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粘着ラバーと一般的な裏ソフトラバーを比較するため、試し打ちをしてみました。

今回はその際の感想をお話いたします。


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 「粘着」の解釈は人によって異なる
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初級者の方にも分かりやすいよう、基本的なところからご説明いたします。

粘着ラバーとは名前の通り、平らなシートの表面がしっとりとして引っかかりが強い裏ソフトラバーを指します。

特にちまたで、あるいは用具マニアの間で「中国粘着」と呼ばれている製品は、粘着力だけでなくシートの形状にも特徴があります。

スポンジに接する粒が低く、太く、密集しています。

そしてシートの平らな部分は分厚くなっています。

よって一般的な裏ソフトを見慣れた方がこの手のラバーの断面を見ると、粒の存在がわからず、スポンジに平らなゴムシートだけが貼り付いたように見えてしまうかもしれません。

中国製の粘着ラバーの中には、粒が高く細く間隔が広いタイプも少数ながら存在します。

今回取り上げる粘着ラバーは、多数派である典型的な肉厚の中国粘着ラバーということにさせていただきます。

またそのへんの卓球愛好家レベルの実力でしかない私が使ってみた感想である、ということもご理解いただければと思います。


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 粘着ありなし2つの中国製ラバー
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今回使った粘着ラバー:2015(TUTTLE社の2015蘭色火焔)

比較対象としたラバー:モファ(BOMB社のMopha)


どちらもテンション効果のある、分厚くてぱふぱふのスポンジがついたラバーです。

ラケットに貼った状態で人差し指で押さえると、2015のほうは硬めでもう一方のモファは指がほのかにめり込む感じがあります。

それはゴムシートの硬さの差というよりも、シートとスポンジの間の空間の差のように思われます。

そして指を離す瞬間、2015のほうが粘着ラバーというだけのことはあり強めの吸着感があります。

ラバーの保護シートを両者に貼ると、2015にはピタッとくっつきます。

1本のラケットの両面にこの2つのラバーを貼った状態で、実際にボールを打ってみました。

ちなみに私はペンホルダーなので、ペン持ちして打った感想となります。


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 打ち比べてみた感想
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両者の差異を強く感じたのは意外にもオモテ面でのバックショートでした。

粘着ではないモファのほうが、ボールがラバーにしっかりと食い込み安定します。

粘着の2015はそういう溜めの感じが乏しいため、抑えにくくかつ返球が棒球になってしまっているように思えました。

ショートほどではありませんが、やはり結構な違いを感じたのはフォアでした。

モファはボールがシートに当たって「ぐにょっ」とめり込み、その変形した部分が元に戻る「ひきつれ効果」がしっかりと伝わってきます。

2015はひきつれが希薄で、ラバーを指で押したときと同様、ゴムシートが硬いような印象を抱いてしまいがちです。

ただこれまでにも少し中国粘着は使ったことはあり、そこから感じていた強い拒絶感は今回の試用で薄れました。

なんとなくですが、軽打ではミート打ちか表面でこする打ち方をし、強打ではぶつけた瞬間に回転をかける方法ができそうな感触があったのです。

ネットなどで言われている中国粘着的打ち方が、わかりかけた気分になったのです。


強打できた時は「パキッ」と甲高い音が鳴ります。

これは昔、弾む接着剤を塗っていた時の金属音と同じ理屈で発生する音だと聞いたことがあります。

昔はシンナーもどきの溶剤をスポンジに塗ることが許されていました。

スポンジの気泡の中に蒸発した気体が留まり、それが打球の際つぶされて独特の音が出ていたのです。

中国粘着も密集した粒の間に狭い空間があり、その中に閉じ込められた空気が強打でつぶされて音が出ているようです。

サーブやツッツキは使い勝手ではあまり違いはなく、出せるボールはやはり粘着のほうが切れている感じはありました。


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 選択に際しての考え方
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総合的にはどちらが良いかと問われると、やはり私はモファのほうが絶対お勧めだと思います。

用具に詳しい人の間で「オート系」などと言われる表現があります。

いろんな打法がやりやすく、何でもそれなりにできてしまうオートマチック的という意味なのでしょう。

そういう使いやすさがモファにはあります。

2015の場合「肉厚の中国粘着なんだ」という意識を常に持ちながら打たなければなりませんでした。

クセ強のラバーなのです。

それが自分にマッチするか、あるいは相手にやり辛さを与えられるなら選択肢になり得るのですが、今の私にそういう部分は見当たりません。

以上が今回、私が試打を行った感想です。

ですが、粘着を使っている人は私の周りでも増えつつあるのは事実です。

好奇心旺盛な方は一度試してみてもいいと思います。

それでは、また次号をお楽しみに。

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