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今回はボールの軌道についてお話したいと思います。

辞書で「軌道」という単語を引くと、いくつかの意味が列記されています。

卓球の場合はその内の以下が該当します。

「物体が何らかの力に作用されて運動する際に描く一定の経路」


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 ドライブのメリット
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昨年開催されたリオ五輪で女子は宮崎義仁さんが解説をしていました。

日本vsドイツ団体戦の第三試合は石川選手とシャン・シャオナ選手の対戦でした。

その中で宮崎さんは二人の打球特性について触れていました。

石川選手は裏ソフトラバーで回転をかけたボールを返します。

その軌道は弧線を描き相手コート上に落ちるため制御がしやすくなります。

一方表ソフトを使っているシャン選手は、それほど回転をかけずフラットな打ち方となります。

石川選手の返球と比較するとあまり前進回転がかかっておらず、ボールはすーっと飛んでいく感じになります。

両者のこの打球の差は返球の精度につながり、ラリー本数が増えれば石川選手に有利になると説明していました。


現在、趣味の卓球をモットーとしている私はいろいろな種類のラバーを使っています。

裏ソフトは打点が落ちても引っ掛けて回転をかければ返しやすいという特徴があります。

そして宮崎さんの解説の通り、回転をかけたボールは相手の台上に曲線を描いて落ちてくれます。

練習場で指導員の人は時々「ボールの弧線を意識するように」とアドバイスしていることがあります。

ドライブ回転をかけたボールの軌跡は弧を描きますが、その弧線の頂点が自分のコートの上になるようにイメージして打てば、返球率を上げる概念としてつかみやすいかもしれませんね。


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 飛行速度による軌道の違い
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カットマンがバックスピンをかけて返すボールは、ドライブ回転とは違った軌道を描きます。

最初はヒュルルルと飛んでいき、台を超えてしまわず見事に手前に着地します。

最初の「ヒュルルル」のときは、いわゆる「マグヌス効果」が働いていると言われています。

ボールの飛行速度がそれなりにある「ヒュルルル」時は、バックスピンをかけられたボールに揚力(浮き上がる力)が働きます。

これは一般的に理解されているマグヌス効果の理論と一致した動きです。

ところが飛行速度が落ちた場合は逆に下降させる力が働くそうです。

「ヒュルルル」が終わり「フワッ、ポトッ」の時が該当します。

先日ある方から空力シミュレーションの資料を見せてもらい、まさにカットマンが返球してくるボールにぴったり当てはまっていて驚きました。

速度による違いは、風洞実験とコンピュータのシミュレーション双方で実証されているとのことです。

ドライブ回転のボールはカットされたボールほどには失速しないため、弧を描いてコートに突き刺さるように飛んでいると解釈すればよいのでしょうか。

資料を見せてくださった人に再度お会いする機会があれば、是非質問をしてみたいと考えています。

私は物理法則には詳しくありませんが、大変興味深い話を聞かせてもらえました。


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 回転を読んで軌道を抑える
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卓球という競技は回転を読むことがとても重要です。

その能力が最高に要求される場面がレシーブです。

少し前にある方と練習をしていて、面白いように三球目攻撃を決められてしまいました。

私のレシーブが甘く浮いてしまっているためでした。

下回転と斜め下回転の違いがわからず、最初はネットに掛けてしまうかオーバーミスのどちらかでした。

そこで私は「まずは相手コートのどこでもいいから、とにかくこのボールを入れるんだ」という行動を取りました。

その判断に対する結果は間違っていませんでした。

ただいずれも絶好球が返ってしまい強打の餌食でした。

相手の方からいただいた意見は次のようなものでした。

「とにかく相手コートに入れようと、そればかりの返球になるのは止めたほうがよい」

「相手が初級者なら、入れるだけの返球でも三球目攻撃をミスすることはそれなりにある」

「しかし中級レベルになると、甘いボールは全て一撃で決められてしまう」

結論としては、回転を読み厳しい軌道・コースで返すしかないとのことでした。

いやー、難しいですね。

それに回転が読めたとしても、その人のサーブってギュンギュンの回転がかかっていて恐ろしいんですよ。

仕事でも「君は『一応』とか『とりあえず』が多いね」と言われたことがあり、優柔不断なのは何をやっても出てしまうんですね。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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