよう握力も必要です。

鉄アレイでも買って鍛える必要がありそうです。

もう購入してしまったので後戻りはできません。

Eさんとしては退路を断つ気分だったのですが、こんなはずじゃなかったという強い後悔の念に襲われました。

そして練習場に出かけ、さらなる難題が判明しました。

私も非常に悩んだ中国粘着ラバーの特殊性でした。

低くて密集した粒に肉厚シートのキョウヒョウ2は初めてのEさん。

ファスタークのように食い込ませて飛ばす打ち方が全くできず面食らいました。


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 バックハンドドライブ
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半泣き状態になりながらも、イメージしていた裏面打法を試してみました。

Eさんはオモテ面ショートの反対だと考え、ラケットを横に向けて裏面で打ち始めました。

私も裏面打法を最初に試みたときは同じ過ちをしていました。

オモテ面でのショートとは別物だと意識を変え、ラケットヘッドを下げなければならないのです。

先端を常に真下に向けておくくらいの心づもりで丁度いいかもしれません。

裏面ドライブを打つ場合は、ヘッドを下に向けたまま中ペンのエラの部分を上に引き上げるような感じで打つことになります。

オモテ面のショートのようにラケットを横に向けるのは、バック前にふわりと浮いたチャンスボールをひっぱたく時ぐらいでしょう。

またミドル処理というイメージできていなかった弱点が、現実問題として理解できました。

利き腕の肩より少し外側に来たボールが最も難しく、それを裏面で処理するならラケットの先端を脇の下に入れるような格好になります。

Eさんはどうすべきか悩んでいるとのことでした。

私と同じ週1回2~3時間程度の練習しかできないため、プレースタイルの切り替えがそこそこ身につくまでどれだけかかるのか考えると、気が滅入りそうとこぼしていました。

私は裏面打法を複数回試みて諦めましたが、Eさんには頑張ってもらいたいです。

Eさんのお話を伺ったのは3月上旬で、その後は世の中が一変したのでお会いできていません。

鉄アレイで鍛え、ラケットを余裕で振り回せるようになったEさんに再会できることを期待しています。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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