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今月下旬の4月26日から、中国の蘇州で世界選手権が開催されます。

主要な大会はその辺の卓球場でもよく話題になります。

先日、練習場所に併設された休憩所のテーブルで、ノートパソコンを使っている人がいました。

その方が世界選手権の情報を閲覧したついでに、昔の試合の動画を数人で見ることになりました。

現在とは異なる部分も多く、中高年の方のコメントを適宜いただきながら、いくつかの映像を視聴しました。


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 ルールや用具の違い
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メインで見ていたのは、1979年にピョンヤンで開催された世界選手権でした。

当時は個人戦と団体戦が同時に開催されていました。

選手の皆さんは試合数が多く、さぞや大変だったことでしょう。

その頃もすでに中国がとても強く、毎回メダルの多くを獲得していました。

しかし男子シングルスでは小野誠治選手が、男子団体ではハンガリーが優勝しました。

メダル独占を狙っていた中国としては、まさかの出来事だったと思います。


ボールの大きさは38mmで、21点制、サーブは5本ごとに交代します。

ラバーの色は両面同色が認められていて、赤と黒以外の色もOKでした。

そのため中国の表ソフトの選手は青いラバーを、裏ソフトの郭躍華選手は茶色のラバーを使っていました。

逆にユニフォームは規制が厳しく、単色でなければなりませんでした。

そしてルールとは関係ありませんが、その頃の流行?で、皆さん体にぴったりフィットしたサイズのユニフォームをまとっていました。

今の感覚からすると、ぴちぴちでキツそうに見え、ショーパンの丈も短めでした。

対戦相手と同色のユニフォームでも問題なく、背中のゼッケンは番号だけが書かれたちっちゃなサイズでした。


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 会場内部と試合の様子
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フェンスで囲ったコートは縦横どちらも今より狭く、案の定ロビングでしのぐために後ろに下がると、フェンスを倒してしまう場面がありました。

コートにはフロアマットは敷かれておらず、床材がむき出しで、卓球台も凝ったデザインの特注版ではなく、市販の普通の台です。

一方、体育館は巨大サイズで、世界選手権をこういった見栄えのする会場で行い、それを内外に誇示する開催国の意図があったのかもしれません。

台の下にはタオルを入れるカゴが置いてあり、点数に関係なくいつでも汗を拭くことができました。

ゲームとゲームの間にラケットを台の上に置いておく必要はなく、ラケットを握ったままベンチでアドバイスを受けていました。

卓球を知らない人が見てもちょっと気になる部分があり、得点表示装置にJAPというアルファベットの略称がありました。

それは日本人を馬鹿にする単語と同じ綴りで、当時は誰も深く考えなかったのでしょうか。


シングルスの試合は小野選手が優勝を決めましたが、対戦相手の郭選手が足の故障で途中棄権した点が残念でした。

苦痛に顔をゆがめ、第4ゲームは太ももに注射を打ってまで続けようとしたのは壮絶でした。


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 技術面での違い
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ボールが小さいので、今よりもラリーが続かずつまらないとおっしゃる方がいました。

確かにある程度そういった傾向は感じられました。

特に団体戦の試合で表ソフトの選手との対戦は、強引な3球目攻撃を仕掛けていき、それが決まるか失敗するかの一か八のように見えたところがありました。

裏ソフト同士だとボールが往復する場面は増えますが、すごいスピードで、これで当時でもカットマンが存在できていたのが驚きです。

ハンガリーの選手はバタフライのスレイバーを貼っていて、「パワードライブ」という言葉がこの時流行ったそうです。

チキータや裏面打法はなく、フォア前のサーブを回りこんでバックハンドで返すといったシーンもありません。

サーブのトスが16cm以上と定められたのは8年後の1987年なので、トスがとても低く今だと違反サーブだらけです。

YGサーブなんてのも当然ないと思っていると、郭選手はそれっぽいサーブをバリエーションの1つとして出していました。

それにしても郭選手は豪快な大振りで、フォアで動きまくって回転量のあるドライブをブンブン叩き込んでいます。

体はそれほど大きくないのに、胸や足の筋肉はムキムキです。

このスタイルで世界選手権のシングルス優勝2回、準優勝2回というのはすごいことです。


この時代の卓球に関する諸々の事情と今を比べると、ほとんどの部分はいろんな議論を経て良い方向に見直されていったと思います。

サーブ、ユニフォーム、赤と黒のラバー、等々、、、

反対に悪くなったことといえば、高くなりすぎた現在の用具の値段でしょうか。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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