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2015年が始まりしばらくしてから、日本の卓球競技者の間に衝撃が走りました。

バタフライの稼ぎ頭の筆頭であり、ハイテンションラバーの代名詞、テナジーが大幅値上げとなったのです。

私はテナジーを使っていませんので、実感が今ひとつ伝わってきませんが、なんだか大変なようです。

店頭での実売価格は8千円を超えてしまったそうで、泣く泣くテナジーに見切りをつけた方、直前に買いだめをして今後はどうするかまだ迷っている方、様々のようです。

似たような例としては、2010年のタバコの大幅値上げみたいなものでしょうか。

私はタバコも吸いませんが、マルボロをやめられない人は、他の出費を削ってまで吸い続けているようで、同じくテナジーをやめられない人は、、、

おっと、タバコとラバーを同列に論じるなという、お叱りの声が聞こえてきたので、このへんでやめたいと思います。


さて値段は変わったものの、バタフライの新製品にラバーはなく、ラケット+その他という発表になりました。

今回は2015年春モデルのラケットについて、お話ししたいと思います。


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 10年前はバブルだった
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近年の傾向として、バタフライはラインアップの絞り込みを進めているということが挙げられます。

新製品があれば、それと引き換えに生産中止となる製品もあります。

今回、従来ラケットのかなりのものを廃止し、ヒット作と言われていたSK7も無くなったのには驚きました。

選手モデルも昔に比べると随分少なくなりました。

ちょうど10年前の2005年のカタログが手元にあります。

表紙で福原選手が微笑んでいるそのカタログを開くと、ものすごいラケットの数で、ペンホルダーも4ページを割いて紹介されています。

選手名のラケットは、20人の選手で合計29モデルを製品化しています。

クレアンガ・カーボン、ティモボル・スパーク、レグー、松下プロスペシャル、孔令輝スペシャル、蒋澎龍、三田村プロモデル、etc・・・

当時の品揃えは拡大路線まっしぐらの方針で、他社を圧倒する狙いもあったのだと思います。


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 渋い製品を種類を絞って投入
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今は堅実な製品展開で、他社のようにシェークとペンのブレードの共通化が進んでいます。

ラバーを貼る部分に施された印刷は控えめになり、先端近くにロゴマークが、グリップ近くには製品名が配されています。

昔は力強い書体で社名・製品名がどどーんと刷られ、その下に弾みの分類が分かりやすく示されていました。

私は実用的なそちらのほうが良かったのですが、洗練された雰囲気を優先したいお考えのようです。

そして総じて落ち着いた色合いのグリップが多くなっています。

ハッドロウシリーズやガレイディアシリーズは、ダーカー製ラケットにも見えそうな、無印良品的ナチュラル感が漂います。

こげ茶色のブレードがいくつかあり、ラバーを貼れば大部分は隠れてしまうものの上質さを感じることができます。

そう言えば、サンドイッチも褐色のパンは他より美味しそうに見えますよね。


バリエーション縮小の流れに沿って守備型のラケットは減り、少し前にロングセラーだった「カトラス」が無くなりました。

今回はラージサイズのラケットが無くなって、カットマン向けの製品は全てセミラージサイズとなりました。

卓球のラケットでも、現代はエラの張っていない小顔がモテるようです。


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 意表を突かれたこだわりの一本
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ラバー貼りラケットは一新され、8種類の製品展開です。

こちらも10年前は27種類という乱発状態でした。

当時と今を比べるとラバー貼りラケットといえども、ワンランク質感の向上が図られ、グリップデザインにそれを感じます。


私が今回の新製品で一番注目したのが、ペンホルダーのラバー貼りラケット「センコー2000」です。

Webページにある仕様を見てびっくりしました。

なんと単板ラケットなのです。

ラバー貼りラケットで単板というのは初めて見ました。

そして形は角丸型ではなく、長細い角型です。

単板特有の打球感を好む人がいることは分かりますが、レジャー用のラバー貼りラケットにそこまでを求める人はほとんどいないはずです。

なぜ割れやすく原価も高くなりそうな素材を使うのか大きな謎です。

単板のサイプレスシリーズの品質に届かなかった板を、このラケットを作るのに有効活用したのでしょうか。

単板ラケットは、先っぽの断面の木目が真っ直ぐに走っているものが良いとされ、ひょっとするとこのラケットの板はそれが斜めになっていたりするのかもしれません。

サイドテープがしっかりと巻かれていて、穿った見方をすれば意図的に覆っているようにも思えます。

ちょっと剥がして確認してみたくなります。

でもたとえ木目が斜めになっていても、この価格なら問題ないと考えます。

コルクの部分は、コルク粒をくっつけた圧搾(あっさく)コルクを使っていて、1円でも安く作りたい気持ちが込められています。

どうだまいったかと言わんばかりの尖った製品で、これを販売することに拍手を贈りたいと思いました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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