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今回は卓球用品メーカーVICTAS(ヴィクタス)についてお話したいと思います。


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 変革の軌跡
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現在VICTASはブランド名かつ会社の名前となっていますが、かつてはそれぞれが異なっていました。

ブランド名はTSPで、会社の名前はヤマト卓球株式会社でした。

年配の方ならTSPは表ソフトのスペクトル、あるいは関西の方ならボールで馴染みがあるといった印象を持たれていました。

そういう状況のままではいけないという危機感からか、旧TSP時代から経営に携わっていた方は矢継ぎ早に改革を行い今に至っています。


まずバタフライの契約選手であった松下浩二さんを社長として迎え入れました。

上位ブランドのVICTASを立ち上げ、従来のTSP製品はそのまま普及ブランドとして継続という形を取りました。

VICTASブランドは徐々に取り扱い製品を増やし、斜めにカットした大胆なロゴを採用しました。

そして会社の名前をVICTASに変更し、TSPブランドの製品は整理した上でVICTASに取り込みました。

それらと並行して丹羽選手など有名な方々と契約を結び、日本男子代表の公式ユニフォーム提供メーカーにもなりました。

一般の卓球愛好家視点なら、随分あか抜けた企業に変身しましたねという感じかもしれません。


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 周囲の方のご意見
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ここまではVICTS躍進の軌跡を辿りました。

続いて私の周囲の方から聞いたコメントを紹介させてもらいます。

ラバーはV>22などの記号的な名前の製品と、TSPから引き継いだヴェンタスなどの名称のラバーがあります。

前者は斬新さもあって一見クールに思え、他社との違いを打ち出したことは理解できます。

でも実際にラインナップから目的のラバーを絞り込む際、無機質な名前と従来名称との混在が仇になっているようです。

私はパッケージにアルファベットや数字が大きく描かれ、記憶に残る大胆なデザインだと好意的に捉えていました。

しかし本件を指摘する方の話を詳しく伺うと、なるほどと思う点はありました。

見た目でVICTASの存在感は示せるものの、仕様をじっくり比較検討していくと率直に申し上げて分かりづらさがあったのは否めません。


カタログに目を凝らすと、VICTASとVICTAS PLAYという2つの分類がなされています。

一部例外はありますが、ざっくり言って販売継続となった旧TSP製品が後者のVICTAS PLAYに分類されています。

このサブブランド的な分類は意味がよく分からず必要なさそうに思えます。

TSPから販売継続された製品は値ごろ感がありました。

ところが複数回の価格改定を経て、今では結構なお値段となっています。


競合他社と同様、VICTASも選手モデルのラケットを製品化しています。

丹羽選手や社長の松下さんの定番モデルはいいと思う一方、過去に限定生産で多くの選手モデルを同時に多数発表した時は評判が芳しくありませんでした。

全て斜めにカットしたツートーンカラーのグリップで統一していました。

一方で配色は同じにならないよう各製品毎に変えていました。

似通った系統の2色ではなく対比を重んじた配色だったため、好き嫌いがはっきり分かれるデザインとなっていました。

最近の製品では斜めカットのデザインは控えめになってきて、新しい方向を模索しているように見受けられます。

以上辛口の意見を並べましたが、何事も大胆に変えていく過程ではある程度の混乱は伴います。


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 選択、集中、提携
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TSP時代は自社生産していたボールが主力製品の一つでした。

プラスチックボールに切り替わる際、中国メーカーからOEMで提供を受けることになりました。

プラボール対応には設備を一新する必要があり、その時点で思い切った経営判断があったのでしょう。


一時期アシックスおよび韓国のエクシオンと提携していたことがありました。

この2社とはVICTAS向けのOEMではなく、提携会社の商品をそのまま取り扱っていました。

アシックスからはシューズを、エクシオンからはラケットとラバーの提供を受けていました。

事業の選択と集中を試みていたようでその後2社とは提携解消となりましたが、ボールのほうは今もOEMで継続販売しています。


日本の用具メーカーはカラーラバーの販売に消極的です。

VICTASは限定的ながらも青とピンクのラバーを製品化しています。

このあたりに積極さが感じられ個人的に応援したいメーカーです。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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