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日本の卓球競技は、男女ともにメダルを獲得でき良かったですね。

そして閉会式では意表をつく東京大会の演出があり、世界中の皆さんが驚いたことと思います。

試合に関する一般的な報道は、大手メディアのほうで行われていますので、それ以外のあまり深く触れられていない部分についてお話したいと思います。


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 肩を痛めそうな珍サーブ
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男子団体で日本の初戦の相手はポーランドでした。

その中に一人、個性的な選手がいました。

中国から帰化した、ワン・ツォンイー選手です。

アジア系の選手としては長身で、180cmあるそうです。

眼鏡をかけていて、卓球選手っぽく?感じた人がいるかもしれません。

腰に問題を抱えており、コルセットを巻いて試合に臨んでいました。

戦型は世界卓球連盟で絶滅危惧種に認定されている(嘘です)、ペンホルダー前陣攻守型です。

中ペン(中国式ペンホルダー)のオモテ面に表ソフトを、ウラ面に裏ソフトを貼っています。

バック側はフルタイム裏面打法ではなく、オモテ面ショートを主体にし、裏面打法の攻撃も仕掛けていくスタイルです。

中高年の卓球愛好家なら、裏面打法をするだけでも特殊な戦法と感じる人がいるかもしれません。

ワン選手はそれ以外にも、私達が普段見かけないプレーを披露してくれます。

ペンで両面にラバーを貼っている選手の中に、ウラ面の裏ソフトでサーブを出してくる人がいます。

そのほとんどはバック側からのサーブで、手首をひねり手の甲を自分の顔のほうに向けて出します。

ごくまれにフォアから出す人もいて、同じく手の甲を顔のほうに向けて出します。

ワン選手はそれらとも異なる、見たことのない特殊打法を使います。

フォアから出すウラ面サーブは、ラケットヘッドを下に向け、インパクトの瞬間は相手にラケットのウラ面を見せます。

脇の下でラケットを上から下に振り下ろすような感じで打球します。

録画した映像をスロー再生しながら、数回真似をしてみました。

とても変な動きで肩の筋を痛めてしまいそうです。

果たしてこのサーブは、得点に結びつけることができているのでしょうか。

相撲でいう猫だましのような、単なるハッタリのようにも見えます。

緊張時は失敗する可能性が高そうですし、これまで周囲から「意味無いじゃん」的な言葉を多数浴びせられたことでしょう。

でも見る分には好きです。


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 多彩なラケットさばき
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ワン選手はロビングに追い込まれると、ラケットを反転させオモテ面(表ソフト)とウラ面(裏ソフト)を入れ替えます。

裏ソフトのほうが球持ちがよく、前進回転をかけることで返球精度が上がるためです。

同じような対策は香港の唐鵬選手もやっています。

唐選手のラケットはシェークで、フォア裏ソフトバック表ソフトです。

ロビングするときは、できるだけ裏ソフトで返すようにしていて、バック側に来たときはラケットを握り替え、裏ソフトで打球しています。

かっこいいので一般愛好家の私達も真似をしてみたくなります。

やるのは個人の自由ですが、握り変えるのを失敗したり、普段と違う打球感でミスをするのが多くなるはずです。


これとは逆の立場で、ロビングされたボールをこちらが連続スマッシュで打つときも、ワン選手はラケットを握り替えます。

ただしここでもこの選手の意外性が光ります。

裏ソフトに変えて打つだけではなく、なんとシェークの握りに持ち替えるのです。

テレビの前で同じシーンをイメージしながら、ペンの握りとシェークの握りでシャドウプレーをしてみました。

若干ですが、ロビングボールに対しては、シェークの握りでスマッシュするほうが適している感じがしました。

でも普通の人はそんなことしませんよね。

これらのラケットさばきから分かるのは、ワン選手はとても器用な人であるということです。


ワン選手は日本との団体戦の第一試合に登場し、吉村選手と対戦しました。

吉村選手は順回転か逆回転かが分かりづらいアップダウンサーブを出してきて、ワン選手は最後まで回転を見極めるのに苦労していました。

負けじと前述のフォア側ウラ面サーブで対抗していて、ある意味マニア向けの試合だったといえます。


その後日本は準決勝へと駒を進め、ドイツ戦で吉村選手は背中の後ろにラケットを回して打つ「背面打法」を披露して観衆を沸かせました。

ワン選手も吉村選手との対戦で背面打法を試みたシーンがあり、そこからもこの人のテクニシャンぶりがうかがえました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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