2011 .10.29
前回に引き続きユニークなタイプの選手を紹介したいと思います。
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◆Iさんの見慣れない用具
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ユニークな戦法の人は少数派ラバーの使用率が高く、その中でもIさんは天然記念物級(^ ^;)の希少価値があると思います。
Iさんの使用ラバー:(粒高ではない)ノーマルの1枚ラバー
だけです。
日本式角丸型ペンホルダーの片面にのみ、そのラバーを貼っています。
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◆ラケットを少し貸してもらいました
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握ってみた第一印象は当然ですが、非常に軽いです。
スポンジがありませんから、総重量は100g前後だと思います。
次にボールを打ってみました。
弾みません・・・
ラケットは高反発の部類に入る板ですが、ラバーのせいでよく言われる球が失速するような感じというのが分かります。
弾まないので相手コートまで入れるため、通常よりも力を込めて振る必要があります。
そして台から少し離れただけで、返球がかなり苦しくなります。
ラバーにあまり引っ掛かりがなく、スポンジに一瞬食い込こませて溜めを作るようなこともできないので、打球する位置とラケットの面の角度をシビアに見極めて打たなければならないからです。
打てる位置や打つ角度が、いくつかのピンポイントでしか存在しないような感じがしてしまいます。
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◆裏ソフトは素晴らしい
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こういう変わったラケットで打つ体験をしたことで、裏ソフトの素晴らしさが再確認できました。
少々乱暴な言い方ですが、裏ソフトだとある程度打球位置がぶれても、スイングやラケット角度を調整すれば容易に返球ができます。
前述したスポンジに食い込む瞬間があることと、回転の掛け具合を調整することでボールの軌道をコントロールできる点が大きいと思います。
これは裏ソフトを使っている人は、楽をしていると言っているわけではありません。
裏ソフトラバーというものが存在しなかった、いわば卓球での縄文時代から現在のハイテンションラバー全盛時代までの間に、いかに使いやすく威力のある球を打てる用具が開発されてきたかをちょっぴり実感できた気がしました。
前回紹介したペン表のHさんは、冗談で自分のスタイルを「20世紀の卓球」と言っていましたが、このIさんは更に年代モノのスタイルなのが驚きです。
正直なところ、ここまで変わったラケットだと、卓球のラケットという感覚がなくなりそうです。
羽子板と形容したほうが、その特殊さを説明するのに理解してもらいやすいかもしれません。
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◆Iさんの戦法
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次にこのラケットを使ったIさんの戦法を紹介します。
粒高のブロックマンと似た戦法かなと考えていましたが、独自のスタイルでした。
サーブは比較的ロングサーブが多いです。
コースを突いて連打で振り回し、積極的に打っていきます。
特徴的なのは左右のコースを突くだけでなく、ラバーの特性を活かし、前後の揺さぶりも仕掛けてきます。
具体的には、つないで入れてきた球をナックルショートでポトッと落とすのを得点源の1つにしています。
こういう「いなし技」も結構精神的ダメージを与えるもので、ときおり「まいったー」と叫ぶ人を見かけます。
そして虚を突かれても返球しようとして、台にラケットをぶつける人がいて、Iさん曰く何本かのラケットを葬ったことがあると笑っていました。
フォアに飛びついてバックを突かれても、時々カットでしのぎます。
少し驚きましたが、1枚ラバーだとロビングは苦しいので、この戦法にしたのかなと思います。
しかし、このカットは見ていても鮮やかでした。
そしてこういうラバーなのに、カットマンにも強いのは意外でした。
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◆その他
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Iさんは最初はペンドラだったそうで、どうしてこのスタイルにたどり着いたのか大変興味があったのですが、お相手している期間内に聞くことはできませんでした。
反転式のラケットを使って、サーブだけでも裏ソフトで出したりしないのか尋ねましたが、そういう考えは全くないそうです。
さすがに1枚ラバーのラケットは相手に違和感を与えるのが大きいため、他の方の練習相手をするときは、別の裏ソフトのラケット使用するという配慮をされていました。
実際試合でIさんのようなタイプに当たったら、落ち着いていかにその場で有効な戦術を組み立てられるかが重要になってくるんでしょうね。
往年のライバルなんかじゃない限り、こんな変わった戦型に備えた練習なんて普通しませんから。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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◆Iさんの見慣れない用具
