今、私の手元に3本のラケットがあります。
いずれも不要になった人からいただいたもので、今回はそれらについて書いてみたいと思います。
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100均で売られていたラケット
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3本の中で文句無しに最もしょぼいラケットです。
安物と言われるラバー貼りラケットより、さらに数段落ちるクオリティです。
ラケットの縁に相当する板の断面は、所々ガタガタになっています。
大本の板の作りが雑なのか、加工の際に使ったのこぎりの精度がイマイチなのか、あるいはその両方かもしれません。
グリップエンドの断面はどう見ても左右非対称のいびつな楕円形です。
あえて好意的に解釈すれば、右利きの人がフォアハンドドライブを打ちやすいよう、面をかぶせ気味に握れる作りになっています。
中国式ペンホルダー(中ペン)で、片面だけに表ソフトラバーが貼られています。
薄くて弾力性の低いスポンジに、同じく弾力性の乏しいゴムシートを貼り合わせたラバーです。
粒高ラバーと同程度に細く、それでいてノーマルな表ソフトの半分以下の高さの粒が「不規則」に並んでいます。
一応横目なのですが、ある列とある列は狭く、別の部分は間隔が広めになっています。
当然ITTFのマークはなく、ラバーのロゴもありません。
ラケット全体にニスが塗られていて、ラバーを貼る接着剤がはみ出した箇所がいたる所にあります。
とても軽く、片面にラバーが貼られた状態で88gです。
玉突きをしてみると、ラバーがあたかも衝撃吸収材のようなぱふぱふ感で、シートはカチカチ、そして回転はほとんど掛かりません。
あえて良い部分はないか探してみると、ラバーのフチはなめらかな処理で美しいカーブを描いていました。
恐らくラバーを貼った後で強引にヤスリがけをして、ならしたためだと思われます。
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ラージ用貼り上がりラケット
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2本目としてご紹介するのは、約10年前に販売されていたらしいTSPのラケットです。
ラージボール用のシェークで、予めラバーが貼られている貼り上がりラケットです。
低価格ラケットですが、最初の100均ラケットと比べると、作りの良さに雲泥の差があります。
グリップの断面は正確な楕円形で、TSPのエンブレムとJTTAAの焼き印があります。
ラバーは貼り上がりラケット用のジャイアントという銘柄です。
ちゃんとメーカロゴがあり、ITTFとJTTAA付きなので粒の形状や配置も整然としています。
グリップは木片を単純に整形しただけの素朴さで、着色やシールはなくニスも塗られていません。
コストを抑えるため、グリップ内部に空洞を空けるような加工はなされていないと思います。
両面にラバーを貼った状態で160gでした。
ラバーは最初のラケットと比べると、シートの弾力性と摩擦力が段違いです。
古いラバーですが、あまり使われないまま保管されていたようで、レジャー用ならまだ十分に使えます。
スポンジは薄めでそれなりの劣化もあり、ボールを打ってみると低価格ラケット相応のチープ感はあります。
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懐かしい中ペン
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3本目は1970年台末に売られていたらしい、バタフライの中ペンです。
現在の一般的な中ペンとの最大の違いはグリップの長さで、7cmしかありません。
そのためもともと漫画チックな形の中ペンが、さらに笑える姿になっています。
黄土色のニスが全体にこってり塗られていて、両面にあるグリップは1つの木片を削ったシンプルな作りでした。
譲っていただいた方に聞いたお話では、現在のように箱に入った状態ではなく、ビニール袋に入れて売られていたそうです。
袋だけだと型くずれするので、それを防ぐための型紙のようなものを一緒に入れたパッケージングだったとのことです。
さてこれら3本のラケットを眺めて何を感じたかといえば、低価格帯のラケットでもその価格に応じた違いがしっかりあるということでした。
私は卓球用品に限らず、価格はとても重要な要素と考えていて、いくら品質が高くても価格に納得できない商品は買いません。
反対にどこかに難がある商品でも、値段によってはそれが妥当と判断し購入することがあります。
その観点で考えた場合、今回紹介した3本の内2本は合格レベルでした。
駄目だったのは100均ラケットです。
100均商品だけあってコストパフォーマンスはずば抜けています。
しかしこれは悪い意味での所詮100均的な商品で、30分遊んだ後ゴミ箱行きでもOKという感じのものでした。
低クオリティだけど同時にものすごく安く、すぐに捨てても惜しくない、そう思わせてしまう製品が身の回りにいろいろあると思います。
ただでもらった販売促進のTシャツなどもそれに該当します。
もらった瞬間はうれしいものの、低品質で結局1回着ただけで捨てられてしまうのなら作るべきではない、というコラム記事を見たことがあります。
「自分はいくら払ったか」というのは、物を扱う時の1つの基準になっていると思います。
100均のラケットは、果たして平均何回使われて捨てられてるんでしょうね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
