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卓球ではネットインしたりエッジにあたって得点した場合、不可抗力によるものという考えからか、得点側が失点側に「済まない」のポーズを取ります。

フリーハンドの手のひらを向けたり、人差し指を上に伸ばしたりするポーズを見かけます。

日本人同士なら言葉によって気持ちを伝えることもよくあります。

仲間内なら「悪い」や「ごめん」、どの相手にも使えるのは「すみません」です。

卓球をやり始めてしばらくすると、この卓球競技者の世界的な一般常識を学ぶかあるいは教えられます。

通常のフォア打ちの練習でネットインした時は、特に「済まない」の気持ちは伝えなくても構いません。

しかしそういった気配りが必須でない場合でも、丁寧であるほうが無難と考え、練習中に「すみません」の声が交わされることは少なくありません。

この様子を見て思ったのは、元々は不可抗力による得点に対しての「済まない」であったのが、ネットに当てて入れてしまったことに対する「済まない」に変わっていることでした。

フォア打ちが3往復した過程で自分の返球が連続3回ネットに触れ、いずれも相手が苦労して返してきたのなら、さすがに「すみません」はあってもいいと思います。

でも何往復もする中で、1回ネットにかすることなんてよくあることです。


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 ラリー中に「すみません」のお詫び
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練習の中で試合をやっている時に、類似の過剰なマナーを見たことがあります。

通常試合で自分の返球がネットに当たり「すみません」を言うのは、そのネットインが自分の得点に直結したケースに限られます。

自分が失点した場合、お詫びは不要です。

自分の得点になった時でも、そのネットインが得点原因ではない場合はガッツポーズをとっても構いません。

ある男子中学生は、試合中に自分の返球がネットにかすって相手コートに入るやいなや「すみません」の声をかけていました。

そのラリーで結果的に自分が失点するかもしれないし、なによりラリーが続いている最中に声を出すのは変です。

試合後その点について、中学生は周りの人から突っ込まれていました。

そばで話を聞いていると彼が所属している卓球部では、そうするのがマナーになっているとのことでした。

「理解できない」

「そもそも君がいる卓球部のマナーがおかしいよ」

大人から集中砲火を浴び、何も言い返せない中学生。

私は、もし彼が部活で一般的な卓球界のマナーに変えたらどうなるかを想像してみました。

上級生から「マナーを守らない生意気な奴」と注意されるかもしれません。


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 自分一人では変えられない
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私はこの中学生に、ダブルスタンダードにしてはどうかと持ちかけました。

部活では今のマナーを継続し、それ以外の場面では一般的なマナーに切り替えるのです。

たとえとして、マクドナルドでの後片付けの話をしました。

日本のマクドナルドでは食事が終わった後、客がゴミやトレーを片付けるのが常識となっています。

ところがそれは国や地域によって異なり、香港やバンコクでは店員さんが片付けることになっています。

「すみません」を言うのも、場所によって使い分ければいいと分かってもらいたかったのです。

中学生の彼は、困惑した表情で私の話を聞いていました。

引き合いに出したたとえが適切でなかったのかもしれません。

まあそれはさておいて、判断基準をいろいろと使い分けるのは便利である反面、混乱や矛盾を生じさせる可能性があります。

もう中学生だったらこの手の話をしてもいいかなと思ったので、悩むなら悩めばいいと、突き放した形で話を終えました。


他に見かける過剰マナーとしては、比較的女子の選手に多く見られる一回転しながらのお辞儀もそうでしょうね。

ゲームごとに相手選手、審判、ベンチと、ぺこぺこお辞儀をしながらぐるりと一周するあれです。

仰々しすぎるとか、意味がないなどと言われており、やめたほうがいいという意見に私も100%同意します。

でも一人の選手だけが疑問を感じてそれをやめることは不可能でしょう。

顧問の先生あたりから「今後はやめましょう」と方針変更を全員に告げるのが一番良いと考えます。


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 マイナー戦型とは練習したくない人
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多くの人が周囲に合わせ、無難な選択をしています。

そういったことをあまり気にかけず、ストレートに意見を言う人も中にはいらっしゃいます。

先月練習をご一緒させていただいたご婦人は、練習相手の選り好みがはっきりしていて、粒高ペンの人やカットマンとはできるだけ打たないようにしているそうです。

ローテーションでフォア面がアタック8の人になった時、険しい表情をしていました。

7~8球フォア打ちをしてから「やっぱりダメ。悪いけど別の人に代わってもらってね」とベンチで休憩を始めました。

次のローテーションで裏ソフトの人をつかまえ「私、この人と打ちたいから変わってくれない」と積極的に自分の意志を伝え、了解を得てから割って入っていきました。

物怖じせず自分の気持に素直なご婦人に、なんだか少女のような純粋さを感じました。

私ならここまで我を通してしまっていいものかとビビってしまいます。

卓球場に行くのは卓球をするためですが、それに付随してさまざまな人との交流があります。

対人関係の経験値も自然と積むことができていると実感しています。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それでは、また次号をお楽しみに。

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