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前回は練習仲間との雑談を紹介しました。

その中で、ニッタクの選手モデルラケットについて熱く語ってくれた人(Cさん)がいました。

今回はそれだけを抽出してお届けしたいと思います。


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 伊藤美誠カーボン
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Cさんが口火を切ったのは、伊藤美誠選手のラケットについてでした。

商品名:伊藤美誠カーボン、¥25,300、木材5枚+FEカーボン2枚

ほぼ同じ製品としてアコースティックカーボンというラケットがあります。

伊藤選手はこのアコースティックカーボンを長らく使っていました。

双方のラケットは実質的にほぼ同じで、伊藤選手モデル向けに外観を変えたものが選手モデルになったという捉え方で構いません。

アコースティックカーボンの標準小売価格は税込みで¥22,000です。

つまり選手モデルは¥3,300のプレミアムがついた製品ということです。

これはバタフライの選手モデルラケットによく見られたパターンです。

「見られた」と過去形になっているのは、選手モデルは価格を少し上乗せするというやり方が、今は必ずしも当てはまらなくなってきているためです。

まあそれでも伊藤選手のラケットについては、ロングセラーで実績もあるラケットをアレンジした、手堅い製品化手法だとCさんは論評していました。


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 Hina Hayata H2
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続いては少し前に出た、早田ひな選手のラケットです。

商品名:Hina Hayata H2、¥33,000、木材5枚+ケブラーカーボン2枚

Cさんはこれについて、製品企画の詰めが甘いという厳し目の指摘を述べていました。

多くの方が感じるのは、末尾についた「H2」のもどかしさです。

名字も名前もHから始まるので、Hが2つという意味は当然わかります。

よくわからないのは、なぜそれをH2という形でおしりに追加したのか。

選手名だけのネーミングではありきたり感があり、何か斬新さとかキャッチーなものに仕立てたかった思いが透けて見えます。

そういう余計なひねりは加えず、素直に「早田ひな」と本人の名前にしておけばよかったのに、というのは私も同意見です。

またラバーを貼ってしまえば見えませんが、ブレードの中央にアイコン的なイラストが配されています。

ラケットに稲妻マークを重ね、ボールを模した丸にH2(水素分子のように小さい2が右上)の文字があります。

稲妻(電気)と水素はトヨタの燃料電池車ミライを想像させますが、これはニッタクの卓球ラケットです。

これについてあまり深く考えてはいけないのでしょうか。

製品開発の現場では、いろいろな人から意見を取り入れ過ぎると、当たり障りのないものに仕上がってしまう負の側面があることは認めます。

でもこのケースはそんなに練られることなく話が進んだ例のように思えます。

救いなのはこのイラストはラバーで隠れてしまうことです。

そしてグリップは落ち着いた色使いかつ上品で好感が持てます。


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 キョウヒョウ龍5
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数々の大会で金メダルを総なめにした偉大なチャンピオン、馬龍選手のラケットです。

商品名:キョウヒョウ龍5、¥44,000、木材5枚+アリールカーボン2枚

作っているのは中国の卓球用具メーカー紅双喜で、ニッタクと業務提携をしています。

このラケットには日本卓球協会の承認であるJTTAAの刻印が追加されています。

高級品だけあって化粧箱は凝っており、蓋付きの真っ赤な箱には馬龍選手の顔が大きく印刷されています。

このラケットの特徴は、選手の顔写真がグリップエンドにはめ込まれていることです。

選手名ラケットであることを強烈にアピールして、販売につなげようとしているメーカーの意気込みが伝わってきます。

恐らく馬龍選手としては、ここまでクセ強の製品は望んでいないのではとお察ししますが、営業側からの熱意で押し切られたのかもしれません。

ここまで高いとコピー品が出る恐れがあります。

グリップの側面には製造番号が入っており、保証書のQRコードなどともに本物かどうかが確認できる仕組みになっているようです。

本家紅双喜の馬龍ラケットにはいくつかのタイプがありますが、ニッタクが扱っているのは1種類でフレアグリップのみです。

上級選手でこのラケットを使っている人は何名もいらっしゃるので、基本的な性能や品質は高いのでしょう。

しかしそれでもこのラケットは、馬龍選手に対する憧れを強く感じる人のために製品化された要素が大きいと言えます。

最も典型的なプロモーションが行われている熱いラケットであると、Cさんは分析をされていました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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