いずれも不要になった人からいただいたもので、今回はそれらについて書いてみたいと思います。
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100均で売られていたラケット
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3本の中で文句無しに最もしょぼいラケットです。
安物と言われるラバー貼りラケットより、さらに数段落ちるクオリティです。
ラケットの縁に相当する板の断面は、所々ガタガタになっています。
大本の板の作りが雑なのか、加工の際に使ったのこぎりの精度がイマイチなのか、あるいはその両方かもしれません。
グリップエンドの断面はどう見ても左右非対称のいびつな楕円形です。
あえて好意的に解釈すれば、右利きの人がフォアハンドドライブを打ちやすいよう、面をかぶせ気味に握れる作りになっています。
中国式ペンホルダー(中ペン)で、片面だけに表ソフトラバーが貼られています。
薄くて弾力性の低いスポンジに、同じく弾力性の乏しいゴムシートを貼り合わせたラバーです。
粒高ラバーと同程度に細く、それでいてノーマルな表ソフトの半分以下の高さの粒が「不規則」に並んでいます。
一応横目なのですが、ある列とある列は狭く、別の部分は間隔が広めになっています。
当然ITTFのマークはなく、ラバーのロゴもありません。
ラケット全体にニスが塗られていて、ラバーを貼る接着剤がはみ出した箇所がいたる所にあります。
とても軽く、片面にラバーが貼られた状態で88gです。
玉突きをしてみると、ラバーがあたかも衝撃吸収材のようなぱふぱふ感で、シートはカチカチ、そして回転はほとんど掛かりません。
あえて良い部分はないか探してみると、ラバーのフチはなめらかな処理で美しいカーブを描いていました。
恐らくラバーを貼った後で強引にヤスリがけをして、ならしたためだと思われます。
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ラージ用貼り上がりラケット
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2本目としてご紹介するのは、約10年前に販売されていたらしいTSPのラケットです。
ラージボール用のシェークで、予めラバーが貼られている貼り上がりラケットです。
低価格ラケットですが、最初の100均ラケットと比べると、作りの良さに雲泥の差があります。
グリップの断面は正確な楕円形で、TSPのエンブレムとJTTAAの焼き印があります。
ラバーは貼り上がりラケット用のジャイアントという銘柄です。
ちゃんとメーカロゴがあり、ITTFとJTTAA付きなので粒の形状や配置も整然としています。
グリップは木片を単純に整形しただけの素朴さで、着色やシールはなくニスも塗られていません。
コストを抑えるため、グリップ内部に空洞を空けるような加工はなされていないと思います。
両面にラバーを貼った状態で160gでした。
ラバーは最初のラケットと比べると、シートの弾力性と摩擦力が段違いです。
古いラバーですが、あまり使われないまま保管されていたようで、レジャー用ならまだ十分に使えます。
スポンジは薄めでそれなりの劣化もあり、ボールを打ってみると低価格ラケット相応のチープ感はあります。
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懐かしい中ペン
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3本目は1970年台末に売られていたらしい、バタフライの中ペンです。
現在の一般的な中ペンとの最大の違いはグリップの長さで、7cmしかありません。
そのためもともと漫画チックな形の中ペンが、さらに笑える姿になっています。
黄土色のニスが全体にこってり塗られていて、両面にあるグリップは1つの木片を削ったシンプルな作りでした。
譲っていただいた方に聞いたお話では、現在のように箱に入った状態ではなく、ビニール袋に入れて売られていたそうです。
袋だけだと型くずれするので、それを防ぐための型紙のようなものを一緒に入れたパッケージングだったとのことです。
さてこれら3本のラケットを眺めて何を感じたかといえば、低価格帯のラケットでもその価格に応じた違いがしっかりあるということでした。
私は卓球用品に限らず、価格はとても重要な要素と考えていて、いくら品質が高くても価格に納得できない商品は買いません。
反対にどこかに難がある商品でも、値段によってはそれが妥当と判断し購入することがあります。
その観点で考えた場合、今回紹介した3本の内2本は合格レベルでした。
駄目だったのは100均ラケットです。
100均商品だけあってコストパフォーマンスはずば抜けています。
しかしこれは悪い意味での所詮100均的な商品で、30分遊んだ後ゴミ箱行きでもOKという感じのものでした。
低クオリティだけど同時にものすごく安く、すぐに捨てても惜しくない、そう思わせてしまう製品が身の回りにいろいろあると思います。
ただでもらった販売促進のTシャツなどもそれに該当します。
もらった瞬間はうれしいものの、低品質で結局1回着ただけで捨てられてしまうのなら作るべきではない、というコラム記事を見たことがあります。
「自分はいくら払ったか」というのは、物を扱う時の1つの基準になっていると思います。
100均のラケットは、果たして平均何回使われて捨てられてるんでしょうね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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