卓球がさかんな国といえば、まっさきに思い浮かぶのが中国です。
次に日本や韓国を始めとするアジアの国、そしてドイツ、スウェーデンなどヨーロッパのいくつかの国も有名です。
さて、それでは世界一の経済大国アメリカやサッカーが強い南米の国々での卓球はどうなのでしょうか?
確かに北米、南米の卓球選手を知っている方はあまりいないかもしれません。
そのあたりについてご紹介したいと思います。
◆アメリカ合衆国
比較的名前が知られている選手としては、男子では先週紹介したダニー・シーミラー選手がいます。
世界ランキング1桁というほどではありませんでしたがアメリカ代表という実力と、シェークハンドでフォアとバックを同じ面で打つ独特の「シーミラー打法」でオールドファンには懐かしい選手です。
女子では中国から帰化した選手がいますが、その中で最近まで現役だった高軍(ガオ・ジュン)選手を知っている方はいらっしゃると思います。
彼女は帰化する前に世界選手権のダブルスで優勝したことがあります。
中国の伝統的なペン片面表ソフトで、ラケットはなぜか昔、松下浩二さんが使っていたカットマン用ラケットと同じ板で作った特注版でした。
ガオ・ジュン選手は今年の世界選手権から後輩に道を譲り、コーチとして参加していました。
その後輩の選手も中国から帰化した人の2世選手が多く、まだ10代半ばです。
一番の期待の星は、アリエル・シン選手(15歳)です。
シン選手は別の場面で少し話題になったことがあります。
アメリカの超大金持ちにビル・ゲイツとウォーレン・バフェットというおじさんがいます。
2人は卓球が趣味で、あるパーティーを開いた時にシン選手を呼びました。
彼女がこんなおじさん達に負けるわけはなく、適当にあしらっているとバフェットがシン選手の背後から両腕をつかんで動けなくして、ビル・ゲイツに打つように言いました。
もちろん全員笑っているので冗談なのですが、この卑怯な行為が彼らがなぜ金持ちになったかを暗示していると曲解されるようなシーンで印象に残っています。
世界一の金持ちビル・ゲイツだけでなく、有名人としては、あのオバマ大統領も卓球をします。
今年イギリスを訪問した時にキャメロン首相とダブルスを組んだことがあります。
こういうニュースでもいいので、いろんなきっかけでアメリカでももっと卓球ファンが増えてくれたらと期待しています。
アメリカには日本やヨーロッパのように大手卓球用具メーカーが何社もあったりしませんが、キラースピン社というのがあり、日本にも代理店があります。
◆カナダ
カナダといえばやはりジョニー・ファン選手です。
1996年のアトランタ五輪でワルドナー選手を下しベスト8に入りました。
彼も元中国選手ですが、特徴的なのはシェークでフォアもバックも表ソフトというスタイルです。
日本の実業団リーグやスーパーサーキットでも活躍した選手です。
◆ブラジル
ウーゴ・オヤマ選手という名前からお分かりのように日系人(3世)で、しかも日本式ペンホルダーの選手がいます。
上で紹介したカナダのジョニー・ファン選手と同様、1996年のアトランタ五輪でベスト8に入りました。
他にも日系の選手が活躍していて、ツボイ選手、マツモト選手などがいます。
◆アルゼンチン
記憶に新しいのは、中国からの帰化選手で劉松(リュウ・ソン)選手がいます。
昔カットマンだったそうで、現在はフォア面裏ソフト、バック面粒高の左利き異質攻撃型の選手です。
ということは珍しい左利きのカットマンだったということですね。
異質攻撃型ということで、結構バック面でブロックして相手を翻弄するタイプかと思いましたが、まるでペンドラ選手のようにフットワークを活かしたフォアハンドドライブ主体のプレーでした。
今年の世界選手権で水谷選手と対戦し、最初の2ゲームを連取してひやりとさせられました。
(最終的には水谷選手が4-2で勝利)
仲村渠 功(なかんだかれ いさお)さんの紹介
ちょっと読みにくいお名前ですが、アルゼンチンの卓球に関係がありますのでこの方をご紹介いたします。
仲村渠さんは昔、世界選手権に日本代表として出場したことのある方です。
シェークハンドでフォア表ソフト、バック裏ソフトという、現役選手で言えばシンガポールのリ・ジャウェイ選手と同じスタイルです。
親しい方からは「カレさん」と呼ばれています。
現在、国際協力機構(JICA)からの派遣メンバーとしてアルゼンチンのナショナルチームで指導をされています。
アルゼンチンでは滑り止めのため床にツバを吐く選手がいたなど、指導に苦労されたことがホームページに綴られています。
仲村渠さんのオフィシャルホームページ
http://nakandakare.mrsc.jp/
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
以上ざっと紹介しましたが、卓球はオリンピックの種目に採用されているだけあって、北米、南米でも多くの国で広く楽しまれています。
しかし主力選手のほとんどがアジア系の選手ということからもわかるように、普及の度合いが限定的であるのも確かです。
(なぜかユニークなタイプの選手が多いのは興味深いですが)
国際卓球連盟(ITTF)はプロツアーやジュニアの大会を世界各地で開催しており、各地での卓球の普及に務めています。
北米、南米でも卓球の人気が上がり、この地域から強い選手が出てくれば面白いのにと思っています。
単なる私の先入観なのですが、アメリカやブラジルなんかだと、とてつもないパワフルな選手が出てきそうなイメージがあるんですけどね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
次に日本や韓国を始めとするアジアの国、そしてドイツ、スウェーデンなどヨーロッパのいくつかの国も有名です。
さて、それでは世界一の経済大国アメリカやサッカーが強い南米の国々での卓球はどうなのでしょうか?
