卓球のプレースタイルの表現で「異質攻撃型」というのがあります。
なんだか不気味な用語ですね。
今回はこのタイプについてお話ししたいと思います。
──────────────────────
「異質」の意味
──────────────────────
卓球にあまり詳しくない方なら、後半部分の「攻撃型」というのは理解できても、前半の「異質」の2文字に怪しい響きを感じるでしょう。
相手を出し抜くような攻撃を仕掛けてくる、変わった人なのでしょうか。
一体何が異質かといえば、卓球のラケットにはラバーを2枚まで貼ることができます。
その2枚のラバーが違うタイプの組み合わせであれば、異質ということになります。
そしてこの表現は、シェークの選手だけに使われることが多いようです。
ペンホルダーの選手で裏面にラバーを貼っている人が増えていますが、例えばオモテ面が表ソフトで、ウラ面が裏ソフトの選手を異質攻撃型とはあまり表現しないようです。
そういうスタイルの人は「ペン表」であり、補足として
「バック側はオール裏面打法(除:ツッツキ)」
「オモテ面のショート主体で、ウラ面も使う」
などの情報が添えられます。
ペンでオモテ面に貼った粒高ラバーを主体に使う人なら、ウラ面が裏ソフトであれ表ソフトであれ、単に「ペンのツブ」などと呼ばれることが多いです。
──────────────────────
「異質」は少数派
──────────────────────
世界のトップ選手は、シェークで裏裏の人が多数を占めます。
戦型の画一化はトップ選手、そして一般競技者では若年層を中心に進んでいるように思えます。
そういった中でも、異質攻撃型はまだそれなりの存在感があります。
女子では片面に表ソフトを貼った選手が、世界ランキング上位に何名かランク入りしています。
日本リーグや学生リーグでは、バック面が粒高ラバーの女子選手も見かけます。
ちなみに攻撃型の選手では異質ラバーは少数派になりますが、カットマンの場合は、異質の組み合わせのほうが多数派となります。
裏裏のカットマンは少なく、一番多いのは裏+粒高、次に裏+表となります。
現代卓球ではバック側が裏ソフトだと、強烈なドライブを抑えきれないケースがあるためだと言われています。
──────────────────────
「異質」の攻略法
──────────────────────
市民大会レベルであれば戦型は多様で、ペンホルダーの人もいれば、異質攻撃型の選手も結構いる・・・みなさんの周囲でもこういった傾向があるはずです。
試合会場ではいつもの練習仲間とは違い、初対面の人との対戦が多くなります。
裏裏でない相手の場合、ボールを見極めるのに少し時間がかかることがあります。
攻撃型の選手でもカットマンでも、異質ラバーの相手ならどちらの面を重点的に攻めるべきか序盤に分析します。
大切なのは試合前のウォーミングアップで打つ時に、裏ソフトでない方で打ってもらい、どんな感触のボールなのか、わずかでも自分を慣らすことです。
中には福原選手のように、裏ソフト側だけでしか打ってこない人もいます。
これはたとえ一本でも相手が慣れるのを遅らせ、自分が有利になるための作戦です。
バック側をなかなかのクセ球で返して来る人、それとは逆にバック側のほうが打ち抜きやすい人がいます。
そこを早めに判別し、自分が得点しやすいパターンに持ち込むのです。
──────────────────────
戦法も「異質」な人
──────────────────────
以前、ある試合でバック面の粒高でかなりエグいボールを返してくる人と対戦したことがありました。
そこで私はフォア側中心にボールを送っていました。
相手もそれが分かっているので、フォア側に移動してバック面で打ってくるだろうと予想していました。
その場合は、大きく開いたバック側へストレートに打ってやるつもりでした。
ところが対戦相手は台の中央からあまり離れず、手だけを伸ばしてフォア側もバック面の粒高で返し始めました。
完全にフォア側のボールを何発もバック面で返されると面食らいます。
しかも粒高ラバーですし。
あたかもバック面のワイパー打法のようでした。
試合後、この戦法についてお話を伺ってみました。
過去にも他の選手から同じ嫌がらせを受けたそうで、あまり動けないその方はこの戦法を編み出したとのことでした。
いろんな方がいらっしゃいますね。
まさに「異質」な戦術でした。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
なんだか不気味な用語ですね。
今回はこのタイプについてお話ししたいと思います。
