TSPから新作の黒いラケットが発売されています。
ブラックバルサシリーズという製品名で、グリップや厚さの違いにより5種類のバリエーションがあります。
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前作への意見を反映した改良品
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前作にバルサプラスシリーズというのがあり、それの見直しを行ったのが今回の製品です。
両者のラインアップを比較してみると、以下のようになっています。
◆攻撃用
厚さ:10.5mm/8.5mmの2種類、グリップ:フレア/日本式角丸型の2種類
↓
厚さ:8.5mm、グリップ:フレア/中国式の2種類
◆オールラウンド用
厚さ:7.5mm/6.5mmの2種類、グリップ:フレア
↓
厚さ:6.5mm、グリップ:フレア/中国式の2種類
◆カット用
厚さ:5.5mm/4.5mmの2種類、グリップ:ストレート
↓
厚さ:4.6mm、グリップ:ストレート
板の厚さが集約されたのは、種類が多すぎて販売店から絞って欲しい要望があったのかもしれません。
また前作であった一番分厚い10.5mmというのは、単板の日本式ペンホルダーなら違和感はありません。
しかし合板ラケットでさらにシェークだと、あまり存在しないサイズのため販売数が伸びなかったのではと想像します。
そしてペンホルダー版は、現在の流れに添って日本式から中国式に変更したようです。
こういったラインアップの整理や前作からの量産効果もあったためでしょう、お値段はお求めやすくなっています。
¥8,925→¥6,825
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他のラケットとの違い
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軽量化を図るためバルサを使ったラケットは各社から販売されています。
その中でもこのシリーズにはある特徴があります。
中心に使用しているバルサの木目方向が、他のラケットとは異なるのです。
通常の合板ラケットでは、木目がラケットの打球面と平行になっています。
そしてそういう木目の板を縦横に重ねて割れにくくしています。
一方TSPのこのラケットは、真ん中にあるバルサ層の木目が打球面に対し垂直方向になっています。
ラケットの断面を観察すると打球する両面の方向へ、シモバシラのような無数の筋がはしっています。
単板ラケットでも先端部分から断面を眺めてみると、同じような感じがあります。
ただ単板は場所によって見え方に違いがあり、ラケットの側面では密集した木目は見られません。
ブラックバルサはラケットを360度回転させても、どの部分にもシモバシラ状の筋が観察できます。
これはちょっとした外見上の特徴になっています。
そして見かけよりももっと大切なラケット本来の打球性能において、この木目方向は効果があるそうです。
TSPはこれに関し特許を取得しています。
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その他、いろいろ気づいたこと
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TSPは他にもバルサを使ったラケットがあり、以前、軽量ラケットのお勧めとしてバーサルを紹介しました。
バーサルはシモバシラ構造ではなく、バルサの木目はラケットの打球面に平行になるようノーマルな使われ方がされています。
注意深く見ると、複数のバルサのブロックを寄木のように合わせて使用しています。
バーサルは木材だけを使ったラケットです。
片やブラックバルサは、バルサ層の外側にグラスファイバーも使っています。
一番上の層が黒いためか、グラスファイバーの層が目ではなかなか確認できません。
弾む度合いによってグリップレンズなどの色を変えていて、反発力の高い順に、赤、青、緑となっています。
赤はバーサルよりも格段に弾み、かっ飛ばしたい方に喜ばれる一本です。
黒地に赤のアクセントは、人気者のくまモンと同じですね。
黒い所は厳密にはブレード部分はつや消しの濃い黒で、グリップ部分は他社でもよく見かける細い着色木材を固めた作りのため、炭のような少しくすんだ感じの黒になります。
このタイプのグリップは表面だけの着色ではないので、削っても下から現れる色が同じなのがうれしいです。
少し難をあげれば、グリップエンドの赤い部分の位置が上下でずれていたことと、J.T.T.A.Aの焼印が明るい色のバルサ層ではなく、黒い着色木材の部分に押されているので見えにくいことでしょうか。
バルサ層に貼りつけたメーカ名の金属板はやめて、そこに焼印を押したほうがいいように思います。
バルサは凹みやすいので、少なくともよくぶつける部分にはテープを巻いて保護しておくべきです。
加工は柔らかくて削りやすい反面、削ったところの表面はでこぼこになりがちです。
気になる人は目の細かい紙やすりを掛けることをお勧めします。
化粧箱はシンプルになり、バーサルの箱より原価を下げているように感じます。
外側を黒、内側をえび茶色にしているのは、漆塗りの器をイメージしているのでしょうか。
こういった渋い感じを出すことで、幸い見栄えが落ちた感じはありません。
私も過去に、仕事で包装箱のコストを1円50銭下げるといった交渉をしたことがあります。
箱を見比べることで、TSPさんも頑張ってるんだなと伝わってきました。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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