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6月18日から22日までの間、横浜文化体育館でジャパン・オープンが行われました。

日本は男女のダブルスとU21(20歳以下)の女子シングルスで優勝しました。

いくつか波乱がありましたが、理由は試合結果が下馬評通りでなかったというものでした。

そしてもう1つ。


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 何が起こったのか
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最終日の6月22日夜、最終試合が行われていました。

男子シングルスの決勝、水谷選手と中国の于選手との対戦です。

1ゲームずつ取り合った第3ゲーム、水谷選手が7-4でリードという場面でそれは起こりました。

フォアに大きく振られた水谷選手がかろうじて返球し、その絶好球を于選手が打ち損じました。

于選手のスマッシュはネットの上部に当たり、サイドを切って外れていきました。

主審はアウトと判定し、水谷選手の側の手を上げました。

しかし副審は人差し指で水谷選手のコートを指し、エッジボールで入ったという判定をしました。

それを見てがっかりした様子だった于選手も「入ったの?」という感じで台を指しました。

主審は副審に対し、本当に入ったのか確認を求めるジェスチャーで、水谷選手の側の台を指しました。

副審はそれに対しうなずき、主審は判定を于選手のポイントに変更しました。

当然水谷選手はこれに抗議しました。

試合はしばらく中断しましたが判定は覆らず、この第3ゲームは逆転され失いました。

最終的な結果も2-4で水谷選手の敗戦でした。


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 冷静になるのは無理
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試合後のインタビューで水谷選手は、あの1本に興奮してしまったと語っています。

その言葉の通り失意のままプレーを続けていたのが見て取れました。

私はあの1本がなかったら、水谷選手が絶対勝っていたと言うつもりはありません。

于選手は荒削りですが、かなり強かったのは事実だからです。

こういう場合によく言われるのが「トップ選手なんだから冷静になって」「気持ちをすぐに切り替えて」などです。

微妙なボールに対する誤審があっても、そう判断したことは理解できるケースがあります。

審判も人間であり、ミスジャッジを含めて審判の存在があると考える人もいます。

しかし、今回のケースは全く次元の異なるものでした。

スロー再生で食い入るように見ても、かなりきわどいぎりぎりのボールといった表現はまるで当てはまらない、ただ単に台の横をそれていった球がエッジと判定されたのです。

あのボールがあの弾道でエッジに当たるには、卓球台が30cmほどずれていなければなりません。

こういう尋常でない判定を、済んだことは仕方がないと受け入れられるでしょうか。

部屋の電気をつけるスイッチのように、自分の気持を即座に切り替えることができるでしょうか。

とてもむずかしいことです。

そしてとても他人事のような言葉に聞こえます。

試合終了後にその副審と握手をし、最低限の礼儀を守るだけでも、水谷選手は人格者だったと思います。

粗野な振る舞いで知られるオーストリアのC選手ならラケットを床に叩きつけ、デンマークのM選手なら怒り狂ってすごい行為に及んでいたかもしれません。


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 主審と対戦相手への要望
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一般的に審判は恨まれることはあっても、感謝されることはほとんどなく、報われない脇役です。

イエローカードを出した選手に悪態をつかれても、審判は感情をコントロールして紳士的に振る舞わなければなりません。

通常は審判に同情することが多い私ですが、今回に限ってはしっかりしてよと叫びたくなりました。

あの位置に飛んだボールなら主審にもはっきり見えていたはずです。

副審の判断を尊重しようという気持ちは分からないでもありません。

でも一番大切なのは正しいジャッジはどうなのかであり、おかしいと思えば主審が副審に異議を唱えてもいいのです。


対戦相手の于選手についても言いたいことがあります。

あのボールが入っていなかったのは絶対分かっているはずです。

審判の判定と真実は必ずしも同じではなく、それを出来るだけ相違がないように自ら意見してくれていればと思いました。

それでもまだ判定が覆らなければ、次の1本をわざとミスすれば印象が180度変わっていたと思います。

そういうプレーを一度だけですが見たことがあり、観客席から拍手が送られました。

水谷選手もその1点は受け入れるはずです。


今後の再発防止策として、ビデオ判定を導入してもらいたいですね。

私もこの文章を書いていて熱くなってしまいました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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