──────────────────────
「異質」の意味
──────────────────────
卓球にあまり詳しくない方なら、後半部分の「攻撃型」というのは理解できても、前半の「異質」の2文字に怪しい響きを感じるでしょう。
相手を出し抜くような攻撃を仕掛けてくる、変わった人なのでしょうか。
一体何が異質かといえば、卓球のラケットにはラバーを2枚まで貼ることができます。
その2枚のラバーが違うタイプの組み合わせであれば、異質ということになります。
そしてこの表現は、シェークの選手だけに使われることが多いようです。
ペンホルダーの選手で裏面にラバーを貼っている人が増えていますが、例えばオモテ面が表ソフトで、ウラ面が裏ソフトの選手を異質攻撃型とはあまり表現しないようです。
そういうスタイルの人は「ペン表」であり、補足として
「バック側はオール裏面打法(除:ツッツキ)」
「オモテ面のショート主体で、ウラ面も使う」
などの情報が添えられます。
ペンでオモテ面に貼った粒高ラバーを主体に使う人なら、ウラ面が裏ソフトであれ表ソフトであれ、単に「ペンのツブ」などと呼ばれることが多いです。
──────────────────────
「異質」は少数派
──────────────────────
世界のトップ選手は、シェークで裏裏の人が多数を占めます。
戦型の画一化はトップ選手、そして一般競技者では若年層を中心に進んでいるように思えます。
そういった中でも、異質攻撃型はまだそれなりの存在感があります。
女子では片面に表ソフトを貼った選手が、世界ランキング上位に何名かランク入りしています。
日本リーグや学生リーグでは、バック面が粒高ラバーの女子選手も見かけます。
ちなみに攻撃型の選手では異質ラバーは少数派になりますが、カットマンの場合は、異質の組み合わせのほうが多数派となります。
裏裏のカットマンは少なく、一番多いのは裏+粒高、次に裏+表となります。
現代卓球ではバック側が裏ソフトだと、強烈なドライブを抑えきれないケースがあるためだと言われています。
──────────────────────
「異質」の攻略法
──────────────────────
市民大会レベルであれば戦型は多様で、ペンホルダーの人もいれば、異質攻撃型の選手も結構いる・・・みなさんの周囲でもこういった傾向があるはずです。
試合会場ではいつもの練習仲間とは違い、初対面の人との対戦が多くなります。
裏裏でない相手の場合、ボールを見極めるのに少し時間がかかることがあります。
攻撃型の選手でもカットマンでも、異質ラバーの相手ならどちらの面を重点的に攻めるべきか序盤に分析します。
大切なのは試合前のウォーミングアップで打つ時に、裏ソフトでない方で打ってもらい、どんな感触のボールなのか、わずかでも自分を慣らすことです。
中には福原選手のように、裏ソフト側だけでしか打ってこない人もいます。
これはたとえ一本でも相手が慣れるのを遅らせ、自分が有利になるための作戦です。
バック側をなかなかのクセ球で返して来る人、それとは逆にバック側のほうが打ち抜きやすい人がいます。
そこを早めに判別し、自分が得点しやすいパターンに持ち込むのです。
──────────────────────
戦法も「異質」な人
──────────────────────
以前、ある試合でバック面の粒高でかなりエグいボールを返してくる人と対戦したことがありました。
そこで私はフォア側中心にボールを送っていました。
相手もそれが分かっているので、フォア側に移動してバック面で打ってくるだろうと予想していました。
その場合は、大きく開いたバック側へストレートに打ってやるつもりでした。
ところが対戦相手は台の中央からあまり離れず、手だけを伸ばしてフォア側もバック面の粒高で返し始めました。
完全にフォア側のボールを何発もバック面で返されると面食らいます。
しかも粒高ラバーですし。
あたかもバック面のワイパー打法のようでした。
試合後、この戦法についてお話を伺ってみました。
過去にも他の選手から同じ嫌がらせを受けたそうで、あまり動けないその方はこの戦法を編み出したとのことでした。
いろんな方がいらっしゃいますね。
まさに「異質」な戦術でした。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また次号をお楽しみに。
Comment
Trackback
Amazon.co.jpアソシエイトは、amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。