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ユニークな戦法の人は少数派ラバーの使用率が高く、その中でもIさんは天然記念物級(^ ^;)の希少価値があると思います。
Iさんの使用ラバー:(粒高ではない)ノーマルの1枚ラバー
だけです。
日本式角丸型ペンホルダーの片面にのみ、そのラバーを貼っています。
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◆ラケットを少し貸してもらいました
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握ってみた第一印象は当然ですが、非常に軽いです。
スポンジがありませんから、総重量は100g前後だと思います。
次にボールを打ってみました。
弾みません・・・
ラケットは高反発の部類に入る板ですが、ラバーのせいでよく言われる球が失速するような感じというのが分かります。
弾まないので相手コートまで入れるため、通常よりも力を込めて振る必要があります。
そして台から少し離れただけで、返球がかなり苦しくなります。
ラバーにあまり引っ掛かりがなく、スポンジに一瞬食い込こませて溜めを作るようなこともできないので、打球する位置とラケットの面の角度をシビアに見極めて打たなければならないからです。
打てる位置や打つ角度が、いくつかのピンポイントでしか存在しないような感じがしてしまいます。
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◆裏ソフトは素晴らしい
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こういう変わったラケットで打つ体験をしたことで、裏ソフトの素晴らしさが再確認できました。
少々乱暴な言い方ですが、裏ソフトだとある程度打球位置がぶれても、スイングやラケット角度を調整すれば容易に返球ができます。
前述したスポンジに食い込む瞬間があることと、回転の掛け具合を調整することでボールの軌道をコントロールできる点が大きいと思います。
これは裏ソフトを使っている人は、楽をしていると言っているわけではありません。
裏ソフトラバーというものが存在しなかった、いわば卓球での縄文時代から現在のハイテンションラバー全盛時代までの間に、いかに使いやすく威力のある球を打てる用具が開発されてきたかをちょっぴり実感できた気がしました。
前回紹介したペン表のHさんは、冗談で自分のスタイルを「20世紀の卓球」と言っていましたが、このIさんは更に年代モノのスタイルなのが驚きです。
正直なところ、ここまで変わったラケットだと、卓球のラケットという感覚がなくなりそうです。
羽子板と形容したほうが、その特殊さを説明するのに理解してもらいやすいかもしれません。
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◆Iさんの戦法
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次にこのラケットを使ったIさんの戦法を紹介します。
粒高のブロックマンと似た戦法かなと考えていましたが、独自のスタイルでした。
サーブは比較的ロングサーブが多いです。
コースを突いて連打で振り回し、積極的に打っていきます。
特徴的なのは左右のコースを突くだけでなく、ラバーの特性を活かし、前後の揺さぶりも仕掛けてきます。
具体的には、つないで入れてきた球をナックルショートでポトッと落とすのを得点源の1つにしています。
こういう「いなし技」も結構精神的ダメージを与えるもので、ときおり「まいったー」と叫ぶ人を見かけます。
そして虚を突かれても返球しようとして、台にラケットをぶつける人がいて、Iさん曰く何本かのラケットを葬ったことがあると笑っていました。
フォアに飛びついてバックを突かれても、時々カットでしのぎます。
少し驚きましたが、1枚ラバーだとロビングは苦しいので、この戦法にしたのかなと思います。
しかし、このカットは見ていても鮮やかでした。
そしてこういうラバーなのに、カットマンにも強いのは意外でした。
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◆その他
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Iさんは最初はペンドラだったそうで、どうしてこのスタイルにたどり着いたのか大変興味があったのですが、お相手している期間内に聞くことはできませんでした。
反転式のラケットを使って、サーブだけでも裏ソフトで出したりしないのか尋ねましたが、そういう考えは全くないそうです。
さすがに1枚ラバーのラケットは相手に違和感を与えるのが大きいため、他の方の練習相手をするときは、別の裏ソフトのラケット使用するという配慮をされていました。
実際試合でIさんのようなタイプに当たったら、落ち着いていかにその場で有効な戦術を組み立てられるかが重要になってくるんでしょうね。
往年のライバルなんかじゃない限り、こんな変わった戦型に備えた練習なんて普通しませんから。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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