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今回はドイツの卓球用品メーカ「アンドロ」についてお話しします。

この会社は1987年の創業と比較的新しいメーカです。

一部のアンドロ製品については過去に触れたことがあり、重複する内容もありますがご容赦願います。


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 秀逸なデザイン
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アンドロの製品がイケてると思うのは、何をおいても先ずデザイン力が優れている点です。

2005年に発売されたカーボンラケットは、とても強く印象に残っています。

ブレードの表面は黒い板で、真ん中の芯材は赤く着色した木材を使っています。

グリップ部分は蜂の胴体のような黄色いストライプを施し、シャープで洗練されたイメージでした。

当時、私はそれとは正反対の飾り気のないダーカーのラケットを使っていました。

体育館でそのアンドロ製ラケットを使っている人がいたので、少し触らせてもらいました。

クールなラケットを使っていることに、少し羨ましくなりました。

そして使っているのは小学生だったので、少し憎らしくもなりました。


2009年に発売したユニフォームのデザインも斬新なものでした。

アンドロのロゴを模した大型のパターンを胸の左右に配し、私達が普段目にする卓球ユニフォームとはかなり感じが違います。

なんだかツール・ド・フランスの選手が着用するウェアのようでした。


現在は卓球王国とのコラボレーションで、特製のラケットとラケットケースが販売されています。

ラケットも良いのですが、私が気に入ったのはケースのほうでした。

「a」のメーカロゴを際立たせた個性的なデザインです。

他社の多くのケースはありきたりで、隣に並べるとセンスの違いが一目瞭然です。

カラーバリエーションが3つあり、イチオシはピンクです。

男性にはピンクは若干抵抗があるかもしれませんが、女性には文句なくお勧めです。


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 他にないユニークさ
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ここまでデザインが良いと述べてきました。

それに対し、上述した意味でのデザインには否定的な方がいらっしゃいます。

真のデザイン力というのは、使い勝手の向上などで人々の生活を豊かにすることだというご意見です。

「設計」の概念まで踏み込んだ考えなのでしょう。

それはうわべだけを飾って満足してはいけないという厳しい教えなのか、本来の「design」の意味に忠実にあるべきという考えなのか、いろいろな解釈ができます。

私はそれほど厳格ではなく、単に表面だけを装飾するデザインも評価されていいと思っています。


アンドロ製品で設計的な特徴があるものといえば、キネティックシステムのラケットです。

グリップの中に小さな空間をいくつか設け、その中に粒を入れています。

打球時に粒が動いて衝撃を吸収し、コントロール性能が高まるそうです。

ただはっきり申し上げると、その効果を実感するのは難しいはずです。

「ラケットを振るとシャカシャカ音がして面白い」それだけでも良くはないですか。


もう一つユニークではありますが、実感するのが難しい製品があります。

一部の裏ソフト、表ソフトに、粒の配列が縦目と横目どちらの方向にも貼れるラバーがあります。

ラバーを切る時に、ITTFのマークや商品ロゴなどは残さないといけません。

該当するラバーは縦横2辺に同じマークやロゴが付いているので、どちらかを残して切ればルール上問題はありません。

このアイデアに従い、縦目か横目どちらか自分の好み通りに貼ったとします。

しかしそれとは90度違う方向に貼っていたとしても、両者の違いを実感することは困難だと思います。

ですがキネティックのラケットと同様、買ってから使いはじめるとき、ちょっとしたこだわり感をくすぐられる気持ちがして、結果的に憎い演出になっています。


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 契約選手も個性的
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以前、ドイツのズース選手とウー・ジャドゥー(呉佳多)選手が、アンドロの契約選手ということをご紹介しました。

それより前に契約していた選手で有名な人だったのが、ベルギーのJ.M.セイブ選手でした。
(現在はスウェーデンのスティガ社の契約選手です)

セイブ選手はいつも試合中に、ユニフォームのパンツの裾をたくし上げていて、その格好から「ブルマ」などと呼ばれていました。

アンドロ社の広告で、セイブ選手がラバーのパッケージを手にしているものがありました。

しかしその写真ではユニフォームのパンツを普通に履いた状態だったので、逆に違和感があったことを思い出します。


違和感といえばもう一つあり、フランスのエロワ選手が現在アンドロ社と契約しています。

エロワ選手といえば、言わずと知れた軍配型ラケットの使い手でした。

アンドロに移ってからは、普通の形のラケットを使っています。

「そんなのエロワ選手じゃない」という意見を見かけましたが、私も非常に残念に思いました。

もしかすると、あの形にラバーを切るのに疲れたのでしょうか。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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