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1970-80年代、東欧のハンガリーにヨニエル、クランパ、ゲルゲリーという3名の名選手がいました。

彼らは世界選手権の男子団体戦で中国を破るほど強く、ハンガリー三銃士と呼ばれました。


現在、韓国男子にも有名な3名の選手がいて、韓国三銃士と呼ぶ人がいます。

柳承敏(ユ・スンミン:Ryu Seung Min)

呉尚垠(オ・サンウン:Oh Sang Eun)

朱世赫(チュ・セヒュク:Joo Se Hyuk)

の3名です。

同じ三銃士でも、ハンガリー版と韓国版では選手の戦型構成が異なります。

ハンガリーの三銃士は、全員がシェークハンドのドライブ型選手です。

一方、韓国の三銃士は、それぞれが違ったスタイルです。

彼らは「ベテラン」と言われていますが、これは長年韓国男子のトップであり続けていることや、年齢的にそろそろ次世代にバトンタッチすべき時期に差し掛かっている意味も含まれていると思います。

今後もどこまでこの三銃士の時代が続くかは微妙な状況ですが、今回はこの3名の選手を紹介したいと思います。


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 柳承敏(ユ・スンミン:Ryu Seung Min)選手
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右利きのペンホルダードライブマンです。

日本式の角型単板ラケットを使っていて、片面だけにラバーを貼っている伝統的なスタイルです。

サーブは全てフォアから出し、往年の日本のペンドラ選手のようにバックハンドサーブは使いません。

この選手はドライブの連打より、どちらかというと一発の強打で決めにいく傾向があるように思います。

レシーブをする際、台の端といいますか、両足が台のサイドラインよりもさらに外側になる場所に構えます。

私が普段を練習をご一緒させていただく方に、こういう構えをする人はいません。

ペンドラの上級選手によくある構えで、たまに遭遇すると久しぶりに見たという気持ちになります。

初級者の方が見ると、こんなにフォアがガラ空きで大丈夫なの?と、びっくりするでしょう。

ユスンミン選手は素晴らしいフットワークで動いて動いて打ちまくり、2004年のアテネオリンピックでは、男子シングルスで金メダルを獲得しました。

ペンで両面を使う選手と片面だけの選手の試合を見ると、いろんなシーンで両面使いの選手の方がいかに合理的であるかを痛感することがあります。

しかしこのアテネの決勝は、裏面打法のスペシャリスト王皓選手のバックハンドドライブを回りこんで打ち抜く場面もあり、大変感動しました。


非常に激しい落差のある話で恐縮ですが、私も某市民大会で現役高校生の裏面ドライブを強引に回りこみ、カウンタースマッシュを決めた瞬間、周囲から驚きの声が上がり、快感がこみ上げてきたのを思い出します。

マグレとも言いますが・・・


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 呉尚垠(オ・サンウン:Oh Sang Eun)選手
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右利きでシェークハンドのドライブマンです。

2005年の世界選手権男子シングルスでベスト4に輝きました。

身長もそれなりにあり、カモシカのようなすごい脚をしています。

ただし卓球のスタイルは、コンパクトな省エネタイプのような感じがします。

非常にきちっとしたフォームで、教科書的です。

シェーク攻撃型の選手でお手本とするのなら、この選手が一番いいのではないでしょうか。

私のわがままな意見なんですが、もう少し個性的な所があれば、見る側としては面白いのにと思っています。

ちょっと小柄なギリシャのクレアンガ選手や、中国の劉国正選手などが、豪快なフォームでラケットをブンブン大振りしているのは、見応えがありました。

オサンウン選手のあの体格で、ムチャ振りしてきたら怖そうですが、紳士的な性格なのか、乱れることはないようです。


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 朱世赫(チュ・セヒュク:Joo Se Hyuk)選手
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右利きフォア裏ソフト、バック粒高の今や世界を代表するカットマンです。

2003年の世界選手権男子シングルスで準優勝しました。

彼は、攻撃力をアップした今風のカットマンらしい構えをとります。

伝統的なカットマンの構えは、攻撃型の選手とは逆に、利き足を前に出して台の中央に構えます。

チュ選手は、ややバック寄りに構え、攻撃型の選手と同様、利き足を後にして構えます。

そして昔ならカットマンは、弾みを押さえたラケットに、同じく弾みを抑えたスポンジが薄めの裏ソフトを使うのが定番でした。

今でも、ラケットは比較的弾みを押さえたものを使う選手が多いという点は同じです。

ところがラバーは、チュ選手のように弾みを増したテンションラバーを貼るカットマンも増えています。

確かに攻撃力は上がるでしょうが、レシーブやカットは難しくなります。

私はカットマンではないので詳しくはわかりませんが、より一層の鋭いスイングで相手のドライブを抑えこんでいるのだと考えています。


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 ポスト三銃士
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今、卓球は中国が圧倒的な力でほとんどのタイトルを独占しています。

そういった状況でも、これまで韓国は時折そこに食い込んでいったことがありました。

次を担いそうな選手がいない訳ではありません。

しかし現在の三銃士のようなレベルになりそうな選手となると、まだ難しい感じがします。

別な点では、韓国の卓球協会が内部で揉めて時々混乱しているのが残念です。

日本にとってライバルが強くなると、メダルの獲得に大きな影響があります。

でも卓球全体のことを考えると、韓国にも新たな強い選手が出てきて欲しいところです。


また、極めて私的な意見ですが、日本式ペンホルダーは本家日本では絶滅が危惧されています。

韓国ではかろうじてランキング上位の選手が、

ユナムキュ選手→ キムテクス選手→ ユスンミン選手→ イジョンウ選手

と続いており、角型日ペンのドライブマンの存亡は韓国にかかっているかのように思えてしまいます。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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