2013 .03.16
各社から2013年春の新製品が次々と発表されています。
バタフライでは一番の目玉は、張継科(チャンジーカ)選手モデルの新ラケットです。
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値付けの妙
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4種類中最高級の製品はお値段なんと¥34,650で、今後どこまで高額な商品が登場してくるのかちょっぴり不安を覚えます。
高価格帯のラケットといえば、ジュウイックが販売しているドクトル・ノイバウアシリーズや、少し前にはボルコシリーズというのがありました。
高いものでは4万円~5万円台というお値段です。
これらは特殊なラバーとの組み合わせを想定していたり、オーダーメイドならではの希少価値や独特の質感を希望する人向けで、ニッチ商品の位置づけでした。
また超特別品ではニッタクがリズーという厳選素材で作ったラケットがあり、30万円という驚愕の価格で限定発売されていたことがあります。
今回のバタフライの新製品は、そのようなラケットとは一線を画すラインアップの中心となる商品です。
¥34,650という価格は、奮発していいのを買ってみようかという人が思いとどまらない絶妙の値付けかもしれません。
そしてこのトップモデルの価格を見せつけることで、同時に発表した張継科シリーズの別ラケット(¥15,750~¥23,100)を安く感じさせる心理的な効果もあります。
バタフライは製品全体のバランスをとてもよく考えていて、特殊素材は一定価格以下のラケットには使わないようにしているなど、バタフライ流のポリシーに従って製品定義がなされています。
同じ系統の板を使っている場合は、基本的には同じ価格帯にしています。
選手モデルのラケットなら、基本の価格にネームバリューや実績を加味してプラスいくらと設定しているように見受けられます。
私はこれを悪いと考えているわけでは決してありません。
バタフライは営利企業ですし、特殊素材や選手名で付加価値をつけるのは当然のことです。
価格設定の考え方が見えてくると、同じ素材でこだわりがなければ選手モデルじゃないのを選んだほうがお得なケースが若干あります。
オリンピックや世界選手権でチャンピオンになった選手モデルはカッコよさそうですね。
でも選手モデルにはいろいろあります。
a)その選手がチャンピオンになった時にまさに使っていたラケット
b)その選手がチャンピオンになったあと発売され、現在使用中
c)その選手がかつて使っていたラケット
d)その選手は使うことはない名前貸しだけのモデル
もちろんa)が一番ステータスがありますが、ヤサカの馬琳選手の特定モデルなどあまり存在しません。
柳承敏(ユスンミン)選手の場合だと、オリンピックで優勝した時に使っていたのは金擇洙(キムテクス)選手モデルのラケットで、はるか昔に製造中止になっています。
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統一性か柔軟性で揺れる名前
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中国選手の名前は、マスコミでは日本読みすることにしています。
張継科→ちょうけいか
しかし選手名のラケットでは、中国読み(に近い読み)にしているほうが多くなっています。
張継科→チャンジーカ(バタフライ的には「ツァンジーカー」)
バタフライは中国読みで統一していて、過去に日本人にとって読みにくいかなと思う選手名のラケットでもそれを貫いていました。
荘智淵→ジュアンジーユアン
少しぶれているのがニッタクです。
王楠→ワンナン
の場合、中国読みのままでも読みやすく、アナウンサーのようにわざわざ日本読みの「おうなん」と読み替えなくても問題ありません。
しかし劉国正選手の場合、中国読みだと「リュウグオジョン」となり少々難しいですね。
そこでニッタクは劉国正選手モデルのラケット名については、
劉国正→リュウコクセイ
としています。
その結果、日本読みと中国読みの名前が混在したラインアップとなっていました。
王楠選手と劉国正選手のラケットは同じシリーズの中にあり、カタログでいつも並べられていたので、統一感の緩さにニッタク社内でも葛藤があったかもしれません。
もう一つニッタクで統一感がない例は、呂林選手モデルのラケットです。
カタカナで「ロリン」と命名されているので、選手モデルとは気づかない人もいると思います。
こちらは漢字を使わないほうがおしゃれな感じがしていいなど、そんな意見が通ったのでしょうか。
ニッタクはぶれていると書いてしまいましたが、考えようによっては柔軟であると解釈することもできます。
卓球ラケット以外でも、日本人向けに名前を変更した事例はたくさんあります。
マクドナルドのドナルドは、日本人に読みやすいようロナルド→ドナルドと名前を変えていることは有名です。
練習場で50代の男性から聞いた話では、イギリスの特撮番組「サンダーバード」で登場人物を日本向けの名前に変更していたそうです。
ミンミンさんというアジア系の女性が登場するのですが、オリジナルではティンティンさんだったそうです。
NHKが放送していたそうで、妥当な判断だったのでしょう。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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