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私は練習場で色んな方に気軽に声をかけるのですが、時折それに怒涛の勢いで応えてくれる人がいらっしゃいます。

今回はその中のお一人の話をご紹介いたします。


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 回り込みと飛びつき
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桑田さん(仮名)は、40代とおぼしき男性です。

右利きで私と同じ片面だけにラバーを貼ったペンドラ(ペンホルダーのドライブマン)です。

少し前からご自身に最も適したシューズはどれか、深く考えるようになったそうです。

片面ペンドラはフットワークが生命線であり、他の戦型よりもシューズの選択は吟味を重ねなければならないとおっしゃいます。

通常のすり足の動きに加え、回り込みの際の大きな動きが大切です。

バックサイドを切った鋭いツッツキも豪快に回り込みます。

加えてフォアに大きく飛びつくときは足を交差させ、左足親指の付け根の一点で踏ん張って体をくるりとひねるフットワークが求められます。

豪快なペンドラならではの動きで、私もいやというほど練習しました。

こういう動きに求められるシューズは、グリップ力重視となります。

桑田さんが履いているシューズは、ヨネックスのバドミントンシューズである、パワークッション88ダイヤルでした。


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 ヨネックス推しの理由
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ヨネックスのバドシューズは、ソールの表面に六角形の亀甲パターンを並べたものが主流でした。

最近はそれが変わってきていて、手裏剣のような変形十字パターンを採用したタイプに順次置き換わっています。

ソールが床に触れ単純に押される場合と、接触した状態を保ちながらいずれかの別方向にもひねりがかかる場合があります。

後者の場合、四方向に伸びた手裏剣パターンが床に食いついたまま変形するため、亀甲パターンよりグリップ力が向上しているのだそうです。

桑田さんはこの点に強くそそられ、最終的に購入を決意したと語ってくれました。

またそれ以外にも、ヨネックスのシューズにはカーボンが使われているものがあり、このシューズもその一つです。

カーボンは様々な製品に使われていて、物理的特性もさることながらイケてるハイテク素材を使っていることへの高揚感が得られます。

そしてとどめは、お馴染みのカチカチダイヤルによる締めつけ調整です。

マジックテープではない、ワイヤーとダイヤルによるかっこいい仕組みは、それを使ってみたいという気持ちにさせ、実際とても便利です。

標準小売価格では¥18,150となる高価格帯の製品ですが、桑田さんはこれしかないと思い納得して購入しました。

手裏剣ソールは他のモデルにも採用が広がっていて、カチカチダイヤルではない若干安価なタイプや、デザイン性を重視した別タイプのシューズにもあります。


他にもペンドラ向きのシューズとして桑田さんが候補に上げていたものは、ミズノウェーブクローネオ2フィットという、これもバドシューズになります。

親指付け根周辺のグリップを重視したパターンは、風車や吸盤を思わせ、かかとなど他の部分にはひれ状のパターンを配しています。

ヨネックスのバドシューズと同様、ソールだけ同じ廉価版やファッショナブル仕様もありバリエーションは豊富です。


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 本家卓球シューズのお勧め
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桑田さんも私も、卓球シューズかどうかというこだわりはほとんど、いや全くないと言っていいでしょう。

それでも卓球シューズの中でどれか選ぶとすれば、ミズノのクロスマッチプリオがペンドラ向きかもということでした。

手裏剣パターンとはいかないものの下駄のようなパターン〓で、接触した状態で様々な方向にも力がかかった場合、踏ん張ってくれそうに見えます。

標準価格は¥7,150とお手頃価格なのも嬉しい点です。

ただしメーカーは販売終了としているようで、購入するならショップに在庫のある今のうちとなります。

裏面はオーソドックスな黄土色の一枚ソールで、一見チープにも見える作りは耐久性とコスト削減を両立させたように見えます。

なので桑田さん的には、倹約家+機能重視の方には一押しだそうです。


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 重くて蒸れるシューズ
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さて現在の私のシューズはどれかというと、某メーカーのバスケットボールシューズを履いています。

桑田さんのご意見を参考に、ヨネックスバドシューズの試し履きをしてみ ました。

しかし手裏剣パターンとそうでないものの違いが実感できませんでした。

直近に履いていたシューズは、ソールの黄土色のゴムがぺりぺり剥がれてきて、アッパーとの接合部分にも大きな隙間ができていたのです。

大量生産される工業製品では時にそういう個体もあり、恐らく接着剤の量が少なかったのでしょう。

そういうことが起きないガッチリ一体形成のソールで、グリップ力と耐久性を最優先するとバッシュに辿り着きました。

重さと通気性は犠牲にしています。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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