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今回も前回に引き続き、卓球王国2021年5月号の内容についてお話ししたいと思います。

私が興味を惹かれた特集の2つ目は「武者修行で強くなる、可愛い子には旅をさせろ」です。

内容はヨーロッパの卓球リーグを経験した、日本男子のトップ選手6名についてのインタビュー記事でした。

現地で経験した様々な出来事が、ご自身の競技技術や精神面、そして人間としていかに成長の糧となったかが紹介されています。

最初にざっと読んだあとの感想は、やはり世界で活躍できるレベルになるにはこういった環境に身を置いたりしないといけないのかという驚きでした。

ただしばらく経ったあと、私の考えは少しづつ変化していきました。

取材を受けた方々の欧州での経験には、いくつかの側面があると思ったのです。


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 日本では出会えない選手との交流
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まず本職である競技技術の向上そのものについては納得ができます。

1つはレベルの高い選手の中で揉まれるということ。

そしてもう1つは、いろいろな選手と当たることで対応力に幅が出るということです。

卓球に限らず他のスポーツでも類似の体験談はよく耳にしたことはあります。

そして意外にも、eスポーツと言われる分野でも当てはまることがあるのです。

対戦型の格闘ゲームなのですが、当初私はそのようなものならバリエーションなどたかが知れていると思っていました。

なぜなら生身の人間が物理的なボールを打球し合う対戦とは異なり、レバーとボタン操作だけに抽象化されたデジタルの世界です。

いくら競技者に個性の幅はあっても限定的と思っていたのです。

ところが日本の上級競技者が、パキスタンの選手に圧倒されしまった例などがあります。

日本人のプレーとは明らかな違いがあり、面食らってしまったのです。


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 何もかも日本と異なる環境
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さて武者修行の話を別の角度から眺めてみると、一概に卓球だけには限らないと思えるものは他にもありました。

例えば何百キロのもの長時間を車で移動し、試合会場に着いてから短時間で試合に望んだエピソードが紹介されています。

それは確かに前日現地入りして翌日ホテルから会場に向かうような、私達が思い描くパターンとは異なります。

なるほど大変なことでタフさが求められます。

会場の環境が様々でもそれらを受け入れ、自分自身が移動で疲れていることも言い訳できず、とにかく勝つことが求められるシビアな世界は、私達の想像が及ばないことは認めます。

しかし卓球に限ったわけではありません。

私が聞いた話では、ある日本のプロレス選手が中南米に滞在しそこで試合をした経験でも多くの苦労をされていました。

言葉や食事、文化や社会情勢、あらゆる部分に違いがあり、戸惑いやトラブルは必ず起きます。

そしてもう少し範囲を広げ、ビジネスマンでも海外勤務となると程度の差はあれ似たような経験は否が応でも積むことになります。

オフィス勤務のプログラマーならギャップは少なそうですが、商社マンで鉱物資源の採掘担当あたりになると耐えられる人は限られてきそうです。

従ってヨーロッパリーグに参戦したトッププレーヤーのお話で、環境や生活面での対応力が養われる点は、他にも共通することだと理解しました。


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 私には決して真似のできない点
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ここまで私の感想を読まれて「なんだ卓球選手といっても特別変わったことではないと言いたいのか」と思われたかもしれません。

今回の卓球王国で紹介された多くの方に共通するのは、中高生というかなり若い時期に海外に住みプレーしていた点です。

これも卓球選手だけではないと言われればそうですが、かなり特殊なことであり、私はここに最も衝撃を受けました。

森薗選手に至っては中学一年生の冬にドイツ生活を始めたとあります。

その頃の自分を振り返ってみると、鼻は垂らしていなかったと思いますが、親元を離れ外国で生活なんて絶対できっこなかったと断言できます。

一週間で精神崩壊するでしょう。

考えてもみてください。

中1なんて人格も固まっていないし、あえて俗っぽい表現を使わせてもらいますが、まだまだ全然何もできない「ガキ」ですよ。

いくら熱く燃えたぎるような卓球への情熱があっても、私には無理過ぎます。

高3でも厳しいと思います。

従って非常に偏った私の感想としては「中高生でヨーロッパに行った皆さんは凄すぎます」ということでした。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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