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定番シリーズの巷にいらっしゃる、ある卓球愛好家をご紹介したいと思います。

私は情緒的な人物より論理的な人のほうが好きで、これまでにもそういう方を取り上げたことがあります。

今回ご登場いただくのは独特の理念をお持ちのケンさん(仮名)です。


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 0か1かのデジタル思考
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卓球のイメージは、向かい合った競技者がピン球をパシパシ打ち合うスポーツを思い浮かべる方が多いと思います。

実際はどうかと言うと、そういう場面もありますがレシーブを打ち損なって終わりや、3球目攻撃を決めて終わりというパターンがかなりあります。

それは初級レベルの試合だけでなく、全日本選手権の本戦のような上級者揃いの状況でも珍しくない光景です。

ケンさんは何事にもありのままを直視する方で、卓球についてもこのことをシビアに捉えていました。

カットマンとの対戦を除き、卓球にラリーを期待してはいけないというお考えです。

一撃必殺の攻撃と、それが無理な場面でのつなぎやブロック、この2つを単純に使い分けるだけのデジタル思考をされています。

そういう人物が試合をするとどういう流れになるでしょうか。


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 荒っぽい展開
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普通の人は下回転系のショートサーブを中心に出します。

しかしケンさんは長めのサーブ比率がかなり多く、ギュンギュンに横回転を効かせたYGサーブを得点源の1つとしています。

まずはサーブで点を取ることを目指し、返されても相手はツッツキができないボールなので長く返ってきた3球目を叩き込むことができます。

私が審判をしていた試合は、ケンさんとフランスのガシアン選手のような左利きの人でした。

ガシアン選手は横系のサーブを多用し、強引なのけぞりドライブで世界チャンピオンになりました。

そういう感じの2人の試合は当然ラリーなんてほとんどありません。

お互い強気のレシーブでミスが多い反面、カウンターをカウンターで返すすごいパターンも何度かありました。


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 勝つための効率的取り組み
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試合の後ケンさんはその人に自分の何が効いて、何が効いていなかったか質問していました。

続いて十八番のサーブを連続で出してもらい、それを払っていく練習をしていました。

ケンさんが重視しているのは戦術だけでなく、感覚や気持ちがホットな状態で残っている間に効率的に吸収しようとすることでした。

アドバイスを求めても、たまに社交辞令のような返答が返ってくることはあります。

しかし本当に自分が今した試合についての意見は大切だと考えていて、ためになる助言が仮に3割位だったとしてもそれは胸に刺さるとしています。

逆に露骨に嫌っているのは、だらだらラリー、ランニング、筋トレです。

ランニングは基礎体力をつける効果は分かっていますが、卓球では優先度が低く、ランニングする時間があれば多球練習をすべきと断言しています。

フットワークもランダムパターンで左右往復は意味無しとのこと。

また続けるフットワークでは意味がなく、全部決め球で返すつもりで、それができないときはつなぎという前述のデジタル思考で取り組んでいます。

思ったことを率直に口にするケンさんは、ローテーションで球拾いするのは嫌なのだそうです。

動画を見るのはとても参考になるので、球拾いの無駄な時間は動画を見たいとこぼしていました。


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 ルールのあり方に思いを馳せる
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ケンさんの考えの多くは理解でき、なるほどとても現実的です。

ドライブの引き合いなんて幻想というのも間違いではないでしょう。

伊藤美誠選手のようなバキバキバキで終わる短い展開は沢山あります。

最初に述べたボールの往復が続く卓球に補正しようと、これまでにいろいろなルール改正が行われてきました。

それは確かに効果を上げましたが、それでも短い打球回数でプレーを極めようと取り組む人はいます。

そこから考えると、大きなボール、高いネット、回転を抑えた表ソフト、という3つのハードル(?)を設けたラージボール卓球はなるほどと思ってしまいます。

逆説的に考えると40mm卓球のツボを見事に突いているのです。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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