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今回はご自身のプレースタイルを変えてみた方をご紹介いたします。

フリーの練習場で出会った方のため、お名前はわかりません。

いつものように有名人のお名前を拝借すると、某お笑いコンビの方にほんの少し雰囲気が似ていたので、川島さんということにしておきます。


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 自由に決められなかった戦型
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川島さんは50代と思われる男性で、戦型は絶滅危惧種のペン表ソフトです。

本人はカットマンになりたかったのですが、中学で卓球部に入部したときは中国の前陣速攻スタイルが強く、半ば強制的に中ペン(中国式ペンホルダー)に表ソフトという組み合わせにさせられました。

中学2年から身長がにょきにょきと伸びてきて、それがもう少し早ければカットマンを選択させてもらえたかもしれないとのことでした。

入部当時はグリップが短いバタフライの中ペンに、同じくバタフライのテンペストという表ソフトを貼っていました。

中ペンだから当然シェークより短いグリップだと思われる方がいらっしゃるかもしれません。

川島さんの中ペンは今の中ペンよりも1~2cm程度グリップが短い、マンガチックな中ペンだったのです。

そしてテンペストというのは当時の入門者向けラバーで、同一ブランドで裏ソフトと表ソフトの2種類がありました。

今では珍しく感じますが、そういうのは他のメーカーにもあったそうです。

シェーク裏裏全盛の今、昔の中国の前陣速攻選手を見るとみんな同じように思えてしまうかもしれません。

川島さん曰く単調に見えがちなプレースタイルなのでそれは否定しないものの、ご自身では2つの流派があると定義していました。
(あくまでも川島さんのマイ定義です)


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 2つの流派
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多くの選手は中間に位置するのですが、その両翼にカチカチ派とペシペシ派が存在するというのです。

カチカチ派は江嘉良選手、陳龍燦選手のようなタイプ、ペシペシ派は何志文選手、謝賽克選手のようなタイプです。

通常はペン表でもそれなりのドライブを打つのですが、カチカチ派はそれがご法度であるかのように角度打ちに徹します。

ラケットヘッドは下げず、短いバックスイング短いフォロースルーで、一点を捉えナックル度高めのボールを叩き込みます。

スポンジのない1枚ラバーで卓球をすると、自然とこういうスタイルになりそうです。

実際はシートもスポンジも硬めの表ソフトを使っていて、打球フォームもカクカクしがちです。

一方のペシペシ派は、カチカチ派よりも弾力性のあるラバーを使う傾向があります。

どちらかと言うとカチカチ派は一発で決めに行くきらいがあり、ペシペシ派は強打で決めるよりも速い連打で振り回します。

中国速攻の特徴は単純に攻めが速いと言うよりも、いかにバウンド直後を捉えるかが優先されています。

ペシペシ派の真骨頂はまさにここにあり、相手の返球動作が間に合わないようなテンポで畳み掛けます。


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 流派の変更
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さて川島さんは高校の頃から、この2派の1つカチカチ派を極めるようになりました。

カチカチ派のほうが自分に合っていそうと感じ、世界チャンピオンがカチカチ派総裁の江嘉良選手だったことも後押ししました。

その後長いブランクのあと卓球を再開することになった川島さんは、かつてのカチカチ派で始めることとしました。

確かにこのスタイルはカウンターやスマッシュを決めたときは爽快なのですが、成功率にやや難があります。

ご本人が感じた一番の不満は、バックショートが棒球になってしまっていることでした。

バックばかりにボールを集められ撃ち抜かれることが続き、こんなはずじゃなかったと戸惑うことが約1年、ペシペシ派への改宗を試みてみました。

これまでのフランスパンのような硬いスポンジのラバーから、真逆に位置する蒸しパンのようなもちもちぱふぱふの特厚スポンジラバーへの切り替えです。

一撃必殺から速いテンポで振り回す考えに改めてみると、フォアもバックもミスることが減ったという実感が持てました。

特に柔らかいスポンジでのバックショートは伸びのある攻撃的な返球となり、相手を押し込む場面が増えました。

川島さんは2つの流派のラケットを持参しており、それぞれで私もお相手をさせてもらいました。

驚いたのは川島さんが打ち方を完全に変えていた点でした。

別人としか思えないカクカクフォームとなめらかなスイングの打ち分けでした。

同じ中ペンの表ソフトプレーヤーなのにかなりの違いがあり、練習後私に熱く語ってくれただけのことはあると納得できました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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