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これまでに何度かユニークなラケットを紹介したことがあります。

その中で一度だけさらっと触れたラケットについて、もう少し詳しくお話ししたいと思います。


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 謎めいた二段構造
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今回ご紹介するのは、アームストロング社が販売している「カセグリップ」というタイプのペンホルダーラケットです。

アーム社は複数の製品にこのグリップを採用していて、特徴はブレード本体とグリップが別構造になっている点です。

ブレードのグリップ部分を根本だけ残し、大胆にカットしたような作りになっています。

その根元部分の上に専用のグリップを載せた形になっています。

従ってグリップの先端側、約60%は浮き上がったように見えます。

どういう効果があるのかアーム社のWebサイトを見ると、フォアとバックの切り替えで的確な角度が出しやすく、手の小さい人でも握りやすいとのことです。

ペンホルダーを握るとき、親指と人差指の間の股の部分がグリップの裏側に当たります。

普通の日本式ペンホルダーなら、そこにコルク片が貼り付けられているはずです。

それを嫌う人もいて、韓国のユスンミン選手は削り取っていました。

バタフライから自分の名前のラケットが製品化されるときは、最初からその部分がないラケットになっていました。

巷の愛好家には、さらにそれを推し進めたグリップ加工の方がいました。

単板のラケットで指の股が当たる部分を、コルクだけでなく板の部分も自分の手にジャストフィットするよう深い溝を彫り込んでいたのです。

分厚い単板ラケットでならではの改造テクニックです。

こうなるとカセグリップの感覚に近くなってきます。

私はできることなら現物を触って確認したいと思っていました。

ところがお店で探しても見つからず、使っている人にもお目にかかったことはありませんでした。

少し前にやっと使用者に巡り合い、ほんの少しだけですが使わせてもらいました。


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 人間工学に基づいたグリップの一種
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メーカのWebサイトにある画像を見ると、ものすごい珍品ラケットというほどではなく、実際に使用した驚き度合いも見た目と同程度のものでした。

バックの角度が出しやすいというセールスポイントは、その通りだと感じました。

ですが所有者と私の意見は、その「バックの角度」の意味が異なっていました。

お借りしたラケットはオモテ面に表ソフトが貼られ、ウラ面に1枚ラバーが貼られていました。

所有者はほぼ片面表ソフトでプレーし、バックにふわっと浮いたボールをたまに裏面で打つスタイルでした。

つまり所有者は、オモテ面でのバックハンドの角度が出しやすいというご意見でした。

私はてっきり、ウラ面でのバックハンドの角度が出しやすいのだと思い込んでいました。

メーカが意図しているのは一体どちらなのか、いや両方なのでしょうか。

まあ私が使った使用感なので、少なくともウラ面の角度は出しやすいのは確かでした。

オモテ面のバックショートもやりましたが、通常のラケットと比べて特別やりやすいという感じはありませんでした。

メーカのもう1つのセールスポイントである、手の小さい人でも握りやすいというのもうなずけました。

中国式から日本式に持ち替えるとグリップの細さを実感します。

カセグリップはそれがさらに細く感じられます。


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 フォア側の補正が必要
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メリットだけでなくデメリットもご紹介します。

バック側の角度が出しやすくなるということは、フォア側の角度も通常とはズレることになります。

フォアハンドの面がいつもより内側を向いた状態になるため、補正してカセグリップ用のフォームを体に覚え込ませる必要があります。

よって、このラケットと別のラケットを平行して使い分けるのは止めたほうが良いでしょう。

シェークの場合だと、テナリーと普通のラケットを交互に使って混乱するのに似ています。

私は日本式ペンホルダーのグリップでも、人差し指を引っ掛ける部分の角は削りませんが、多くの人はそこのコルクを削って丸めています。

カセグリップは本体とグリップを強固に接合する必要があり、グリップの下側40%はコルクではなく木になっています。

そのため削る人は硬い木の部分も丸める必要があります。

接合部分はどうなっているのか所有者に聞いてみましたが、分からないとのことでした。

力がかかるので接着剤だけでなく、恐らく内部に木ネジを使っているような気がします。

お借りしたラケットはとても軽い点は良かったのですが、反発力は控えめで購入したい気持ちにはなりませんでした。

ただしメーカはカセグリップのラインアップを充実させていて、この個性的なグリップをもう少し見かけられるよう頑張って欲しいと思いました。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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