確かに北米、南米の卓球選手を知っている方はあまりいないかもしれません。
そのあたりについてご紹介したいと思います。
◆アメリカ合衆国
比較的名前が知られている選手としては、男子では先週紹介したダニー・シーミラー選手がいます。
世界ランキング1桁というほどではありませんでしたがアメリカ代表という実力と、シェークハンドでフォアとバックを同じ面で打つ独特の「シーミラー打法」でオールドファンには懐かしい選手です。
女子では中国から帰化した選手がいますが、その中で最近まで現役だった高軍(ガオ・ジュン)選手を知っている方はいらっしゃると思います。
彼女は帰化する前に世界選手権のダブルスで優勝したことがあります。
中国の伝統的なペン片面表ソフトで、ラケットはなぜか昔、松下浩二さんが使っていたカットマン用ラケットと同じ板で作った特注版でした。
ガオ・ジュン選手は今年の世界選手権から後輩に道を譲り、コーチとして参加していました。
その後輩の選手も中国から帰化した人の2世選手が多く、まだ10代半ばです。
一番の期待の星は、アリエル・シン選手(15歳)です。
シン選手は別の場面で少し話題になったことがあります。
アメリカの超大金持ちにビル・ゲイツとウォーレン・バフェットというおじさんがいます。
2人は卓球が趣味で、あるパーティーを開いた時にシン選手を呼びました。
彼女がこんなおじさん達に負けるわけはなく、適当にあしらっているとバフェットがシン選手の背後から両腕をつかんで動けなくして、ビル・ゲイツに打つように言いました。
もちろん全員笑っているので冗談なのですが、この卑怯な行為が彼らがなぜ金持ちになったかを暗示していると曲解されるようなシーンで印象に残っています。
世界一の金持ちビル・ゲイツだけでなく、有名人としては、あのオバマ大統領も卓球をします。
今年イギリスを訪問した時にキャメロン首相とダブルスを組んだことがあります。
こういうニュースでもいいので、いろんなきっかけでアメリカでももっと卓球ファンが増えてくれたらと期待しています。
アメリカには日本やヨーロッパのように大手卓球用具メーカーが何社もあったりしませんが、キラースピン社というのがあり、日本にも代理店があります。
◆カナダ
カナダといえばやはりジョニー・ファン選手です。
1996年のアトランタ五輪でワルドナー選手を下しベスト8に入りました。
彼も元中国選手ですが、特徴的なのはシェークでフォアもバックも表ソフトというスタイルです。
日本の実業団リーグやスーパーサーキットでも活躍した選手です。
◆ブラジル
ウーゴ・オヤマ選手という名前からお分かりのように日系人(3世)で、しかも日本式ペンホルダーの選手がいます。
上で紹介したカナダのジョニー・ファン選手と同様、1996年のアトランタ五輪でベスト8に入りました。
他にも日系の選手が活躍していて、ツボイ選手、マツモト選手などがいます。
◆アルゼンチン
記憶に新しいのは、中国からの帰化選手で劉松(リュウ・ソン)選手がいます。
昔カットマンだったそうで、現在はフォア面裏ソフト、バック面粒高の左利き異質攻撃型の選手です。
ということは珍しい左利きのカットマンだったということですね。
異質攻撃型ということで、結構バック面でブロックして相手を翻弄するタイプかと思いましたが、まるでペンドラ選手のようにフットワークを活かしたフォアハンドドライブ主体のプレーでした。
今年の世界選手権で水谷選手と対戦し、最初の2ゲームを連取してひやりとさせられました。
(最終的には水谷選手が4-2で勝利)
仲村渠 功(なかんだかれ いさお)さんの紹介
ちょっと読みにくいお名前ですが、アルゼンチンの卓球に関係がありますのでこの方をご紹介いたします。
仲村渠さんは昔、世界選手権に日本代表として出場したことのある方です。
シェークハンドでフォア表ソフト、バック裏ソフトという、現役選手で言えばシンガポールのリ・ジャウェイ選手と同じスタイルです。
親しい方からは「カレさん」と呼ばれています。
現在、国際協力機構(JICA)からの派遣メンバーとしてアルゼンチンのナショナルチームで指導をされています。
アルゼンチンでは滑り止めのため床にツバを吐く選手がいたなど、指導に苦労されたことがホームページに綴られています。
仲村渠さんのオフィシャルホームページ
http://nakandakare.mrsc.jp/
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
以上ざっと紹介しましたが、卓球はオリンピックの種目に採用されているだけあって、北米、南米でも多くの国で広く楽しまれています。
しかし主力選手のほとんどがアジア系の選手ということからもわかるように、普及の度合いが限定的であるのも確かです。
(なぜかユニークなタイプの選手が多いのは興味深いですが)
国際卓球連盟(ITTF)はプロツアーやジュニアの大会を世界各地で開催しており、各地での卓球の普及に務めています。
北米、南米でも卓球の人気が上がり、この地域から強い選手が出てくれば面白いのにと思っています。
単なる私の先入観なのですが、アメリカやブラジルなんかだと、とてつもないパワフルな選手が出てきそうなイメージがあるんですけどね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
Comment
Trackback
Amazon.co.jpアソシエイトは、amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。