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今回はサーブについてお話しします。

初級者の方で上手い人のサーブを全く返せず、それがトラウマになってしまった方もいると思います。

まず、どんな回転がかかっているのか、いくら目を凝らしても分からず、また、どう返せばいいのかもさっぱり分からない・・・

そこで悩んだ挙句、レシーブだけのために裏面に粒高ラバーを貼ったという人もいます。
(私は現実的な対処方法として、それもアリだと思います)

教科書的な回答としては、いろんなパターンを学習し、慣れるということになります。

しかし相手のサーブが分からないというのは初級者だけでなく、トップ選手でも人により程度の差はあれ同じ悩みを抱えています。

ペンはシェークより比較的台上のボールを扱いやすいと言われていますが、日本を代表するペンドラの吉田海偉選手は少し苦手としていて、水谷選手に何度も3球目攻撃を浴びせられるシーンを見ていると、サーブ・レシーブの大切さがよく分かります。


甘く返ってきた球を3球目攻撃で決める以前に、もうサーブだけで連続得点してしまう選手もいます。

お馴染みの福岡春菜選手は、独特の王子サーブで翻弄し、空振りしてしまう選手もいました。

あのサーブを出すときは、人差し指を親指側に回した握りに変えているそうです。

また宮崎監督は現役時代、バックハンドからのサーブを強力な武器としていて、サーブを出したらほとんどボールが返ってこなかった試合もあったというのが驚きです。


正に「魔球」と呼べるそのようなサーブは別格として、初級者の方が少しでも慣れてもらえるよう、私はレシーブが苦手な方には、サーブを出す前に予めどういう回転かを宣言してから出すようにしています。

よくあるのが、初級者の方には下回転だけを出すパターンですが、これはあまりよくないと思います。

色んなサーブを混ぜて返し方のバリエーションを増やしてもらうことが、技術の向上につながります。


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 ワンポイントアドバイス
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サーブに関し、これまでにワンポイントアドバイスとして教えたり、教えてもらった小ネタがありますので、いくつかご紹介します。


◆◆ レシーブミスした直後は、逆のサーブを出す ◆◆

相手が下回転をネットに引っ掛けたら、次はナックルを出し逆にナックルを浮かせたら、次は下回転を出すという方法です。

ミスをしたことに対する人間の行動パターンを逆手に取ります。


◆◆ シェークの選手にはミドル前へ ◆◆

ミドル前に短いサーブを出すのは定石です。

時々テレビの解説などで体の前をミドルと言っている場合があります。

しかし実際に確かめてみれば、利き腕の肩のあたりが一番球を扱いにくく、そこがミドルということが分かります。

普段、子供をしかるときに「自分がやられたら嫌なことは人にやらないように」と言いますが、まさにその逆ですね。

カットマンにはそのサーブを出して台に寄せておき、3球目ドライブを再度相手のミドルに打つのが攻略法の一つとなっています。


◆◆ (左利きには)フォアサイドを切るサーブを ◆◆

利き腕が違う選手には、フォアサイドを切るサーブを混ぜると有効です。

私はこれを左利きの選手から何度もやられたことがあります。

フォアサイドを切って外側に逃げていく斜め下回転のサーブを出され、それを必死に持ち上げて返しますが、クロス方向につなぎのドライブで返すことが多くなります。

その球を相手はスマッシュを叩きこむ準備をして待っています。


◆◆ フェイクモーション ◆◆

下回転とナックルを混ぜるのは定番で、初級者にはよく効く場合があります。

しかし中級者にはすぐわかってしまいますので、フェイクモーションを混ぜたりします。

一例としては、打球後にラケットを振り上げるモーションを追加する方法があります。

張一博選手がよくやりますし、馬琳選手、パーソン選手も使っています。


◆◆ サーブのフォームは周りの人にチェックしてもらう ◆◆

どの選手も自分のサーブは絶対問題ないと思っています。

そのため、試合で注意されると驚き、強硬に抗議したりイライラしてしまう選手もいます。

ここ最近の試合の動画を見ていても、日本のY選手、F選手、シンガポールのW選手などが注意され、それに対するあまり好ましくない態度を見て嫌な思いをしました。

注意する点

・トスを上げる手のひらをちゃんと開くこと
・体やフリーハンドでボールが隠れないこと
・トスは16cm以上あげること

この3つが指摘されることが多く、その他には、

・トスを上げる前に一旦静止すること
・床を蹴って大きな音を出さないこと

が注意されるケースがあります。

私が疑問に思うのは「ぎりぎりセーフかな」と思うサーブを出している人がチラホラいるということです。

そういうサーブは審判によっては違反と見なされる可能性があり、何度も注意される選手は明らかに自分に問題があることを認識すべきです。

トップ選手なのですから、そのようなトラブルの元となる芽は予め摘んでおくべきであり、周りのコーチも忌憚なく注意をすればいいと思います。

韓国のカットマン、チュ・セヒュク選手などは、模範的なサーブを出すので好感が持てます。

あの礼儀正しいサーブを見ていると、性格まで同じように思えてしまいます。


◆◆ 違反サーブだと思ったときは、最初から異議を唱える ◆◆

試合の山場で言うと「なぜこのタイミングで言い出すんだ」とこじれることがあります。


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 サーブに関するルール変更
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以前、これまでのルール改正は、ラリーを増やすことを目的としたものが多かったと言いました。

その中にはサーブの威力を弱める改正もありました。

ルールの中で工夫して、相手を惑わすのは卑怯な行為でもなんでもありません。

しかしその許された範囲内の行為で、競技がつまらなくなってしまえば残念なことです。

それは選手が悪いのではなく、ルールが適切ではないということです。

現在もサーブの威力は大きく、様々な意見があります。

・シングルスもダブルスのように半面から出してはどうか
・台から50cm離れてサーブを出すようにしてはどうか

などの意見を見たことがあります。

50cm離れて出すのはユニークだと思いますが、いずれにせよ私ももう少しサーブの威力が少なくなった方がいいと思います。

ただ、ルールを変えることは、その競技のバランスが崩れることにもなりかねません。

新しい対応技が生み出されたり、用具のトレンドが変わったりするといった影響もあるでしょうし、場合によっては選手生命を絶たれる人が出るということもあります。

サーブの威力を弱めラリーが続くようになるのは賛成ですが、戦型の多様性が更に失われていくことがないことを祈りたいです。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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