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今回は、ある卓球場に初めて行った時のことをお話ししたいと思います。


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 初級者のお悩み
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その日だけ特別な料金設定になっていて、定額を払えば朝から夕方まで自由に使えました。

そこで30歳位の男性と打ち始めることになりました。

お名前はわからないので、太田さんということにしておきます。

使っているのはVICTASの松下モデルのラケットでした。

松下モデルは全てカットマン用のラケットです。

いろんなバリエーションがあり、太田さんが使っていたのは攻撃重視の比較的弾むタイプでした。

従ってカットマンではなくても選択する人がそれなりにいます。

太田さんはそういう一人でした。

ラケットが大きいと、たとえスカ当たりでも何回か一回は相手コートに入る確率は上がります。

その反面、重くなり扱いづらくなるという短所が伴います。

太田さんのプレーはコートからやや距離を取り、堅実に両ハンドドライブを入れてきます。

私のように時折高速ロングサーブを出し、返ってきたボールを一か八かの無茶打ちスマッシュで叩き込むといった愚行はしません。

おそらく衝動買いなんかもしない人なんでしょうと言ってしまいそうになりますが、そこまでは流石にわかりかねます。

練習途中で太田さんは「私はスマッシュが打てないんです」と、悩みを打ち明けてくれました。

これまでにもご本人なりに、何がよろしくないのかあれこれ考えたそうです。

1)スマッシュに結びつける展開にならない

安定性重視のため、人よりもボール2個分待つような感じで打点が低め。

2)ラケットが重すぎる

カットマン用の大きなラケットの両面に分厚いラバーを貼っています。

そのくせ痩せていて筋力がなく鋭いスイングができない。

3)スマッシュのスイングができていない

ツッツキとドライブというボールをこすって打つ二択の打ち方だけになっている。

私はなんとなく、3)の原因が大きそうな感じがしました。

最初の肩慣らしのフォア打ちでも、太田さんは打点を落としたドライブばかりを打っていたからです。


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 常にボールをこすってしまう
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現状を確認するため太田さんにふわりと棒球を送ると、半分ドライブがかかった「びしゃっ」とコネた感じのスマッシュもどきを打ってきます。

ネット際に短く浮いたボールでは、バックスピンをかけて高速カチコミツッツキにすることが多いそうです。

私もたまにやることはあります。

でもそれは相手の読みを外すという目的で用い、直後に再度返ってくるチャンスボールを狙うためです。

太田さんのような初級者でスマッシュが打てないという話は時々耳にします。

ですので、ある一定の割合で陥る人が出る症状なのだと思っています。

そのためちゃんとした指導知識のある方なら、的確な改善方法を瞬時に見いだせるはずです。

しかし私はそうではなく、何をどうすればよいのか今一つわかりません。

太田さんのコネたスマッシュは良くない、というのが認識できているところで止まってしまっているのです。


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 核心を突いたアドバイス
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パチンとミート打ちできる感覚をつかむため、一時的に1枚ラバーで打つといった提案をすべなのでしょうか。

薄っぺらい思いつきを口にする無責任さは慎まなければなりません。

外国語を教える場合も、ネイティブスピーカーに教わるメリットがある一方、語学の教え方を知っている人でないとだめな例をいくつか実感したことがあります。

なんだかそれに似た感じに襲われ愕然としてしまいました。

どうすることが最善の解決策なのかはわからず、それを正直に伝えました。

そして単なる思いつきかもしれないという断りをつけた上で、いくつかの案を出してみました。

唯一ロビングを上げられた場面のスマッシュについては、ある指導員から聞いたやり方をそのまま伝えました。

ボールが落ちてくる場所に体を横向きにして構えて待ち、肩の高さのところで上から下に打ち下ろす方法です。

その日は帰りの電車の中で、教え方も教わる必要があるのだということを強く感じました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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