2011 .09.03
以前、初心者の方に見られる特徴として、
「ライジング打ち」と「ネコパンチ」
があり、これらをどう矯正すべきか考えていると書きました。
◆ライジング打ち
改めて説明しますと、ここで言う「ライジング打ち(をする人)」とは状況に応じて打ち方を変えるのではなく、どんなボールも全てバウンド直後をこすり上げるライジング打ちオンリーの人を指します。
筋金入りのライジング打ちになってしまうと、甘い山なりの球が返ってきても、スマッシュを打つことができません。
◆ネコパンチ
もう一方の「ネコパンチ」とは、手の振りだけでまねき猫のネコパンチのようにペチッペチッと当てて返すだけの人を指します。
しばらく観察した結果、練習仲間にライジング打ちに徹する人がいると、初心者の方は、
1)自分も新たなライジング打ちの人に変身する
2)ネコパンチの人に変身する
のどちらかになる場合があるのかなと考えています。
1)のケース
人間は状況に対応できるよう、自分のやり方をなんとか合わせようとします。
ライジング打ちの人は、とにかく速いテンポでバシバシ返球してきます。
それに対応するためには、自分もコンパクトな振りでライジング打ちによって返球してしまうのもひとつの手です。
そしていつの間にかこの打ち方だけが体に染み付いてしまうと「ライジングマン」に変身完了です。
2)のケース
某市民クラブのAさん(30代女性)は典型的なライジング打ちの方でした。
そしてBさん(70代女性)はネコパンチでした。
Bさんは素振りは正しいフォームでできるのですが、実際に球を打つとネコパンチになってしまいます。
AさんとBさんを見ていて思ったのですが、Aさんは自分もライジング打ちをすることで速い球に対応したのですが、Bさんは年齢的に速いテンポで連続してラケットを振ることができないため、必然的にネコパンチになってしまったのではないかと考えています。
趣味で楽しんでいる方が多い市民クラブなどでは、これらの症状を持つ方がある程度の数でいらっしゃると推測されます。
さて、1)と2)の両者をどうやって矯正していくかですが、学校の部活動であれば比較的やりやすいと思います。
理由は3つあります。
・練習は毎日ある。
・対象者が若く体力的な問題を気にする必要がない。
・技術の向上を目的とした競技卓球なので、ある程度は厳しさを
もって指導することができる。
一方、レクリエーション卓球ではかなり苦しくなります。
・コーチの方が適切なアドバイスをしても練習は週1回といった
場合が多いため、次の練習ではすっかり元に戻ってしまう
こともしばしばです。
・中高年の方が多く、特に体力面で制約のあるご高齢の方は
ネコパンチでも仕方ないと認めざるをえないのかもしれません。
・そして最後に、趣味でやってる人に厳しく言うと練習に来なく
なってしまいます。
指導に対する確たる信念や熱意があっても、実際に指導する相手を考えた場合、現実とのギャップに悩んでいるコーチの方は多いと察します。
私は安全違反(例:裸足で練習する、台を一人で折りたたむ)や、ルール違反(例:ぶっつけサーブ)については、はっきり注意しますが、それ以外については、決してあきらめではなく、いい意味で「それなり」の指導にとどめることで構わないという考えになりました。
やはりレクリエーション卓球の人は、技術の向上が最大の目的ではなく、健康増進や純粋にボールを打つのが楽しみで練習しているからです。
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この前、全くの初心者の方でシーミラー打法になっている方がいました。
昔、アメリカに独特の打ち方をするダニー・シーミラーという選手がいて、その方にちなんで命名された打法です。
シェークハンドグリップでフォアもバックも同じ面で打つ、車のワイパーのような打ち方です。
ソフトテニスはこれと同じように、フォアもバックも同じ面で打つので、その初心者の方に尋ねたところ、やはりソフトテニスをされていたとのことでした。
私はこの打ち方でもいいと思い、打ち方そのものには何も言いませんでしたが、指導員の方に即座に修正されていました。
本人はどうしてもシーミラー打法をやりたい希望があったわけでもないので、これは別にいいかなと思いました。
(ちょっと残念ではありましたが)
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
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