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6月は世界選手権に続き、東京オリンピックに関係する卓球ニュースがメディアで報じられました。

今回はそれらについてお話ししたいと思います。


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 盛りすぎ?の世界選手権報道
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少し前に行われた世界選手権で、平野美宇選手がシングルスで銅メダルを獲得しました。

注目の中国選手との対決は、準決勝で丁寧選手に惜しくも敗れました。

1ヶ月前のアジア卓球選手権大会で勝っていたため、世界選手権ではどうなるか、いろんな報道が飛び交っていました。

「丁寧選手は敗戦について反省文を書かされた」「中国は平野さんのコピー選手を4人作って対策を練った」などです。

一方の平野選手は、対策を取られてもそれを上回るプレーで臨むと意気込みを語っていました。

実際に放送された試合を見ましたが、試合の内容は何かすごい変化が起きたわけではありませんでした。

概ね過去に見てきた彼女たちのこれまで通りのプレーです。

漫画や映画であれば、1ヶ月の間に新たな必殺技をマスターし以前とは見違えるような選手に変わっています。

架空の世界ならそれは可能であるどころか、そうでもしないと見る側を引きつけられません。

メディアの報道も言ってみれば漫画や映画と同様で、視聴者をワクワクさせて自分たちの情報発信に関心を持ってもらいたい無責任な部分があります。

現実に選手ができる対策は特に奇をてらったものではありません。

「相手の得点パターンはこれこれで、いかにしてそれを封じるか」「その逆でこちらが有利になる展開とするにはどうすればいいか」といった泥臭いとも言えるやり方でしかないと思います。

対策うんぬんの話から離れ選手のプレースタイルという、より上のレベルになってくると、劇的に変わることはなかなかありません。

例えば17歳の平野選手でも基本部分は2年前3年前とそんなに変わっていません。

全日本の決勝は2年連続で同じ石川選手との対戦でした。

勝敗はそれぞれ逆ですが、2年めは平野選手がより強いボールを確実に決めていったその点が一番の違いとなっています。

女子の試合は裏裏の選手でもテンポの早いラリーが多く、特にバックはミート気味に引っ掛けるということが少なくありません。

平野選手は以前からバックもしっかり回転をかけていくスタイルでした。

両ハンドから積極的に仕掛ける戦法は変わらず、昔はそれがブロックされることが多く、今は威力と精度が向上し撃ち抜けるようになっていったのです。


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 東京五輪で混合ダブルス採用
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混合ダブルスでは、吉村石川ペアが鮮やかな逆転劇で見事金メダルに輝きました。

また、3年後の東京オリンピックに混合ダブルスが追加されることとなりました。

テレビのニュースで「五輪でも金メダルの獲得を」という流れで選手のコメントを報じていたのを見ました。

これについて私は複雑な思いで見ていました。

2つの疑問があり、1つは中国がどういう考えを取るのかということと、もう1つは出場選手の条件です。

1つめの中国については、卓球王国のブログで伊藤条太さんが私の思っていたこと+αのご意見を熱く語っています。

近年中国はメダル独占で白けるのを避けるため、世界選手権でダブルスは戦力控えめにしてきました。

もしオリンピックは全種目真剣モードで挑む方針なら、混合ダブルスのメダルは団体やシングルス同様、他国は残り物のメダルしか取れません。

2つめの出場条件については、種目採用が決まっただけでそれ以上の情報はまだ出ていません。

リオ五輪の際も混合ダブルスが検討されたことがありました。

シングルスに出場しない男女1名ずつが混合ダブルスに出るなら、選手数を増やすことなく実施できるという意見などが出ていたそうです。

もしそうなったなら他国にもチャンスが広がり、銀メダルまでは期待できます。

そして中国以外は、男女シングルスの銅を狙うのか混合ダブルスの銀か銅を狙うのか、どこに注力すべきかあれこれ考えを巡らせるでしょう。

そういうことにはならず、各国2組まで自由に選んだ選手が混合にも出場できると決まった場合は、涙をのんで銅メダルを目指すことになります。

オリンピックで男女のバランスを取りたいという考えと、男女が一緒にプレーするのは好ましいということで、混合ダブルスを実現するのは良いことだと思います。

ただ私はそれなら、団体のダブルスはなくしてもらえないかという思いがあります。

以前にも述べましたが、ダブルスがあるとどうしてもカットマンは起用されにくくなります。

卓球ならではの戦型であるカットマンを、オリンピックの場でアピールできないのは大変もったいないと考えているからです。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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